ハーブは種類が多すぎてわからない…そう感じている方も多いはず。そこで、ハーブをよく知る農家に初めてでも使いやすいハーブとその特徴、保存方法を教えてもらいました。
教えてくれたのは、東京都青梅市でハーブ農園「ララ ファーム テーブル」を営む、奥薗和子さんです。
知っておくと役に立つ!農家おすすめ 使いやすいハーブ奥薗さんは日々の生活の中にハーブを取り入れています。そんな奥薗さんに料理などにも使いやすいハーブを紹介してもらいました。
オレガノトマト料理によく使われるハーブのひとつ。ほろ苦さが料理の味を引き立てます。シソ科のハーブの中でも香りが強いため、肉や魚の臭み消しにも。卵型の葉が特徴で、夏頃に濃いピンクの花が咲きます。
「プランターで育てる場合、調理時には長めに切るのがおすすめ。枝分かれしているところを切れば、またすぐに新しい葉が出てきます」(奥薗さん)
セージ種類が豊富なシソ科のハーブ。清涼感のある爽やかな香りは肉料理など、脂っこい料理によく合います。長い楕円形の葉は柔らかく、表面に細かい葉脈があるのが特徴。
タイムシソ科のハーブで、その種類は数百種以上。小さな葉にかわいらしい花が咲くのが特徴です。すがすがしい香りとほろ苦さがあり、肉や魚の煮込み料理、香草焼きなど料理に使うのはもちろん、ブーケなどに使っても◎。
「タイムのブーケを作るときは、根元から長めにカットして束ねるとかわいいですよ」(奥薗さん)
レモンバームその名の通り、レモンに似たフレッシュな香りが特徴。ハーブティーや料理の香りづけによく使われます。明るい緑色の葉はハートのようなかわいらしい形。
ここで、奥薗さんがレモンバームの葉を手のひらにのせ、叩きました。
「葉は両手で叩いたり、指でこすったりすると香りがよく出るんです。レモンバームは虫よけ効果が有名ですが、植えるだけでもその効果を発揮します」(奥薗さん)
「若い葉はやわらかいので、サラダにしてもいいですね」(奥薗さん)
サラダバーネット葉の縁がギザギザとした波状の形が特徴。香りはキュウリにそっくりで、ビタミンC やタンニンなどの栄養も豊富です。
「この葉や花が開ききっていないものは野菜たっぷりのサラダに。レモンの薄切りと合わせれば、夏にぴったりの爽やかなフレーバーウォーターになります」(奥薗さん)
ヒソップペパーミントのような清涼感のある香りで、藤紫色のまっすぐな花穂が特徴。肉や魚の臭み消しにも使えます。
ヤロウ古代ギリシャ時代から薬用ハーブとして使われてきたと言われているヤロウ。シダ植物に似た細かい羽状の切れ込みのある葉が特徴で、小さな白い花を咲かせます。
「新芽の葉っぱは、サラダに入れるとおいしい!」(奥薗さん)
ヤグルマギクヨーロッパではコーンフラワーという名称で親しまれ、薬草として使われてきた歴史も。
花の部分はエディブルフラワーとして食べられます。鮮やかな色は乾燥させても色あせることはありません。
ボリジかわいらしい星型の花が特徴で、ミツバチが喜んで訪花する蜜源植物。そのため、花を食べると甘さを感じます。白い毛に覆われた葉や茎はきゅうりに似た味。
花は花弁を持ち、花の中心部分をつまむと取れます。
「特に花は色も形もかわいいのでケーキなどに添えてもいいですね」(奥薗さん)
新鮮さが長持ち! フレッシュハーブの保存法多めに収穫したり、買って余ってしまったフレッシュハーブを長持ちさせる保存方法も教えてもらいました!
やり方1. 水を張ったボウルにハーブを沈ませる
2. 水気を含んだハーブを新聞紙で包む
3. 2をそのまま冷蔵室へ
「摘みたてのフレッシュハーブの鮮度を保つには、乾燥を防ぐのがポイント。この方法であれば1週間ほど保存できます」(奥薗さん)
「ねぎやみょうが、しそなどを扱うように、まずは暮らしの中にハーブを取り入れてみてください。日本の薬味と同じと考えるだけで、グッと使うハードルが下がりませんか?」(奥薗さん)
今回ご紹介したハーブはほんの一部ですが、料理やハーブティー、ブーケなど幅広く使えるものばかり!身近なものから使ってみてくださいね。
ララファームテーブル
奥薗和子さん
12年に渡るドイツ生活を経て、2019年、東京都青梅市の豊かな自然の中に「ララ ファーム テーブル」を開園。安心して食べられる新鮮な野菜を食卓に届けたいとの思いで、バジルやローズマリーなどのハーブのほか、ケールやルッコラ、ズッキーニなどの野菜、食べられる草花を有機農法を使って栽培。収穫したハーブや野菜は、東京近郊や青梅市のファーマーズマーケット、不定期出店のマルシェなどで購入できる。
ホームページはhttps://lala.farm/