2021.11.07

食べる

【メディカルフルーツ!酵素の王様!?】日本では珍しい【青パパイア】がスゴイ!栄養価や意外な食べ方について、生産者に直撃取材!

パパイアといえば、黄色い果肉を食べるあのフルーツでしょ? とお思いの方が多いはず。ところが、完熟する前の青々としたパパイアの実だって、とーってもおいしいんです! タイではサラダから炒め物までさまざまな料理に登場するほどポピュラーなうえ、栄養価もバツグンとか。近年日本でも栽培されていると聞き、埼玉県の生産農家を訪ねて話を伺いました。


たわわに実るパパイア。

幹についたまま熟していけば、甘くておいしい南国フルーツとして楽しめるパパイアですが、未成熟の青い状態で収穫するのが青パパイア。

東南アジアでは定番の食材で、タイ料理では酢やナンプラーなどで調理するサラダ「ソムタム」がよく知られています。


タイ料理の定番サラダ「ソムタム」。

亜熱帯気候の沖縄県で栽培されていますが、今回訪れたのはなんと関東地方! 農家の横田武さんが埼玉県白岡市で青パパイアを栽培しているのはなぜなのでしょうか。


農園を訪ねたこの日は、まだ残暑が厳しい9月中頃。いかにも仕事人という雰囲気で頭と首に巻いたタオルが印象的です。

「育てている理由ですか?理由は明快、『青パパイアがとっても魅力的でスゴイ食材だから』です! 白岡市でも私以外に青パパイアを育てている農家仲間はたくさんいます。埼玉県だけでなく、茨城県や神奈川県でも栽培され、生産量は年々増えているんですよ」(横田さん)

そこで、横田さんに青パパイアの魅力を教えてもらいました!

【農家が力説】青パパイアのここがスゴイ!
①栄養価がスゴイ!
②生長スピードがスゴイ!
③農家にうれしい意外なパワーがスゴイ!

では、順に見ていきましょう!

栄養がスゴイ!青パパイアはダイエットにももってこい!

「メディカルフルーツ」「酵素の王様」と呼ばれるパパイア。食物繊維やビタミンC、ポリフェノールや18種のアミノ酸、β-カロテンなどが豊富に含まれています。



バナナと比べても、食物繊維は2倍も入っているのに気になるカロリーは約半分。抗酸化作用のあるポリフェノールは赤ワインの7.5倍というから驚きです。

また、パパイアに含まれるビタミンCは熱に強いので、加熱調理しても壊れることなし。


手前左から時計回りに青パパイアのみそ炒め、しりしり、きんぴら。味にクセのない青パパイアは和食や洋食、中華までなんにでも合います。水に浸けて10分ほどアク抜きをすれば簡単に調理可能。

そして、特に注目したいのがパパイア独自の消化酵素「パパイン」。この酵素は脂肪や糖質を分解する効果があるそう。

「収穫するとパパインがたっぷり含まれた果汁が溢れてくるんだよ」と、横田さんが収穫風景を見せてくれました。



パパイアの消化酵素は強力なので、この白い汁に直接手で触れてしまうとかぶれたり、かゆみが出ることも。

「肌の弱い人は調理する時ゴム手袋などするようにして、注意してくださいね」(横田さん)



栄養価が高いだけでなく、特別な酵素「パパイン」を含む青パパイア。その注目度はなんと「2022食のトレンド予測 スーパーフードランキングTOP10」で堂々の1位に選出されるほどなんです!

今年に入ってからテレビをはじめ、多くのメディアで取り上げられており、「スーパーフードといえば青パパイア」となる日も近そうです。

生長スピードがすごい!青パパイアは半年で高さ2m超え

「パパイアのすごさは他にもありますよ」と横田さんに見せてくれたのは、栽培中のパパイア。2m以上あり、南国の植物らしい大きな葉が特徴です。



あまりに立派なので植えてから数年たっていると思いきや…

「これは今年の4月に植えたパパイアです。パパイアは生長が本当に早くて。植えたときは20㎝の苗木でも、半年後には2mを超えますよ」(横田さん)

たった半年で2mの高さにまで育つなんて、すごいスピード…びっくりです!!



「春に苗を植えて秋に実を収穫したらその年は終わり。冬の寒さには耐えられず、枯れてしまいます。次の年になったらまた新しい苗を植えて、収穫したら抜いて…の繰り返し。育つスピードが速いから、パパイアが冬を越せない寒い地域でも、青パパイアなら栽培できるんですよ」(横田さん)

すぐに大きくなる青パパイアは東南アジアなどでは「雑草」として扱われることもあるのだとか。

なんとも不思議な植物です。



「今はちょうど花が咲き、実ができ始めたころですね」と横田さん。

さっそく近くに寄ってみると、黄色みががった白い小さな花が!



この花がやがて実となり、15㎝大に育つと、青パパイアとして食べられるそうですよ。



虫も鳥も獣も寄り付かない!?農家にうれしい意外なパワーがすごい!

「最後に紹介する青パパイアのすごい点は、その育てやすさにあります」と横田さん。



「農家をしていると常に考えなければならないのが、害虫や鳥獣対策。でも青パパイアは完熟前なので虫や動物が見向きもせず、食べられることがない。そして、生長も早いから病気にもかかりにくい。他の作物に比べて出荷までの手間が少ないので、農家としては非常にありがたい作物なんです!」(横田さん)

栄養価の高さとダイエット効果で女性にうれしい青パパイアは、農家にとってもうれしい作物だったんですね。



横田さんの農園がある白岡市では、新しい特産品として、周辺の農家と協力しながら栽培に取り組んでいます。

「うちの農園では、まだまだ試行錯誤しながら青パパイアを育てています。注目の栄養素がたくさん入っているし、需要はますます高まってくるはず。皆さんの食卓により多く届けられるよう、栽培に励みます!」と横田さん。

スーパーや直売所で青パパイアを見つけた際は、ぜひ手にとってみてくださいね!

横田園芸

横田武さん

埼玉県白岡市でトマトをメインに栽培しながら、青パパイアを栽培して今年で4年目。毎年、試行錯誤を重ねながら、青パパイアが育ちやすい土壌づくりなどに取り組んでいる。「横田園芸」でとれる青パパイアは白岡市内スーパーにて購入可能。

取材写真/松木雄一 レシピ写真/石塚修平 写真(ソムタム)/Photo AC 取材協力/JA南彩

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