2022.02.10

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【加湿器に注意】咳と喉の痛み、発熱…でもPCR検査陰性で『加湿器肺炎』と診断!どう予防するの⁉

看護師のmocaです。空気が乾燥する冬の季節は、風邪予防のためにも部屋を適切な湿度に保つことが大切ですよね。新型コロナウイルス対策としても職場や家庭で加湿器は必需品となっていますが、実はその加湿器にも落とし穴が…。加湿器に発生するカビや菌が原因となる『加湿器肺炎』が各メディアで報道されています。咳や喉の痛み、発熱など新型コロナ感染症と同じような症状なのが特徴。加湿器の衛生管理には十分注意が必要です。原因や対策について詳しく解説していきます。

【画像を見る】咳や喉の痛み、発熱…それ加湿器肺炎かも!

冬は低温乾燥の環境で空気中のウイルス飛散量が増加することや、喉や鼻の粘膜の防御機能が衰えるため風邪をひきやすくなります。
部屋の湿度は50%以上に保つのが、ウイルス対策に良いとされています。

そこで活躍するのが加湿器なのですが、加湿器にぬめりやピンクカビが生じてしまった経験はありませんか。

朝の情報番組『THE TIME,』のなかで、加湿器肺炎の患者を診療している仁友クリニックの杉原徳彦院長は
「ペットボトルもそうですけど、1回口をつけちゃうと、もう菌が繁殖してしまうと言われるように、タンクのなかでも菌が繁殖してしまうんです。
こまめに加湿器をきれいにしておかないと、菌の繁殖の原因になります。
加湿器肺炎に罹るとコンコン、ケンケンというような強い咳をするようになります」
とコメントしています。

同番組では加湿器肺炎に罹った女性を取材。
その女性は加湿器をつけて寝ていたところ、翌朝咳や関節痛、38.3度の発熱がでたそう。
なので、翌日PCR検査とインフルエンザ検査をしたところ陰性でした。
そこで診断されたのが「加湿器肺炎」です。


出典:イラストAC


加湿器肺炎の原因はカビや菌⁉その対策は?
1.加湿器のカビがアレルギーを引き起こす『過敏性肺臓炎
2.高齢者や乳幼児に肺炎を引き起こす『レジオネラ症
3.加湿器を清潔に保つための対策

1.加湿器のカビがアレルギーを引き起こす『過敏性肺臓炎
加湿器内に発生するカビ(真菌)自体に病原性は弱いため、直接肺に炎症を起こすものではありませんが、繰り返し同じ菌を吸い込んでしまうとこで体がそれを抗原とみなして過剰反応が出て炎症が起こります。
肺や気管支がカビに対してアレルギー反応を起こすことで、過敏性肺臓炎というアレルギー性肺炎を引き起こすのです。

過敏性肺臓炎の症状は咳や喉の痛み、発熱、息苦しさ、全身倦怠感などです。
家に帰って加湿器を使うと症状が悪化する、抗菌薬が効かないといった特徴があります。

重症化し入院管理が必要となることや、命に関わることもある疾患です。

アレルギー疾患なので、抗菌薬(抗生物質)は効きません。
軽症なら、原因となる加湿器の使用を中止すれば症状は改善します。
重症なら、ステロイド薬を投与してアレルギー反応を抑えることもあります。

出典:イラストAC

2.高齢者や乳幼児に肺炎を引き起こす『レジオネラ症
2018年1月に大分県の高齢者施設で、加湿器のタンク内に発生したレジオネラ菌に高齢者3名が感染し、1名が死亡したというニュースがありました。

レジオネラ菌は自然界に生息する細菌ですが、加湿器や循環式浴槽など人工的に作られた水環境で発生すると問題となります。

レジオネラ菌が発生した加湿器を使用することによって汚染された水が細かい霧やしぶき(エアロゾル)として空気中に広がり、吸入することによって感染します。

高齢者や乳幼児、基礎疾患がある方、抵抗力が落ちている方は感染リスクが高いです。


出典:PHOTO AC

レジオネラ菌は人から人へは感染しませんが、高齢者施設などでは集団感染の原因となります。
症状は咳、38度以上の発熱、頭痛、呼吸困難、全身倦怠感、食欲不振などです。

厚生労働省によると、レジオネラ菌は60℃以上5分間で殺菌されるので、タンク内の水が加熱されるスチーム式やハイブリット式の加湿器の方が感染リスクは低いそうです。

3.加湿器を清潔に保つための対策
朝の情報番組『ZIP』ではアイリスオーヤマに取材し加湿器をきれいに保つ方法について紹介していました。

広報室の高岡真央さんは次のようにコメントしています。
「タンク内の水を放置してしまうと、そこから雑菌が繁殖しやすくなる危険があるので、正しくお手入れしてください。
タンクの水は毎日変えるようにしてください。」

高岡さんがおっしゃるように、大切なのは加湿器の水を毎日交換することです。
その際タンクの水は継ぎ足さず一旦すべて破棄し、少しの水を入れて振り洗いします。



その後、中の水を捨てて、新しく給水します。
塩素を含む水道水が適しており、ミネラルウォーターや浄水器の水はNGです。


また超音波式と気化式はこまめに、スチーム式とハイブリット式は定期的にお手入れすることが大切です。

超音波式加湿器はデザイン性が高く手ごろな価格で人気ですが、タンクの水をそのまま放出するため、清潔に保てていないと雑菌も一緒に部屋にまき散らしてしまう可能性があります。

気化式は常にフィルターに水を含んでいる状態になっているので、こまめなお手入れが必要です。


わが家ではこちらの気化式の加湿空気清浄機を使用しています。



タンク内は毎日水を交換しているのでぬめりや汚れはありませんが、常に水が溜まっている状態のトレイは数日でピンクカビやぬめりが発生してしまいます。

トレイもタンク同様に毎日水を捨て、すすぎ洗いをするようにしたら汚れにくくなりました。





このトレイは細かい部分が洗いにくく、汚れてしまってから洗うのは大変なので、毎日すすぎ洗いをし、1~2週間に1回中性洗剤で洗う方がお手入れが楽になったと感じました。

フィルター部分は水道水に含まれる塩素やカリウム・ミネラルが蓄積し、黄色く変色していて、臭いもあります。
フィルターのフレーム部分は洗いにくくて困っていました。

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加湿器の水垢にはクエン酸が有効とのことなので、クエン酸水に1時間漬けおきして歯ブラシで擦り洗いしてみました。



ぬるま湯1Lに対し、クエン酸6gのクエン酸水をフィルターが漬かるくらい作り、1~2時間漬けおきします。



浸けおき後、使い古しの歯ブラシで擦り洗いをし、よくすすぎます。



細かい部分も簡単にきれいになりました!



浸けおきしていた水は結構汚れていています。



フィルターはかなり汚れが蓄積しているので交換が必要ですね(汗)。




詳しい掃除方法は過去の記事を参照してください。
https://nichinichi-magazine.com/articles/detail/1149

超音波式とハイブリット式の加湿器は、クエン酸を使うと超音波を発生させる素子を傷める原因となります。
ご使用の加湿器の取扱説明書をよく読み適切なお手入れをしてください。

加湿器の購入を検討する際はお手入れのしやすさも大切なポイントですね。
正しく使えばわたしたちの健康を守ってくれる加湿器、毎日気持ちよく安全に使えるように清潔を保っていきたいですね。

トップ画像/PHOTO AC

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