2021.07.04

働く

住宅街のローズファーム!東京都国分寺市のサステナブルな農園は、バラに恋した母娘の夢の結晶

農薬を使わず、ハーブエキスを使った病害虫の予防法でバラを育てるバラ農園ひかりフラワーの中村久子さんと裕美子さん。バラを育て、ともに暮らす魅力を教えてもらいました。

バラ農家ならでは!?朝摘みのバラを楽しむ日々

国立駅から歩くこと15分…見えてきたのは、色とりどりのバラであふれるローズファームが目印のひかりフラワーです。



ひかりフラワーでは、イングリッシュローズやモダンローズ、オールドローズなど世界の約500品種のバラを栽培しています。



現地では鳥のさえずる圃場をじっくりと堪能しながら、気に入った苗を選んで店舗で買うことができます。


※夏季は店管理育成のため販売はお休み。秋から販売が再開するのでインスタグラムなどをチェックしてください。

自然の力でたくましく育つバラ

「農薬に頼らなくても育てられるよう、うちのバラは特別に調合した土やハーブエキスを使って育てています」と久子さん。

農薬を使わずに育てたバラの花びらは、エディブルローズとして販売することも。

※ひかりフラワーのエディブルローズは一旦販売が終了していますが、バラの開花状況に合わせて今後も販売予定。

「バラを無農薬で育てている人にはバラ風呂もおすすめ。花首からとったバラを湯舟に浮かべてフタをして、5~10分ほど蒸らすだけです」(裕美子さん)



お風呂のフタを開けると、花がバン!と開いていて、いい香りが広がるそう。

「花びらを散らすと掃除が大変ですが、花首ごとなら片づけもらくちん。少量のバラでも、とってもぜいたくな時間になって、リフレッシュできます」(久子さん)

摘みたてのバラを浮かべ、ゆっくりつかるバラ風呂。想像するだけでも最高の一日になりそうです。※エディブルローズ・バラ風呂は購入してから3年以上無農薬で育てたバラで楽しむようにしてください

造園業からサステナブルなバラ農園へ

造園業を営んでいた中村家の一角で、当時主婦だった久子さんがバラを販売しはじめたのが18年前。

「学生のとき、家に帰ったら母に『バラ屋さん始めたよ』って言われたのをよく覚えてます」(裕美子さん)



「畑の一部で好きなバラを育て始めたんです。たくさん咲いたのでブーケにして、ご近所へ持って行くときれいって喜ばれて。まるで自分が褒められているようでうれしくて、どんどんバラに夢中になりました」と当時を振り返る久子さん。

今年はひかりフラワーが本格的に有機栽培しはじめてから10年の節目の年です。



「サステナブルな農業を目指してきて、やっとかたちになってきました」と裕美子さん。

無農薬栽培に欠かせないひかりフラワー特製のハーブエキスは、バラにとってのいわば漢方薬のようなもの、と久子さんは説明します。



「ハーブエキスによって病気になりにくい丈夫なバラとなりますが、絶対に病気にならないわけではありません。でも、たとえ元気がなくなったとしても、復活が早いんです」(久子さん)

お手本はイギリス。おしゃれな農家スタイルを提案したい

「バラを育てるのは難しい、という固定観念を持っている方が多いと思いますが、まず育てやすい鉢一つから始めてみてほしい。飾ったり、香りを楽しんだり、何年もバラを堪能できますよ」(裕美子さん)



バラはその優雅な見た目から、繊細に取り扱う必要がある、と思いがちですが…

「そんなことありません。バラは案外たくましいですよ」と久子さん。



「繊細に扱うより、大胆に扱うほうが苗も強く育ちます。バラを切るときには、花が開き始めたタイミングで切ること。花瓶に生けてそこで花を開かせます。そうすると、苗にも負担がかからず、次々に花が咲くんです」(久子さん)

「バラの花をもったいないと残すほど弱くなります。しおれた花もそのまま置いておかず、切ってあげるのが、バラの健康維持の秘訣です」と裕美子さんも言います。



ヨーロッパ各国の農園を巡った経験がある裕美子さん。そのなかでも一番好きだったのはイギリスの農園だそう。

「こぢんまりしたサイズの家に赤いバラが咲いている風景がおしゃれで、この農家スタイルなら東京の住宅街でも実現できる、と思いました。ゆくゆくは国分寺をバラの街にしたい、そう夢見ています」(裕美子さん)



暑さ寒さから逃れられない肉体労働ですが、お気に入りの一鉢をお客さんが見つけてくれたときが一番うれしい、と話す久子さんと裕美子さん。

「太陽の下にいつもいるから、おかげさまで健康です。花のそばにいると自然に笑顔になってしまいます」と微笑みます。

ひかりフラワーのインスタグラムとツイッターでは栽培しているバラや農園の情報などを発信!ぜひ見てみてくださいね。




ひかりフラワー

中村久子さん・裕美子さん

土からこだわり、天然のハーブエキスを使って無農薬のバラ苗の育成を行う。約500品種を取りそろえたバラ園で苗を選んだら、そのまま購入することが可能。ネット販売も行う。バラ農園をはじめて18年目。サステナブルな農業を目指し10年前から無農薬を実践。久子さんと裕美子さん母娘のほかスタッフで農園を営む。営業時間午前10:00~午後5:00。月曜休(営業時間など詳細はホームページで確認を)。
ホームページはhttps://hikarirose.com/

写真/石塚修平 取材協力/JA東京むさし

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