2022.03.16

食べる

【初めてのプランター栽培】この春デビュー!ベランダ菜園でルッコラ他、おしゃれな西洋野菜を育てよう

春真っ盛りの今は、種まきのベストタイミング。家庭菜園を始めるならまさに今! というわけなんですが…自宅に庭がある人は限られていますよね。そこで、今回はベランダでもできるプランター栽培のコツを、東京都あきる野市で種苗店を営む野村さんに教わりました。今回育てるのはルッコラ、ビーツ、コールラビなどの西洋野菜。今から収穫が待ち遠しい~。

【併せて読みたい記事】【種と苗の専門店に行ってみた!】栽培から料理レシピまで相談OK「種苗店」の魅力に迫る!



初心者向けのプランター栽培について教えてくれるのは、東京都あきる野市にある種苗店、野村植産の野村辰也さん。

店には定番品種から西洋野菜まで、数多くの種がずら~り。



「3月から5月にかけては種まきの季節。野菜は畑じゃないと育たない、と思う方もいるかもしれませんが、プランターと土さえあれば、ベランダでも野菜を種から育てることができますよ!」(野村さん)

では、プランター栽培のおさえておきたい基本知識とコツを見ていきましょう!

まずはプランターと土を用意

野菜を育ててみたいと思ったら、プランターと土を準備しましょう。



「今はさまざまな種類の土が売られているので、必要に応じて購入してもらえばと思いますが、プランターと土があれば育ちます」(野村さん)

土は基本的に培養土でOK。プランターは水がたまらないよう、底に穴が開いているタイプを用意しましょう。

「水はけがよくなるように鉢底石や鉢底ネットなども、あれば使いましょう。どれもホームセンターや100円ショップで揃えられますよ」(野村さん)


野村さんおすすめの種。左からルッコラ(ローマ)、コールラビ(グランドデューク)、スティックフェンネル(スティッキオ)、ビーツ(ルナ)。

種はまく時期に合わせて選びます。

「種苗店やホームセンターに行けば、育てやすい野菜を教えてくれます。育ててみたかった野菜があれば、チャレンジしてもいいですね」(野村さん)

おさえておきたい!種まきの基本



種まきに必要なもの
プランター
培養土(プランターの大きさに合わせて)

鉢底石(なくても可)
※今回、プランターは11L容量のものを使用

種のまき方
1.プランターに培養土を入れる。



「土は入れすぎに注意! 水やりの際に水があふれないようにウォータースペースを確保しましょう。土が目一杯入っているように見えるかもしれませんが、水やりすると土が沈むので大丈夫ですよ」(野村さん)


野村さんが指で示してくれたこの余白がウォータースペース。土はプランターの内側に刻まれているラインまで入れましょう。ラインが入っていないものはプランターの上から2~3cnほどが目安です。

鉢底石がある場合は、まずは鉢底石をプランターの底が見えなくなるまで敷き詰めてから土を入れます。

2.種をまく。

このとき、小粒の種は「すじまき」、大粒の種は「点まき」というように、まき方を変えます。


種が入っている袋にもまき方が書いてあります。種は器にいれるとまきやすいですよ。

まずはすじまきのコツから。



「すじまきは、割り箸を何往復かさせて溝を作ったところに、パラパラとまいていきます。種をまいたら脇の土をやさしくつまむように、そっとかぶせましょう」(野村さん)


まいた種の位置がずれないようにやさしく土をかぶせます。

小さい種は、半分に折った少し厚手の紙に入れてから溝へまくと、手にくっつかず楽にまけるのだそう。


「トントンやさしく弾くと、折り目に沿って種がきれいに並ぶので、まきやすくなります」(野村さん)

続いて、点まきのコツを教えてもらいました。



「点まきは、等間隔に指で穴をあけて種を2~3粒ずつまきます。まいたら上から土をかけて、やさしく押さえましょう。穴の深さはどの野菜も『種の大きさの3倍』。今回は間隔を7~8cmあけます」(野村さん)



3.水をたっぷりかける。



「土をかぶせたら、水やりはじょうろを使いましょう。水の勢いが強くならないように注意してくださいね。水は土がゆっくりと沈み込むくらいがちょうどいいです」(野村さん)

野村さんおすすめの種では、ルッコラ、スティックフェンネルは、すじまき。ビーツ、コールラビは、点まきが適しています。

苗の植え方についても知っておこう!



植える時期が遅くなっちゃった! 収穫時期までの期間を短くしたい! というときには、ある程度の大きさまで育った苗から育てると早く収穫できます。

野村さんに西洋野菜の一種、カリーノケールの苗を例に、植え方のコツを教えてもらいました。


11Lのプランターに苗は2つがベスト。

1つの苗に対して30㎝ほどのスペースを用意し、間隔を空けて植えます。



「苗の大きさに合わせて穴を掘ります。苗の表面がプランターの土と同じ高さになるくらいがいいですね」(野村さん)



苗の根元を抑えてひっくり返せば、ポットから苗をきれいに取りだすことができます。



土をかぶせたら、最後は根元をやさしくギュッと押さえるのがコツ。

種まきと同じように水をたっぷりとあげましょう。



「種も苗も、植えたら日当たりと風通しのいい場所に置いてください。水はけが気になる場合は、ブロックの上にプランターを乗せて底上げするとよくなりますよ」(野村さん)

余った土の保管ってどうしたらいい?

買ってきた土を使い切れず、残ってしまうことってありますよね。そんなときにはどのように対応するのが正解なのでしょうか。



「土の使用期限はありません。余ったら透明なビニール袋にいれてしっかり密閉しましょう。日が当たるところに置いておくと、太陽熱のおかげで苔やカビが生えにくいですよ。一度使った土も、広げて日に当てておけば肥料を足して再利用できます」(野村さん)



今回教わったやり方は園芸の基本。覚えておけば畑などで野菜を育てる際にも役立ちます。

まずは育てやすい野菜から、限られたスペースでもできるベランダ菜園を楽しんでみてください!

野村植産㈱

野村辰也さん

東京都あきる野市、JR秋川駅から徒歩10分の住宅街にある種苗店。バラエティに富んだ品揃え、きめ細やかな対応から、家庭菜園を楽しむ地域住民や農家からの信頼は厚い。西洋野菜を育てたことをきっかけにその魅力に気付き、2018年「東京西洋野菜研究会」を発足。マルシェやワークショップなど、西洋野菜の魅力を広く伝える取り組みを続けている。出前授業や栽培指導などを通して、地域の保育園や小学校の食育サポートにも注力。広い世代に向けて「土に触れ、食べるよろこび」を発信している。
野村植産ホームページは
https://nomuraseed.mystrikingly.com/
東京西洋野菜研究会ホームページは
https://tokyovege.mystrikingly.com/

写真/石塚修平 取材協力/JAあきがわ

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