2021.12.04

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【農業で運動不足解消!?】コロナ禍で【農業ボランティア】に挑戦の20歳専門学校生に密着!朝活にも最適です!

コロナ禍で在宅時間や行動制限が増え、毎日がマンネリ化したり、運動不足を感じたりしていませんか? 何か新しいことを始めたいけど、何を始めたら…という人におすすめなのが、体を動かして緑や土に触れ合える農業です。なかでも農業ボランティアは手軽にできるのでおすすめ。でも、そもそも農業ボランティアって何? どんなことをするの? 今年から農業ボランティアを始めた大石輝さんに密着しながら、紹介します。


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コロナ禍で改めて考えた“これからの自分にできること”

東京都の多摩エリア西部に位置する羽村市。近くには多摩川が流れ、山の景色も見える閑静な住宅地の中に、四季折々の農産物を栽培する「中野農園」があります。



まず、農業ボランティアとはどういったものなのか、中野農園の中野峰雄さんに尋ねると「農業ボランティアは、文字通り『農家で農作業を手伝うボランティア』のこと。作業内容は本人の希望を聞きつつ、なるべく簡単な農作業をお願いするようにしています。農業に少しでも親しんでもらう、これが一番大切ですよね」と話してくれました。

援農ボランティアとも呼ばれる農業ボランティア。休日など空き時間に参加できるだけでなく、自然と触れ合い、軽い運動にもなるとコロナ禍で注目を集めています。



この農園で、今年の夏から農業ボランティアを始めたのが、20歳になったばかりの専門学校生 大石輝(ひかる)さん。

トマトを栽培しているビニールハウスで作業をしていた大石さんに、さっそく話を聞きました。



「今日は、トマトの下にある葉を剪定する作業をしています。こうすると風通しがよくなり、虫がつきにくくなったり病気になりにくくなるんです。また、葉を無くすことで実の方に栄養がいくそうですよ」と、説明する大石さん。

手慣れた様子で作業する大石さんですが、今まで農作業経験はなかったそう。なぜ農業ボランティアを始めたのでしょうか。



「昨年から続くコロナ禍の影響で運動不足が気になり、体を動かせる場所や機会を探していました。そうこうするうちに就職も決まり、“社会人になる前に何か新しいことをしたい! それなら農業だ!”とひらめいて。どこかに農作業を手伝える場所はないかと考えた時に、昔お世話になった中野農園が浮かんだんです」(大石さん)


屈んでの作業が続き、汗を流す大石さん。

実は大石さんは以前、「中野農園」を訪れていました。

「中学校の職業体験学習のときにお世話になったのが中野農園で。そのころから中野農園の大ファンなんです。直売所に野菜を買いに行くだけじゃなくて、ボランティアとして中野農園に通うのもいいじゃん! と思って。それに小さなころから祖父母の家庭菜園を眺めていたので、もともと農業に興味もありました」(大石さん)

土に触れ、着実に作業を成し遂げていけるのが農業の魅力



農業ボランティアの作業内容は農家がどういった農産物を生産しているかによって変わります。中野農園ではトマトを中心に多品目の野菜を育てているため、大石さんはその時々に合わせて苗を植えたり、草取りをしたり、いろいろな農作業を体験しているのだそう。



「体を動かしていい汗をかくことはもちろんですが、やった分だけ成果が目に見えてわかることが、農作業の魅力。こうやって葉を切ってすっきりキレイになった畑を見ると、すごくうれしいし、清々しい気持ちになるんです」(大石さん)

トマトを間近に見ながら作業する大石さんの朗らかな表情が、まさにその気持ちを物語っています。



「植物に触っているだけでとても癒されるんですよ。あと植物に囲まれている匂いもいい。作業中は無心になれるし、周りは年上の人ばかりなので安心感もあって、和みます。月に数回、たった数時間だけの農作業ですが、気分転換にもなるし、なによりボランティアだから誰にも強制されず、気軽に農園に行けるのが魅力ですね」(大石さん)

大石さんは中野さんともしっかりコミュニケーションを交わし、作業を続けます。



「わたしの農園でボランティアの方々にお願いしているのは、収穫と出荷以外の大勢でやれる作業です。管理や苗植え、草取りなどは短期間で一気に済ませたいので、ボランティアの手がないとできないんですよ。特に若い人がいてくれると、力仕事も任せやすいし、作業中も場が明るくなりますね」(中野さん)



毎日忙しい農家にとって、農業ボランティアはとてもありがたい存在です。

週に1回、土曜の午前中が日々の楽しみに



トマトの剪定が終わったあとは、ビニールハウスの外にあるにんじん畑へ。この日、ボランティアに来ていた他の3人と中野さんの計5人で、草取りを始めます。みなさん、大石さんとは年の離れたベテランばかり。


ボランティアの中では最高齢83歳の庄司修身(しゅうしん)さんと話す大石さん。

「僕はおじいちゃんおばあちゃん子なので、祖父母と同じくらいの方々との触れ合いが癒しの時間。ボランティアに来ているのは週に1回、土曜の午前中だけですが、こうやって他のボランティアのみなさんと一緒に作業できることが、コロナ禍でマンネリ化した日々の楽しみになっています」と大石さん。


この日の作業はこれで終了。みなさん和気あいあいと草取りを楽しんでいました。

すべての作業が終わったあとは、毎回必ず全員でお茶を飲みます。この日はおやつに、中野さんお手製の焼き芋が振る舞われました。



孫ほど歳の離れた大石さんを囲むように談笑するみなさん。その様子にこちらまでほっこりと温かい気持ちになります。お土産のとれたて野菜をもらって、今日は解散です。

「休日の午前中に作業をすると、そのあとの時間もすっきり過ごせます。農作業はもちろん、世代を超えたボランティア同士の交流も本当に楽しくて。少しでも農業ボランティアに興味があったら問い合わせてみるといいと思います!」(大石さん)



中野さんと農業ボランティアのみなさん。

自然から得られる癒しだけでなく、人と人とのコミュニケーションも深まる農業ボランティア。地域のJAや自治体を通して募集しているので、コロナ禍で何かを始めたいと考えている人は、ぜひ調べてみてくださいね。

東京都の募集の詳細はこちらから。
●公益財団法人 東京都農林水産振興財団「とうきょう援農ボランティア」
https://agrivolunteer-tokyo.jp/



中野農園 農業ボランティア

大石 輝さん

コロナ禍で「何か新しいことを始めたい!」と思いたち、小学生の頃、職業体験の一環で訪れた「中野農園」の農業ボランティアに応募。今年の春から週に1回、土曜の午前中に農作業で汗を流している。趣味は山登りで、農園でとれる野菜の中でも人気だというトマトの大ファン。

写真/松木雄一 取材協力/JAにしたま

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