多肉植物を自分で増やす楽しみがあるのをご存じですか?葉っぱを取って土に挿すだけでかわいい子株が増えていく、「葉挿し」のやり方を農業男子、髙橋徹さんに聞きました!
実際に、葉挿しをしながら苗を増やしている農業男子、髙橋さんは東京都練馬区で年間200種類の多肉植物を育てています。
「多肉植物は成長していくと、鉢におさまらないくらい大きくなることも。成長を止めるには葉を切るしかないのですが、切り取った葉を捨ててしまうのは心苦しいですよね。でも、葉挿しをすれば、別の鉢でまた一つの株に育て上げることができます!」(髙橋さん)
「これは、葉挿しをしてしばらく置いておいて、赤ちゃんが出てきたものです」(髙橋さん)
よく見ると1枚の葉から根が!多肉植物のたくましさにびっくりです。
今回は葉が比較的取りやすい「エケベリア」を使って、葉挿しの方法を教えてもらいます。
葉挿し事前準備 2日前に水をやっておく「まずたいせつなのが、葉挿しをする2日前に水をたっぷりやっておくこと。葉をとって葉挿しをしてから1か月ほどは日陰に置き、水をほとんど与えないで根と赤ちゃん株が出てくるのを待ちます。ですから、あらかじめ葉にしっかり水分を吸わせておくことがたいせつです」(髙橋さん)
また、葉挿しは時季も重要だそう。
「夏場は、どうしても葉っぱが干からびたり、雑菌が入りやすいので、葉挿しに最も向くのは冬場です」(髙橋さん)
髙橋さん直伝 葉挿しのテクニック用意するもの2日前に水をやった多肉植物(今回はエケベリア)
鉢かポット
培養土(多肉植物用)
スコップ
やり方1.ポットに培養土を入れる。
土はポット8分目までを目安に。
2.多肉植物の葉を持ち、斜め下方向に下げて葉をちぎる。
「赤ちゃん株や根がしっかりと生えてくるためには、根元からきれいに取る必要があります。葉の付け根から、左右にぐらぐら揺らすといいですよ」(髙橋さん)
とれた葉はこんな感じ。
「内側にある新しい葉のほうが、赤ちゃん株が出やすい傾向にあるので、外側だけではなく内側の葉までどんどん取りましょう」(髙橋さん)
4.取った葉をぐらぐらしない程度の深さに挿していく。
5.ポットのカーブに沿わせるように、丸く挿せばできあがり。
葉挿し後は水をあげないで!「葉を挿したポットを日陰に置いておくと、だいたい1か月後には根が出てきます。その間は、水はまったくあげなくても大丈夫。葉の元気がなくて心配になら、ごくごく軽めに、さっとかける程度にしてください」(髙橋さん)
ちなみに左側は、葉挿してから5か月ほどで立派に成長したエケベリアです。
葉一枚がこんなに成長するなんて、すごい!葉挿しで葉を取り除いた株も、土に植え直しておくとまた成長を続けます。
「大きく成長したら、葉挿しでまたいちから成長を見守ることができるのが、多肉植物ならではのおもしろさ。育てる楽しみが広がりますよ」(髙橋さん)