2023.06.17

食べる

古い缶詰はお宝⁉賞味期限ギリ…いやオーバーでも!「ヴィンテージ缶詰」ってナニ⁉パリには専門店も

4月6日放送の『明日が変わるトリセツショー』のお題は缶詰でした。缶詰は長期保存できるので、 日常的にストックしておけば、いざという時に大活躍。防災食にもお役立ちです。ただ、賞味期限があまりに長い故、気が付いたら賞味期限切れ…なんてことも。ところが!です。この賞味期限が切れた缶詰がフランスではお宝なんだとか。レストランの前菜メニューに登場することもしばしばで、パリには専門店もあるらしい。詳しく解説します!

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『明日が変わるトリセツショー』で紹介されたパリの缶詰事情とは?



4月6日放送の『明日が変わるトリセツショー』では、缶詰にまつわる、パリの興味深いエピソードが紹介されていましたよ。かいつまんで紹介しますね。

番組では、パリのとあるレストランで現地ロケ。フランス人男性客2人組が注文を済ませてしばらくすると…テーブルにうやうやしく置かれたのは、付け合わせの野菜と未開封のオイルサーディンの缶詰がのったお皿でした。

しかも、この缶詰は賞味期限が過ぎたもの。それもかなり過ぎたものでした。これがいわゆる「ヴィンテージ缶詰」といわれるものなのです。 フランスでは賞味期限を大幅に超えた「魚介系のオイル漬け」缶詰には、“熟成”という付加価値が付き、貴重品としてもてはやされているのです。

ちなみに上記の写真は「ヴィンテージ缶詰」の前菜をイメージして、筆者が再現したもの。こんな風に、賞味期限が過ぎた缶詰をおしゃれな前菜として、パリの人たちは楽しんでいるのかしら…。


画像出典:photo AC

フランスにはワインやチーズを熟成させる文化があります。作りたてのフレッシュな味わいも、ゆっくりと時間をかけて味を変化させたものも、おいしいものとしてフランスの食を豊かにしています。

缶詰にも熟成という考え方を当てはめて、おいしさを追求しているのが、なんとも興味深いです。

缶詰は作りたてよりも賞味期限近くが美味!


上記は、『明日が変わるトリセツショー』に登場していた、缶詰博士こと黒川勇人さんのTwitterです。
番組では、黒川さんによる興味深いお話も紹介されていましたよ。

黒川さんによれば、イワシやマグロなどのオイル漬けの魚の缶詰は時間とともに熟成が進み、おいしくなるとのこと。


画像出典:photo AC

作りたての缶詰は魚にオイルが染みておらず、旨味が浅いそうなのです。それが時間とともにオイルが魚の身に浸透していき、身はやわらかくなり、味に深みが増していくのだとか。多くの缶詰の賞味期限は3年とのことなので、缶に詰められてから3年経ったとき、つまり賞味期限ギリギリが、缶詰の一番の食べごろということになるんですって。

缶詰のおいしさなんてまったく気にしていなかったので、この話は目からウロコです!常備している魚のオイル漬けの缶詰はあるかしら?さっそくわが家のストック缶詰をチェックしてみます

賞味期限ギリギリの缶詰はわが家にあるのか?調べてみた!



ストックしていたツナ缶は7缶ありました。防災用ではなく普段の料理に使うものなので、ストック量は変わりますが、大体これくらいは常備しています。



賞味期限を見てみると2025年10月24日と印字されています。このツナ缶が最高のおいしさになるには、まだ2年半ほどありますね。ちなみに7缶すべて同じ賞味期限でした。

「ヴィンテージ缶詰」の存在を知ってしまったからには、見つけてみたくなりました。近所のスーパーの缶詰コーナーにひっそりと眠っていたりしないかな?淡い期待を胸に、スーパー巡りをしてみます♪

宝探し気分⁉近所のスーパーで「ヴィンテージ缶詰」探しをしてみた!



近所のスーパーを3店めぐってみました。ツナ缶やオイルサーディン缶など魚のオイル漬け缶詰の賞味期限をチェックしてみましたが、大体どれも2025年と印字されていました。どこのお店も賞味期限が長いものを店頭に並べていました。

おつとめ品コーナーものぞいてみましたが、残念ながらお目当ての「ヴィンテージ缶詰」には出会えず…。



でも、一番「ヴィンテージ缶詰」に近いものを購入してきました。左がレモン風味のスモークオイルサーディン缶、右がサーモンのオイル漬け缶です。



レモン風味のスモークオイルサーディン缶の賞味期限は2024年の10月。こちらの最高においしい食べごろまでは、あと1年半。



サーモンのオイル漬け缶の賞味期限は2024年7月。こちらは1年3か月で「ヴィンテージ缶詰」になりますよ。これは食べずに熟成させなければ♪

今すぐに「ヴィンテージ缶詰」の味わいを楽しむことは出来ませんが、購入した2点の缶詰は、食べごろを迎えるまで大事に取っておこうと思います

「ヴィンテージ缶詰」を所有している編集部員を発見!



『明日が変わるトリセツショー』で知った「ヴィンテージ缶詰」。この話をちらっとしたら、なんと所有している編集部員がいるという情報が!それがこちらの缶詰です。フランス産のオイルサーディン缶だそうです。

これはフランス食材を販売するフェアでずいぶん前に購入したそう。「ヴィンテージ缶詰」の話を聞いて、もしかしたら…と家の中を探してくれました。製造されたのは2005年とパッケージに記載されていますね。この賞味期限がだいぶ過ぎた状態で売られていたといいます。



ちなみに賞味期限は2009年8月。おっと!これはかなりのヴィンテージもの!開けてみるのかコレクションとして所持しておくかのは、所有者にお任せしましょう(笑)。本人曰く「もしかしたら中身は、もうどろどろに溶けているかも(笑)」と。

でも、こんなケースがあるのですから、食糧庫や防災用ストック食材などを探してみる面白さはありそうですね。

ちなみに先の編集部員が聞いたところによると、海外のレストランの厨房で古い瓶詰のマヨネーズが見つかると、従業員の間で奪い合いになる、という話もあるんだって。熟成マヨって…う~む、どんなお味なんでしょう。ちょっと怖い気もします(笑)。食文化って、国によってホント違いますよね。

「ヴィンテージ缶詰」をきっかけに食品ロスについて考えるきっかけになれば…



『明日が変わるトリセツショー』で知った「ヴィンテージ缶詰」。最高のおいしさを楽しめるだけではなく、賞味期限のその先に熟成という付加価値があることが、とても勉強になりました。

賞味期限は製造側がおいしく食べられる期間の目安として定めたもの。すぐさま廃棄しなければならないということではありません。

賞味期限ギリギリのものがおいしいという考え方があるということが広がれば、食品ロス削減に大きく貢献出来るのでは?今回の記事を読んで、食品を無駄にしないという方が増えてくれたらうれしいです。

そして「ヴィンテージ缶詰」を探してみたり、おうちで熟成させてその味を実際に味わってみたりしてはいかがでしょうか。見方を変えたら、楽しい食の世界が広がるかもしれませんよ。

※傷みやすい食品に表示される「賞味期限」は守って食べるようにしましょう。また、一度開封した食品は、表示された期限に関わらず、早めに食べるようにしましょう。

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