2023.04.03

食べる

【果物クイズ】アボカドの食べ頃を見極めるには「色」「柔らかさ」「ヘタ」のどこに着目すべき?【農家が回答】

いい具合に熟したアボカドって、クリーミーなまろやかさがたまりませんよね。でも、ベストな食べ頃を見極めるのって、結構難しくないですか?わたしも、切ってみたら中が傷んでいたり、逆に硬すぎたりと、成功率はかなり低め。そこで、新潟県で希少な国産アボカドを栽培する関根邦仁さんに、最も簡単な食べごろの見極め方を聞きました。よ~し、これからは絶対に失敗しないぞ~!

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さて、問題です!

アボカドの食べ頃を見極めるには、次のうちどこに着目すべき?

①色

②柔らかさ

③ヘタ





正解は…

③ヘタ でした!



そうなんですね~。「皮の色が黒くなったら食べ頃」だとばかり思い込んでました。見た目に騙されていたかも…!

「まず色ですが、アボカドは品種によって色が違って、緑色のまま熟すものもあります。スーパーに並ぶ輸入アボカドに多い品種の”ハス”は、ご存じのとおり、熟すと黒くなる場合が多いですね。でもじつは、そうとは限らないんです。追熟させるときの温度が低かったりすると、緑色のまま食べ頃を迎えることもあるんですよ」(関根さん)



「次に柔らかさですが、確かにアボカドは、熟すと全体が柔らかくなります。ですが、”柔らかさ”って人によって基準が違いますし、”どのくらい”というのを明確に伝えるのが難しいんですよね」(関根さん)

確かに。店頭に並ぶアボカドをいくつも触るのは気が引けますし…判断しづらいかもしれませんね。

「そこで、一番分かりやすいのが”ヘタ”なんです」(関根さん)

アボカドは、熟してくるとヘタが浮いてきてポロッと取れます。なので、ヘタが無いアボカドは熟しすぎている可能性があるそう。

「購入する際は、まずはヘタ付きを買って、そのヘタが”力を入れずに触るだけで動くくらい”になったら食べ頃です」(関根さん)


写真/石塚修平

なるほど~!その目安なら、人による基準の違いもそれほどなさそう。今度からは、一番に「ヘタ」に注目するようにします!

中が黒く変色したアボカド。食べても大丈夫?

ところで、アボカドを切ってみたら、果肉が黒くなっていたという経験、ありませんか?
そういうアボカドって、食べられるか否か迷いますよね。

「アボカドが黒く変色する原因はいろいろあるので、一概に食べていいとか、ダメとか言うのは難しいですね」(関根さん)

というと?

「果肉に黒い筋が入っていることがあるんですが、それは維管束と呼ばれる種に栄養や水分を運ぶための組織が、酸化して変色したものなんです。食べても大丈夫ですが、口の中に筋が残ったりして、食感はよくないと思います」(関根さん)



黒い筋、わたしもよく遭遇します!恐る恐る食べていましたが、害はないんですね。安心しました。

「次に、アボカドは保存するときの温度が5℃以下だと低温障害、27度℃以上だと高温障害と言って、果肉が黒っぽく変色することがあるんです。これも、食べても問題はありませんが、風味は落ちると思います」(関根さん)

うんうん、それもよくあります!わたしは買ってきたらすぐに冷蔵庫の野菜室に入れていたので、低温障害だったのかも…。

「ただし、黒く変色してカビが生えていたり、変な臭いがしたりするものは傷んでいるので、絶対に食べないようにしてください」(関根さん)

店頭での熟し具合はまちまち

ちなみに、食べ頃になる前のアボカドを買った場合、追熟させる期間の目安ってあるんでしょうか?

「それも、一概には言えません」(関根さん)

え、そうなんですか?

「僕の農園で栽培しているアボカドは、味がのるまで木にならせておいて、一つ一つ、ベストなタイミングで収穫しています。なので、食べ頃は品種によって、収穫から約2週間とか、約1か月とか、およその見当がつきます」(関根さん)

収穫時のアボカドの状態を把握しているから、追熟期間も想定できるということですね。



「一方、スーパーなどで一般的に売られている輸入アボカドは輸送に時間がかかるので、消費者の手に届く前に食べ頃を迎えないよう、早もぎされます。どのくらい早もぎしたかによって、追熟が必要な期間はかなり変わってきます。お店によっては、追熟させてから店頭に並べているところもあるので、ほんとまちまちですね」(関根さん)

なるほど。となると、食べ頃を知るうえでは、一番の手掛かりになるのは、やはり「ヘタのグラつき」ということになるわけですね。

勉強になりました!
アボカド好きの一人として、覚えておきます!

みなさんも、今後は「ヘタ」に注目ですよ~。

せきね農園

関根邦仁さん

新潟市白根地区の、歴史ある農家の9代目。ビジュアル系バンドのボーカルとして活動したのち、2013年に就農。「自分なりの農業に挑戦したい」と、2015年にアボカドのハウス栽培を開始。テレビなどのメディアにも多数出演し、国産アボカドの魅力を広めている。

●ホームページ
https://sekinenouen.com/
●インスタグラム @sekine.farm
https://www.instagram.com/sekine.farm/

写真提供/せきね農園 取材協力/JA新潟かがやき

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