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2022.04.27

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4月から変わった【医療制度】...3回使える『おかわり処方箋』って何!?再診の手間と費用が減るってホント⁉

看護師のmocaです。4月から新しくなった医療制度のうち、わたしたちにとって使い勝手の良い改善がみられました。それは“リフィル処方箋”というもので、1回の処方箋で最大3回まで繰り返し使用できるというもの。言わば『おかわり処方箋』です。情報番組の『イット』や『池上彰のニュースそうだったのか!!』でも取り上げられていました。今回はリフィル処方箋のメリットや利用する際の注意点などについて解説していきます。

【画像を見る】おかわり処方箋って…?かなり便利になりますよ!

処方箋とは患者の治療に必要な薬の種類や量などを医師が記載した書類のことで、薬局では薬の専門知識をもつ薬剤師により処方箋の内容が適正かどうかを必ずチェックしています。
これを『医薬分業』と言い、患者が適切で安全に薬を使用するための仕組みです。

これまで薬を処方されて受け取るまでの流れは、①病院に行き医師の診察を受ける、②処方箋を受け取る、③街の保健薬局で薬を受け取るというもので、1回の処方箋で薬を受け取れるのは一度だけでした。
忙しい日々のなかで定期的に病院に通って薬を受け取るのは、結構わずらわしいですよね。

“リフィル”(refill)とは補充・詰め替えという意味で、新しく始まる制度では、最初に医師の診察を受けてリフィル処方箋を受け取ると、決められた期間内であれば最大3回まで同じ処方箋で薬を受け取ることができるというものです。


出典:厚生労働省HP

4月から処方箋にはリフィル可というチェック項目が記載されるようになったので、処方箋を受け取った際には見てみてください。

病院を受診して、その後院外の薬局に薬をもらいに行くのは時間がかかるし、なかなかの手間ですね。
血圧の薬など慢性疾患の方で症状が安定していて長期的に同じ薬を服用している場合に利用することができます。


出典:イラストAC

例えば、以下のような診療科で日頃同じ薬の処方を受けている方にとっては便利になりそうです。
・内科:生活習慣病や慢性疾患
・耳鼻科:季節性や通年性のアレルギー性鼻炎
・皮膚科:アトピー性皮膚炎やニキビ等

対象外となるのは、投薬量に限度が定められている薬(新薬や麻薬、向精神薬)や湿布薬です。

患者側は処方箋を受け取るためだけに何度も受診する必要がないため医療費や交通費を抑えられ、手間も減って薬を受け取りやすくなります。
込み合っている病院は待ち時間が長く、待合スペースは密になっている場合もあるので受診すること自体に不安を抱くこともあると思うで、受診する頻度を減らせるのはうれしいですね。

病院側は業務負担を減らすことができ、業務の効率化や混雑緩和にもつながります。
リフィル処方箋を使用すると、初回以降の診察料がかからなくなるので医療費の削減につながるということが厚生労働省の狙いです。

デメリットとしては、長期間医師の診察が行われなくなるため経過観察の頻度が減り、病状の変化に気づきにくいという点があります。
その分、薬剤師が医師に代わりに患者の状態を把握して経過観察を行うなど、業務負担が大きくなることが考えられます。

医師のなかにはリフィル処方箋の制度に反対する意見もあり、基本的にリフィル処方箋を出すかどうかは「個別に医師が判断する」ということになっているので、現時点では患者が希望しても病院によっては利用できない場合もあるようです。

『イット』で取材を受けたみどり薬局の桝 直樹薬剤師は「この制度を機会にかかりつけ薬剤師・薬局をつくって、よりよい医療を提供できるようになったらいいかなと思います」とコメントしていました。
普段から健康状態や服用状況を把握してくれているかかりつけ薬局をもつことは大切ですね。


出典:イラストAC

便利なリフィル処方箋ですが、病状の変化や薬の副作用があれば速やかに病院を受診できるようにわたしたちも注意していく必要があります。
かかりつけ医やかかりつけ薬剤師の説明を十分に受けたうえで利用していけたら良いですね。

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