2021.07.26

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【生産農家直伝】ドアポケットに入れるのは間違いだった!?養鶏農家に聞いた卵の正しい保存法とおさえておきたい卵の旬

毎日の食事に欠かせない卵は栄養バツグン。ところで卵の保存ってどうしてますか?買ってきた卵はドアポケットへ、と言いたいところですが、どうやらそうではないよう。生産者だからこそ知る卵の正しい保存法と、採卵日から分かる食べごろの時期を、東京都府中市で養鶏を営む高野昌典さんに教えてもらいました。



卵の保存:冷蔵庫のドアポケットは避けるべし!

卵を保存するなら冷蔵庫に入れるのが当たり前。でも、ドアポケットにいれるのは「NGだよ」と高野さん。



「開け閉めするドアの部分は温度差が発生しやすいので、卵の保存には適しません。温度差があると卵の品質が落ちてしまうんです。冷蔵室の真ん中あたりに入れておくのがベストですね」



なるほど。冷蔵庫の低温がいいというよりは、温度変化による味の劣化を防ぐために、温度の変化が少ない冷蔵室で保存するのがいいということなんですね!



「そのとおり。スーパーによっては常温で売られている卵もありますが、冷房や暖房によって空間そのものの温度が一定に保たれているからこそ、常温での保存・販売が可能なんです。卵購入後はなるべく冷蔵庫で、そしてできれば冷蔵室の中心部分で保存して、最後までおいしく卵を食べきってくださいね」(高野さん)

産みたてじゃない!?卵の食べごろは産んでから3~4日後

養鶏場に来たからには産み立ての卵を食べてみたい!でも、「ちょっと待って」と高野さん。



「産んだばかりの卵には炭酸ガスが溜まっているので、ガスが抜けたころからが食べごろ。鶏が卵を産んでから3~4日後が目安です。ガスが溜まっていると食味が落ちるし、白身の食感もよくない。茹で卵にすると、よく分かりますよ。ガスが溜まっていると殻がむけにくいですからね」

さらに、産み立ての卵は手触りも違うとか。



「これは産みたての卵。ほら、さわってみて。卵がパンっと張っているのがわかるでしょ」(高野さん)

そう言われると、そんな気がしてきたかも。この絶妙な加減が分かるとは…さすが卵のプロです。

卵の出産ピークは午前中



高野養鶏場の鶏舎にはゲージがずらりと並び、産んだばかりの卵がゲージの前にたくさん。

「ニワトリは朝の給餌が終わってから、午前中にほぼ卵を産みます。朝ごはんを食べて、力を蓄えてから産むんでしょうね」(高野さん)



午前中に鶏が産んだ卵はその日のうちに集め、翌朝から販売します。直売所で産みたて卵を買ったら、購入してから2日後くらいが食べごろです。

「卵を産むペースは鶏によってさまざま。毎日続けて産むこともあります。優秀な鶏は年間で300個ほどの卵を産みますよ」(高野さん)

見つけたら買ってみよう!貴重な「初産卵」

鶏が初めて産んだ卵は「初産卵」といって、とても貴重です。



髙野養鶏場に併設されている直売所では、初産卵を販売するときは、店頭でもお知らせをするほどの人気です。

「常連のお客さんのなかには、初産卵を目当てに来る方もいます。貴重でおいしいというだけでなく、おめでたい感じもするんでしょうね」(高野さん)



初産卵は通常よりサイズが小さいのが特徴です。

高野養鶏場で初産卵の販売をお知らせできるのは、ヒヨコから育てているから。成鶏から飼う養鶏場が多いなかで、高野さんはヒヨコから大事に育てています。



「生長段階にあわせて餌や鶏舎も変えて、心地いい環境を整えてあげる。子育てと一緒ですね」(高野さん)

大切に育てられている鶏が産む卵はプリップリ!!黄身を箸でつまめちゃうんです!



高野さんが愛情込めて育てる鶏の卵は高野養鶏場内直売コーナー、JAマインズ直売所(マインズショップ西府店・マインズショップ調布店・マインズショップ狛江店・府中特産品直売所)にて購入することができます。贈答用も販売しており、遠方まで送ることも可能。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。



高野養鶏場

高野昌典さん

高野養鶏場の創業は1926年。府中市内にはかつて養鶏場が20カ所ほどあったが、今でも養鶏を営むのは髙野家だけ。担い手は高野昌典さん夫妻と高野さんのご両親。卵を産む成鶏を年間で約3000羽育てている。消費地に近い養鶏場であるため、産まれた卵は翌日には顧客に届ける。品質だけでなく、鮮度のよさも折り紙付き。養鶏場には直売所も併設されており、卵は卵自販機で販売。自家製の鶏糞堆肥で育てた野菜も販売している。
高野養鶏場 
住所:東京都府中市南町6-14-1 
電話:042-361-9377

写真/津田雅人 取材協力/JAマインズ

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