2022.03.20

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「朝鮮薊」はなんて読む?甘くてホクホクな食感!海外では人気の野菜です【野菜の漢字クイズ】

管理栄養士のnnaokortです。スーパーの野菜売り場に行けば品札に「人参」や「大根」のように漢字で書かれた野菜と、「トマト」や「ピーマン」などカタカナで書かれた野菜が並んでいますよね。実は、このカタカナで書かれた野菜にも漢字の和名があるのはご存じですか? そんな「カタカナ野菜」の和名を紹介します。ついでにその野菜の歴史や由来、選び方や栄養素についてまでも紹介。最後まで読み終えたらきっと食べたくなりますよ~。ではさっそく、今回の野菜は…。

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野菜の漢字クイズ「朝鮮薊」ってなんて読む?


なんて読む? どんな野菜?

「朝鮮薊」


なんと読むかわかりますか?

どんな野菜でしょうか?

日本ではあまりなじみがない野菜ですが、イタリアンレストランやフレンチレストランでは口にすることも。


正解は…


出典:photo AC

「チョウセンアザミ」と読みます。

アーティチョークの和名です。

甘くホクホクとした食感は、一度食べたらやみつきになるといわれています。
そんなアーティチョークについてみていきましょう。


歴史は?


起源は地中海沿岸。紀元前までさかのぼります。15世紀になってからイタリアで本格的に普及し始めたようです。16世紀にはイタリアからフランスへ持ち込まれ、以来ヨーロッパでは広く食べられてきました。移民によってアメリカにも広まったポピュラーな野菜です。

和名で「朝鮮」と書きますが、朝鮮半島から伝わったのではなく、「外国から来た」という意味を持ちます。日本には江戸時代にオランダから伝わったとされています。


由来は?


アーティチョークはキク科チョウセンアザミ属の植物。アザミと同じく紫色の花を咲かせますが、食用はつぼみの状態で売られています。
アーティチョークの名前の由来は「巨大なアザミ」というアラビア語「アル・カルチュ」が各国語に転換したと言われています。名前の通り、花として知られる「アザミ」と比べてもビックサイズです。つぼみは鱗のように重なったガクで形成されています。とても個性的な見た目ですよね。


出典:pixabay


種類と旬は?


アーティチョークは緑色と紫色がありますが、日本でよくみるタイプは緑色です。
旬は5月~7月頃になります。


産地は?


日本では、神奈川県、千葉県、大阪府、群馬県などでわずかな量が生産されています。
世界でみる生産量はイタリアがダントツ1番。エジプトやスペインでも生産されています。(2020年調べ)


出典:pixabay

選び方は?


どの品種のものも全体がふっくらとして、ガクが肉厚でハリがあり、つぼみが閉まっているものを選びましょう。つぼみが開いていると硬くなっていることがあります。また、新しいものは茎の切り口が白くみずみずしいのも特徴。


保存法は?


アーティチョークは日持ちしないので、できれば買ったその日に食べるのがおすすめ。もし、その日中に食べきれなければ、ポリ袋にいれて野菜室に保存しましょう。その際、鮮度を保つためにレモン汁などを切り口に塗ってから保存するのがポイント。2、3日で食べきりましょう。


出典:pixabay

栄養素は?


アーティチョークの1番の魅力は食物繊維が豊富なところ!
日本食品標準成分表2020年(八訂)によると、このアーティチョークはサツマイモと比べても食物繊維が可食部100g当たりで3倍以上も多く8.7g含まれています。

実は食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類あります。
不溶性食物繊維は水分を保持して便の量を増やす役割。水溶性食物繊維は粘性が高く、腸の汚れも絡み取って便を排出する役割があります。

アーティチョークは水溶性食物繊維が多いところが特徴です。
水溶性食物繊維は、コレステロールを低下させるサポートや、糖質の吸収を抑えるうれしい働きがあるのです。

その他には、カリウムが多いのも注目。カリウムは摂りすぎた塩分を排泄してくれます。むくみや高血圧が気になる方はもちろん、日常生活で取り入れたい食材ですね。


出典:pixabay


調理のコツ

アーティチョークはガクの付け根とつぼみの芯の部分を食用します。


出典:photo AC

灰汁(あく)もあるため下処理をするのがおすすめ。2つの下処理方法を紹介します。

まず1つ目は、つぼみの部分と茎とを切り分けます。つぼみのガクを白い部分が出てくるまで剥きます。
変色を防ぐためにレモン水に浸しましょう。
剥き残しのある緑色のガクは包丁でかつらむきのように取り除きます。
つぼみの先端の硬い部分を切り落とし、中にあるワタをティースプーンなどで取り除きます。
その後、茹でたり、焼いたり、煮たりと調理します。

2つ目の下処理方法は、つぼみと茎を切り分け、つぼみを下にして30分ほど塩水につけ、汚れを取ります。レモン(または酢)と塩を加えたたっぷりの湯で、芯の部分に竹串がすっと入るくらいまで弱火でゆでます(30分ほど)。ガクの先端を切り落とし、中央のワタを取り除いたら食べやすい大きさにスライスします。
(文末に下処理方法の動画もあるのでチェックしてみて!)

シンプルにオリーブオイルと塩で食べても。


出典:photo AC


最後に

いかがでしたか。アーティチョークは味も栄養価も優れているスーパーフードです。これから旬を迎えるアーティチョーク。ぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか!


下処理の動画はこちら

出典:ABC cooking studio


≪参考文献≫
書籍:
板木利隆 監修、新・野菜の便利帳おいしい編  高橋書店
吉川敏明 新版 イタリア料理教本 柴田書店

WEB:
野菜情報サイト 野菜ナビ https://www.yasainavi.com/
厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
大塚製薬株式会社 https://www.otsuka.co.jp/


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