2021.07.09

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【農業男子が教える】多肉植物を失敗なく楽しく増やすワザ

多肉植物を自分で増やす楽しみがあるのをご存じですか?葉っぱを取って土に挿すだけでかわいい子株が増えていく、「葉挿し」のやり方を農業男子、髙橋徹さんに聞きました!



実際に、葉挿しをしながら苗を増やしている農業男子、髙橋さんは東京都練馬区で年間200種類の多肉植物を育てています。

「多肉植物は成長していくと、鉢におさまらないくらい大きくなることも。成長を止めるには葉を切るしかないのですが、切り取った葉を捨ててしまうのは心苦しいですよね。でも、葉挿しをすれば、別の鉢でまた一つの株に育て上げることができます!」(髙橋さん)



「これは、葉挿しをしてしばらく置いておいて、赤ちゃんが出てきたものです」(髙橋さん)



よく見ると1枚の葉から根が!多肉植物のたくましさにびっくりです。

今回は葉が比較的取りやすい「エケベリア」を使って、葉挿しの方法を教えてもらいます。

葉挿し事前準備 2日前に水をやっておく

「まずたいせつなのが、葉挿しをする2日前に水をたっぷりやっておくこと。葉をとって葉挿しをしてから1か月ほどは日陰に置き、水をほとんど与えないで根と赤ちゃん株が出てくるのを待ちます。ですから、あらかじめ葉にしっかり水分を吸わせておくことがたいせつです」(髙橋さん)



また、葉挿しは時季も重要だそう。

「夏場は、どうしても葉っぱが干からびたり、雑菌が入りやすいので、葉挿しに最も向くのは冬場です」(髙橋さん)

髙橋さん直伝 葉挿しのテクニック

用意するもの
2日前に水をやった多肉植物(今回はエケベリア)
鉢かポット
培養土(多肉植物用)
スコップ



やり方
1.ポットに培養土を入れる。



土はポット8分目までを目安に。

2.多肉植物の葉を持ち、斜め下方向に下げて葉をちぎる。



「赤ちゃん株や根がしっかりと生えてくるためには、根元からきれいに取る必要があります。葉の付け根から、左右にぐらぐら揺らすといいですよ」(髙橋さん)

とれた葉はこんな感じ。



「内側にある新しい葉のほうが、赤ちゃん株が出やすい傾向にあるので、外側だけではなく内側の葉までどんどん取りましょう」(髙橋さん)

4.取った葉をぐらぐらしない程度の深さに挿していく。



5.ポットのカーブに沿わせるように、丸く挿せばできあがり。



葉挿し後は水をあげないで!

「葉を挿したポットを日陰に置いておくと、だいたい1か月後には根が出てきます。その間は、水はまったくあげなくても大丈夫。葉の元気がなくて心配になら、ごくごく軽めに、さっとかける程度にしてください」(髙橋さん)



ちなみに左側は、葉挿してから5か月ほどで立派に成長したエケベリアです。

葉一枚がこんなに成長するなんて、すごい!葉挿しで葉を取り除いた株も、土に植え直しておくとまた成長を続けます。

「大きく成長したら、葉挿しでまたいちから成長を見守ることができるのが、多肉植物ならではのおもしろさ。育てる楽しみが広がりますよ」(髙橋さん)



髙橋徹さん

荻窪園芸地方卸売市場、尾崎フラワーパークを経て就農して3年目。両親とともに花の苗を育てるほか、髙橋さん担当で東京都練馬区のハウス内で約200種類の手のひらに乗るサイズの多肉植物を育てる。多肉植物は、JA東京あおば直売所(以下3か所)で販売。
ファーマーズショップこぐれ村
ファーマーズショップにりん草
とれたて村石神井

写真/石塚修平 取材協力/JA東京あおば・JA東京中央会

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