2022.10.08

食べる

【養鶏農家直伝】「鶏そぼろジャージャーうどん」作ってみた!豚ひきの肉餡よりもサッパリなのにコク深っ

中国の山間部発祥のジャージャー麺。甘辛な豚ひき餡を中華麺にオンするのが定番ですが、養鶏農家のアレンジはひと味違います。豚ひき肉を鶏ひき肉に変えることであっさり味にしつつ、しょうが&味噌で奥深いコクも実現。このアレンジが、良~い仕事してる! 一口食べれば、肉汁ジュワワーンです。和風の肉餡に合わせ、麺はうどんをチョイスするのがおすすめとか。では、作っていきましょー♪

養鶏農家がレトルト食品『黄金の鶏ガラスープ』を開発!?「命を最後まで大切に」の思い結実!【食べるSDGs】


関東平野の西北の端にある比企丘陵に囲まれた埼玉県小川町「ぶくぶく農園」で養鶏を営む桑原花さんは、養鶏農家として毎日卵を出荷するなか、卵を産めなくなった引退鶏を活用したレトルト食品の開発も手掛けています。



「大規模養鶏場の場合、引退鶏は業者に引き取られて飼料になります。でも、わたしのような小規模養鶏農家だと数が少なすぎるため、引き取りに来てもらえません。産業廃棄物として処分するしかないなか、せっかくの命を最後まで無駄なくいただきたい、そう思って、賛同してくれた仲間と一緒に引退鶏を使ったレトルト食品を開発する“鶏革命団”の活動をしています」(桑原さん)

今回教わった「鶏そぼろジャージャーうどん」は、桑原さんのお母さん秘伝のレシピ。鶏ひき肉の旨味を存分に味わえますよ~!

しょうが×味噌で心も体もポカポカ!「鶏そぼろジャージャーうどん」



材料(4人分)
ゆでうどん(市販)…4袋
鶏ひき肉…200~300g
長ねぎ…20cm分
にんにく(みじん切り)…1かけ

しょうが(粗みじん切り)…1かけ
サラダ油…小さじ1

A
味噌…大さじ3
コチュジャン…小さじ1/2
酒…小さじ1
砂糖…小さじ1/2

作り方
1.長ねぎの半分をみじん切りに、残りの半分を小口切りにする。Aは混ぜておく。



2.フライパンに油を熱し、にんにく、しょうが、長ねぎ(みじん切り)を炒めて油が全体になじんだら、鶏ひき肉を入れさらに炒める。



3.鶏ひき肉に火が通ったら混ぜたAを加え、水気が少し残る程度に煮詰める。





4.温めたうどんを深皿に盛り、3をかけ、長ねぎ(小口切り)を添えて完成。



出来たてホカホカをいただきま~す!




ああ、なんてコク深い…。鶏ひき肉、そしてしょうがと味噌。味を支える3つの食材が奏でるハーモニーの美しさに、思わず悶絶するワタシ。それぞれの旨味がしっかり引き出され、奥行きのある味わいに仕上がっています。ジューシーな鶏そぼろは、噛みしめるたびに肉汁がジュワ~と口の中に広がって…もう最高!

そして、ここで注目したいのが粗みじんに切ったしょうが。食べているうちに、なんだか体も心もポカポカしてきました!寒くなるこれからの季節にぴったりじゃないですか。



辛さはほぼないので、子どもや辛いものが苦手な人でもパクパク食べられるのも高ポイント。もちろん、調味料を足して辛く仕上げることも可能です。辛めが好きな人は、豆板醤を小さじ1ぐ
らいプラスするのがおすすめ!



時間があるときに鶏そぼろを多めに作っておけば、ご飯にかけたり卵焼きに混ぜたり、春巻きの具にしたりと、いろいろなアレンジで楽しめます。ぜひ作ってみてくださいね!

鶏にストレスは厳禁!のびのび育てるのが◎

2016年に養鶏を始めた桑原さん。
最初は120羽からスタートし、現在は合計690羽の鶏を飼育していますが、成長に合わせて3チームに分けているのだそう。



生後すぐから5か月ぐらいまでの鶏たちがいるのは、自宅のすぐそばの鶏小屋です。



生後6か月から1年ぐらいまでの若い親鶏のチームと、生後1年から1年半ぐらいまでのシニア親鶏のチームは、エリアを分けて草地で育てます。



「養鶏を始めたときは、育て方も下手で…。ある朝、鶏小屋に行ったらなんと30羽も死んでしまっていたこともあります」と振り返る桑原さん。

鶏が死んでしまう理由は管理の問題だそう。小屋の温度調整を失敗したり、カロリー計算を間違えて栄養不足になったり、隙間から猫が入ってしまったときも。

「夢に出るくらいいろんなことがありましたね…。最近やっと、鶏をストレスなく健康に育てるやり方がわかってきた気がします」(桑原さん)




桑原さんは、鶏が自由に動き回ることができる「平飼い」という飼育法を取り入れていますが、平飼いだからといって鶏にストレスがない、とは言えないそう。

「鶏の祖先は恐竜、と言われているくらい、実は獰猛な一面も持っています。ひよこのときにはケンカもせず平和に暮らしていますが、成長するにつれて気性が荒くなっていくんです。過密な状態にして買っていると、互いを突き合って殺してしまうことも…。そんなことにならないよう、のびのびと育てることを心がけています」(桑原さん)



「くさみがなくてあっさりしている」とお客さんから言われることも多い桑原さんの卵。のんびり仲良く育った鶏だからこそ、素直で健やかな味がするのかもしれません。


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ぶくぶく農園

桑原 花さん

1990年生まれ。3人姉妹の長女。5歳のときに一家で埼玉県比企郡小川町に移住、父の衛さんが野菜、米麦、養蜂、養鶏などを営む。大学卒業後、NPOジーエルエム・インスティチュートの農業開発援助アシスタント業務でフィリピン・ルソン島北部に1年半駐在。実家で約1年の研修後、2016年に就農。現在690羽の平飼い養鶏を営む。卵は、JA埼玉中央「小川農産物直売所」や「デリカテッセンアーチャン」「自然食の店リフレ」(いずれも小川町)、「とうふ工房わたなべ」(ときがわ町※毎週日曜日のみ)、江東区の八百屋「野菜のちから」、世田谷区下北沢のサンドイッチ店「サンドイッチクラブ」などで販売する。

ぶくぶく農園ホームページ:http://www.jca.apc.org/~stet/

ぶくぶく農園インスタグラム:https://www.instagram.com/bukubukufarm/?hl=ja

写真/菊地菫 取材協力/JA埼玉中央

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