2021.06.30

食べる

【バラ農家直伝】香り広がる!花びらで作るジャムとお酒のレシピ

美しいだけでなく食べて味わえるバラ。その魅力は、豊かな香りと鮮やかな色あいにあります。これらを存分に楽しめる、花びらのジャムとお酒のレシピを教わりました。



教えてくれたのは、農薬を使わずハーブエキスを使った病害虫の予防法でバラを育てる「ひかりフラワー」の中村久子さん、裕美子さんです。

深紅の色 香り広がるローズジャム



「ちょっと休憩はいかがですか?」と久子さんがテーブルに置いたのは、鮮やかな深紅色のジャム。

「これは、ひかりフラワーの専売品種で、こだまというバラの花びらで作ったジャムなんです」(久子さん)



瓶の中には、肉厚の花びらがとろとろ状態に。甘い香りが広がります。



材料(作りやすい分量)
食用バラの花びら(こだま)…300g
砂糖…300g
レモン(国産)…1個(輪切りにする)

作り方
1.ボウルに花びらを入れ、流水で2、3回洗う。
2.ざるにあげ、水けを軽く切る。
3.鍋に花びら、砂糖、レモンの輪切りを入れ、水分が出てくるまで手で揉み込む。
4.3を強火にかけ、水分が出てきたら弱火にし、ヘラでかき混ぜながら焦がさないように15~20分煮詰める。
5.とろりと煮詰まり、花びらが透明になり赤い色が出てきたら火を止める(すぐに煮詰まりそうな場合は50~100ccの水を足して煮詰める)。
6.レモンを取り除き、ジャムが熱いうちに煮沸消毒した瓶に入れ、瓶を逆さまにする。
7.冷めたら冷蔵庫で保存する。
※ジャムは2か月を目安に食べきる



「バラの香りは熱とともに逃れやすいので、煮詰めすぎないのがポイントです。こだまは、伝統的なオールドローズにプラムを加えたような華やかな香りがする品種。花びらも肉厚なので、ジャムやお酒にしてもしっかりその存在感が残るんです」(久子さん)



食パンにつけると、ほのかにプラムに似た香りと味が。花びらの歯ごたえもしっかりしていて、かむほどに甘い風味が味わえる、感動のおいしさです。

風味が一年中楽しめる ローズリキュール



「こだまの色鮮やかさと香りは、リキュールにしても楽しめます」と裕美子さん。「リキュール」とはそもそも蒸留酒に果実やハーブなどを加えて香りを移し、砂糖を加えて作るお酒のこと。これをバラで作るのが「こだまのローズリキュール」です。

材料(作りやすい分量)
食用バラの花びら(こだま)…300g
氷砂糖…200g
レモン(国産)…1個(輪切りにする)
ホワイトリカー…1800ml

作り方
1.ボウルに花びらを入れ、流水で2、3回洗う。
2.ざるにあげ、水けを軽く切る。
3.キッチンペーパーを敷いた上におき、水気をしっかり拭き取る。
4.煮沸消毒した保存瓶に、花びら、氷砂糖、レモン、ホワイトリカーの順に入れてフタをして1か月ほどおく。
5.花びらの香りと色がお酒にうつったら、ざるでこして花びらとレモンを取り除く。
※リキュールは冷暗所で保存し、早めに飲みきること



「バラのリキュールは、氷を入れたり、ソーダ割りにしたり、紅茶にたらすのもおすすめです。お菓子にも使えます」(裕美子さん)

バラの花ならではの鮮やかな色合いに気持ちもときめきます!

香り高いバラはジャムやお酒に

今回、紹介した「こだま」は、肉厚でベルベットのような花びら。自由自在な形に仕立てることができる「つるバラ」の仲間です。


枝に沿って流れるように咲く、つるバラの「こだま」。春に満開を迎えます。

香り高い品種としてもうひとつ、久子さんがおすすめするのが、「レーヌ・デ・ヴィオレット」。

「バラらしい濃厚な香りが持ち味で、ジャムやリキュールにも合います」(久子さん)


レーヌ・デ・ヴィオレット。深いピンク色で濃厚なバラの香り。

バラは咲く姿を愛でるだけでなく、保存食にすれば季節を問わず楽しむことができるのですね。

「育てたり、飾ったり、味わったり…バラの楽しみ方はさまざま。少しでもバラを身近に感じてもらえると嬉しいです」(裕美子さん)

ひかりフラワー

中村久子さん・裕美子さん

土からこだわり、天然のハーブエキスを使って無農薬のバラ苗の育成を行う。約500品種を取りそろえたバラ園で苗を選んだら、そのまま購入することが可能。ネット販売も行う。バラ農園をはじめて18年目。サステナブルな農業を目指し10年前から無農薬を実践。久子さんと裕美子さん母娘のほかスタッフで農園を営む。営業時間午前10:00~午後5:00。月曜休(営業時間など詳細はホームページで確認を)。
ホームページはhttps://hikarirose.com/

写真/石塚修平 取材協力/JA東京むさし

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