2023.01.30

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え、世界の若者10億人が”難聴”の恐れ!?あなたは大丈夫?ワイヤレスイヤホンに潜む危険とは【看護師が解説】

看護師のmocaです。近年、ワイヤレスイヤホンや楽曲配信サービスの普及でいつどこにいても手軽に音楽を楽しめるようになりました。そんな中わたしたちの身近に潜んでいるのが『イヤホン難聴』。長時間イヤホンやヘッドホンを使用する人は注意が必要なんです。2022年11月24日放送『THE TIME,』の「ニュース関心度ランキング」でも第6位に上がっていました。今回はイヤホン難聴の原因や対策について解説していきます。

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イヤホン難聴が世界的に増加中!

WHOの研究員等が医学専門誌に発表したのが「世界の若者の10億人が『難聴』の危険にさらされている」というもの。
その原因は、長時間イヤホンで音楽を聴くことにあります。

番組が取材した慶友銀座クリニック耳鼻咽喉科専門医の大場俊彦理事長は、「ここ2~3年の間にワイヤレスイヤホンの普及していて、ながらワイヤレスイヤホンで別のことをしながらずっと好きな音楽を聴いている人が増えている」とコメントしていました。



大きな音にさらされることで起こる難聴には「騒音性難聴」と「音響性難聴(音響外傷)」があります。
工場の機械音や工事音などの騒音にさらされる職業の人に多く起こるのが「騒音性難聴」。爆発音のような音やライブ会場での大音響にさらされること、イヤホンやヘッドホンで大音量で聴き続けることで起こるのが「音響性難聴」です。

特にワイヤレスイヤホンの普及によるイヤホン難聴が近年問題になっているといいます。

WHOは80db程度の音量で1日あたり5時間半、1週間にすると40時間以上イヤホンで音楽を聴くと難聴になるリスクがあると警鐘を鳴らしています。

80dbとはどのくらいの音量かというと、走行中の電車内や交差点の車の音と同じくらいです。
これって結構うるさいですよね。
普段イヤホンで音漏れするほどの音量で聴いているという人はかなり危険です。

番組の街頭インタビューに答えていた19歳の男子学生は「結構家にいるときも聞いているんで、10時間くらいは聞いている」と話していました。
また実際にイヤホンから流れる音量を計測すると、WHOが指摘する基準の80db以上を超えている人が見受けられました。


イヤホン難聴のメカニズム

内耳には蝸牛というかたつむりのような形をした器官があります。



この蝸牛にある音を感じとる有毛細胞という細胞が、内耳に伝わった音の振動を電気信号に変換して脳に伝えます。

85db以上の音を長時間聞き続けるとこの有毛細胞が傷つけられ、有毛細胞の一部である聴毛は抜け落ちてしまいます。
こうして音が聞こえづらくなる難聴を発症するんです。

そして一度壊れた有毛細胞は元に戻ることはなく、治療は難しいといわれています。
イヤホンやヘッドホンの使用ではスピーカーと違って音が分散されず、直接耳の中に入ってくるので特に音量に注意が必要なのです。

聴力低下の前段階として起こりやすい症状には、耳が詰まったように感じる耳閉感、耳鳴り、めまい、耳の痛みなどがあります。
これらの症状が出た場合はイヤホンの使用を中止したり、耳栓を使ったりして耳を休ませることが大切です。

有毛細胞が壊れる前なら安静にすることで状態を回復させることができます。
上記の症状が半日以上続く場合は早めに耳鼻科を受診してください。

イヤホン難聴を防ぐためのポイントは?



イヤホン難聴の予防策として以下のポイントを覚えておきましょう。

①イヤホンを使うときの音量は会話が聞き取れる程度に下げる。
これで65db程度の音量に抑えることができます。

②イヤホンを1時間使用したら10分程度の休憩をとる。
長時間の連続使用は避けましょう。

③ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンを使用する。
ノイズキャンセリング機能を使うと、周囲の音をシャットダウンできるので音量の設定を下げて使用することができます。

④可能な環境ではスピーカーで聞くようにする。
音が四方に分散されるのでイヤホンに比べ耳への負担が軽減されます。

いかがでしたか?
一度失った聴覚を回復させることは難しいです。とっても怖い病気ですよね。
イヤホンの使い方を見直して耳の健康を守っていきましょう。

出典:PHOTO AC、イラストAC

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