2023.04.10

食べる

【すき焼き温故知新】魯山人リスペクトな「ネオ・すき焼き」に挑戦!しゃぶしゃぶ風から…次第にコク甘に♡

管理栄養士のともゆみです。先日の朝の番組『あさイチ』で「すき焼き」レシピを紹介していました。これが希代の美食家・北大路魯山人のすき焼きをヒントに、アレンジで生み出した「ネオ・すき焼き」。食べ始めは素材の味を楽しむしゃぶしゃぶ風な味わい…そして次第にザラメとしょうゆの味が煮詰まって完全なるすき焼きに変化するという、ちょっと変わったスタイル。魯山人リスペクトという言葉に惹かれて、チャレンジしてみることに!

【光熱費節約】炊飯器で「すき焼き」作ってみた!圧力でやわらかさレべチ~♪ネギや白菜とろっとろ~♡

「すき焼き」が好きすぎる町の達人に教わるアレンジレシピは「北大路魯山人風アレンジすき焼き」。教えてくれたのは、食肉加工会社代表の廣岡誠道さんです。

さっそく作ってみたいと思います。

レシピは4人分でしたが、わが家にはちょっと多いかなと思ったので、2人分で作ってみます。

「北大路魯山人風アレンジすき焼き」の材料と作り方


【材料】(2人分)
〈A〉
かつお節…20g
昆布…20g
水…750ml

日本酒…270ml
牛肉(すき焼き用)…300g
白菜…1/8個
焼き豆腐…1/2丁

〈B〉
長ねぎ…1本
まいたけ…1/2パック
しめじ…1/2袋
生しいたけ…4個

しょうゆ…適量(天然に近いもの)
ザラメ…適量(漂白されていないもの)
卵…適量

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【作り方】
1.鍋に750mlの水を入れ、湯を沸かします。かつお節を入れ2~3分煮ます。

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2.1のかつお節を濾します。

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3.2を鍋に戻し、強火にかけます。昆布を入れて1~2分煮出して取り出します。
※かつお節、昆布ともに煮過ぎると磯の香りが強くなるので気を付けましょう。

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4.Bを食べやすい大きさに切ります。長ねぎは5cmくらいの長さに斜め切り、しめじは石づきを取って手で大きめにほぐします。あまり細かくほぐし過ぎるとバラバラになってしまうので、数個ずつまとまるくらいにほぐしてみました。まいたけも一口大くらいになるようにほぐします。生しいたけは軸を取って飾り切りをしました。

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5.4をグリルで焼きます。後でグリルを洗わなくてもいいように、汚れ防止のアルミホイルを敷いてあります。上には何もかぶせず、強火のまま片面だけ8分ほど焼きました。

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6.鍋に日本酒を入れ、中火にかけます。5分ほど煮詰めてアルコールを飛ばします。

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7.63のだしを300mlだけ加えます(250mlほど残りました。別の料理に使いました)。

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8.白菜は5cm角ほどのざく切り、1/2丁の焼き豆腐は6つに切ります。

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9.7の鍋に58を入れて沸騰しないように弱火で煮ます。この後は終始弱火で煮ていきます。
※強火で煮過ぎると旨味がだしに溶け出してしまうので、煮立たせずにじっくりと火を通していきます。

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10.10分ほど煮たら、牛肉を広げて入れます。
※牛肉を広げてのせることで、肉本来の味が際立つそうです。

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11.肉の上にザラメを振りかけます。

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12.その上からしょうゆをかけます。

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13.牛肉をひっくり返し、煮えたら食べ頃です。
生卵を添えて、出来上がり。

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「しゃぶしゃぶ」から「すき焼き」へ。

まずは牛肉からいただきます。

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おぉ!だし感がすごい。調理中も、たくさんのかつお節や昆布を使って贅沢だなーっと思っていたのですが、お肉を浸しただけで、濃いだしだとよくわかります。調理過程で牛肉の上にのせたザラメはひっくり返したら落ちてしまい、お肉にはかろうじてコクのある甘さが残る程度。しょうゆは肉には残らず、汁に溶けています。なので、塩分をあまり感じない「すき焼き」です。でも物足りなさや単調さを感じないのは、濃厚なだしが補っているからだと思います。 

焼いたきのこの強い旨味も突出して感じますね。そんな旨味がないまぜになって口の中いっぱいに広がります。だしや素材の味を存分に引き出して食べる、珍しい「すき焼き」なのだと思います。なんだろ、すき焼きよりもしゃぶしゃぶに近い感じがしますね。

さらに、さらに!牛肉を1枚ずつ加熱しながらしょうゆとザラメをのせて食べるうちに、汁自体がどんどん濃く、甘くなってきて、すべて食べ終わるころには完全なるすき焼きになっていましたよ。

旨味成分「グルタミン酸」

今回の料理でたくさん使った昆布ですが、昆布の主な旨味成分「グルタミン酸」は、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種です。神経組織において、興奮性の伝達物質として機能します。結果として、ストレスを緩和する働きがあると言われています。また、認知症の予防、学習能力や記憶能力の向上も期待できます。

昆布の「グルタミン酸」以外にも、かつお節には「イノシン酸」、きのこ類には「グアニル酸」という旨味成分が含まれています。種類の違う旨味成分を組み合わせると相乗効果で、旨味がグーンとアップすることが知られています。今回の「すき焼き」は、それらを組み合わせて旨味たっぷりの「すき焼き」に仕上がりました。

「しゃぶしゃぶ」から「すき焼き」へと変化していく「すき焼き」でしたが、そういう食べ方も面白いなーと思いました。良かったらお試しください。

参考文献:
からだのための食材大全 NHK出版
からだによく効く食べもの大事典 監修 三浦理代 池田書店

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