2022.02.24

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【春のコロナ対策】花粉症が感染リスクを高める⁉その理由と、いまできることとは…

看護師のmocaです。今年も花粉症のシーズンが到来しましたね。東京都では2月11日からスギ花粉の飛散が始まり、その量は昨年の1.5倍になるそうです。スギ花粉のピークは3月上旬から3月下旬と予測されています。実はこの花粉症が原因でコロナウイルスの感染リスクが高まると言われているんです。なので花粉症の症状を抑えることはコロナ対策にもつながります。今回は花粉の多い春のコロナ対策や、コロナ感染症と花粉症の症状の見分け方について解説していきます。

【画像を見る】オミクロン株が流行している今年は花粉症対策にも気を付けて!


コロナ時代の花粉症対策と症状の見極め方
1.なぜ花粉症がコロナウイルスの感染リスクを高めるの?
2.花粉症と免疫力を下げないための対策は!?
3.コロナ感染症と花粉症の見分け方


1.なぜ花粉症がコロナウイルスの感染リスクを高めるの?

その理由の一つは目や鼻の粘膜から感染しやすくなるからです。
2月2日放送の朝のニュース番組『THE TIME,』のなかでいとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は、「指先にウイルスが付着した状態で、目や鼻の粘膜を擦ってしまうとそこから感染してしまいます」とコメントしています。

花粉症で目が痒くなりウイルスの付いた手で擦ってしまったり、鼻を触ってしまったりすることで、目や鼻の粘膜からウイルスが体内に侵入し感染する可能性が高まってしまいます。


出典:イラストAC

さらに免疫力の低下もあります。
同番組で伊藤院長は、「花粉症で鼻水や鼻詰まりが辛くなると、口呼吸を多用します。
口呼吸では喉の粘膜に直接ばい菌やウイルスが入り込みやすいです」と説明しています。

鼻にはフィルター機能があり、鼻呼吸では空気を吸い込むときに鼻毛や鼻の粘膜が雑菌やウイルスの侵入を防ぎます。
鼻の奥の粘膜には線毛という微細な毛が生えていて、線毛運動でベルトコンベアーのように異物を運び出してくれます。

一方、口呼吸ではフィルター機能がなく、直接空気が喉まで入り込むのでウイルスが侵入しやすいです。

鼻には加温加湿機能もあり、吸い込まれた空気は鼻腔内を通る際に加湿されますが、口呼吸では乾燥した空気が直接喉に入ってきます。
乾燥で喉の粘膜が傷つくと、喉粘膜の感染防御機能が低下し感染しやすくなり、免疫力が低下します。


2.花粉症と免疫力を下げないための対策は⁉

では花粉が飛びやすいこの季節はどのような対策をしていけばよいのでしょうか。


出典:イラストAC

花粉症は毎年症状が出る人、その年によって症状が出たり出なかったりする人、今年から花粉症デビューする人がいると思います。

治療薬を飲み始める時期ですが、花粉症を経験したことがある方はご自身にどんな症状が出やすいか分かると思います。
症状がひどくなる前の『今年も花粉症の症状が始まったかな』と、少しでも症状が出始めた時に投薬を始めると症状をコントロールしやすいです。

すでに花粉症の症状が始まっているという方はなるべく早く治療を開始することが大切です。

最近では眠気などの副作用の少ない第二世代抗ヒスタミン薬の内服治療が基本となっています。


痒みや涙目など目の症状には点眼薬を使用します。
点眼薬は市販薬よりも病院で処方される処方薬の方が効果が高いです。
市販薬を数日間使用しても症状が治まらない場合は病院を受診するようにしましょう。


目や鼻に痒みがあると、無意識に手で触ったり擦ったりしてしまうことが増えてしまいますが、メガネやマスクを着用することで触ってしまうことを予防できます。

花粉の侵入を防いでくれるフード付きのメガネも販売されていますよ。


出典:Zoff公式サイト


鼻水や鼻詰まりの症状があると、どうしても口呼吸になってしまいますよね。
そんな時は乾燥でのど粘膜を傷つけないように加湿を行いましょう。

加湿器で部屋の湿度を保つことや、マスクの着用が効果的です。
マスクは花粉やウイルスの侵入を防ぐだけでなく、着用することで吸い込む空気を加湿してくれる効果があります。

妊娠中や授乳中の方も使用できる花粉症のお薬はあります。
症状がある場合は我慢せずに病院を受診することをおすすめします。
受診する際は妊娠中・授乳中であることを必ず医師に伝えるようにしてください。


3.コロナと花粉症の見分け方

花粉症の症状はオミクロン株の感染症状と似ているところがあるので判断が難しい場合もあると思います。

検査を受けることが一番ですが、オミクロン株の感染者が増加していくなかで、基礎疾患のない若い方たちは医師の診断を受けずに自分で判断して療養してくださいという流れになりつつあります。


以下は花粉症とオミクロン株の症状をまとめたものです。

筆者作成資料


まれに花粉症で発熱するケースもあり、はっきりと判断するのは難しいですが、花粉症に罹ったことがある方は毎年の花粉症との症状の違いで気づくこともあると思います。

花粉症であれば曇りや雨の日には症状が緩和される、花粉症の治療薬を使用すれば症状が緩和されるということがあります。


花粉症とコロナ感染症を同時に発症するというケースもあります。
病院を受診する場合は事前に電話で症状を伝え、受診方法を確認するようにしましょう。

抗原検査キットでご自身で検査する場合は、『体外診断用医薬品』と記載されたものを使用するようにしてください。
インターネットで購入できるものに『研究用』の抗原検査キットがありますが、こちらは不確かで未承認のものです。


出典:消費者庁HP

また抗原検査はPCR検査に比べて精度が劣るので、陰性が出てもオミクロン株の症状がある場合は感染している可能性は否定できません。
その場合は自宅療養するなどの適切な対応をとってください。

抗原検査キットについては過去の記事に詳しくまとめています。
https://nichinichi-magazine.com/articles/detail/943


マスクや手洗いをすることや、目や鼻を擦らないことはコロナ対策と花粉症対策両方につながります。
オミクロン株が流行している今年は特に花粉症対策も徹底していきましょう。

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