2023.08.28

食べる

え、凍らせずにめんつゆが固まるの⁉持ち運べて食べられる「めんつゆボール」作ってみた♪化学な実験

管理栄養士のともゆみです。小学生の夏休みの宿題に「自由研究」がありますよね。つい先日、自由研究のテーマになる化学の実験を子どもと行って、記事にしたことがありました。それが「水のボール」。液体である水を凍らせるのでなく固体にするという、摩訶不思議な実験で、しかも水のボールは食べられるんですよ。で、このときの材料がまだ残っていたので、料理に使えるかも…と思い立っちゃいました♪

【夏休みの自由研究】え、水が固まるの⁉持ち運べて食べられる「水のボール」作ってみた♪プルップル♡

今回の記事は、筆者が以前に配信した「水のボール」の記事を一緒に読んでもらえるとより理解が深まるかと思います。ぜひご確認ください(↑上記をクリック!)。

また、この実験のテーマは自動車メーカーのHondaが運営している、「Honda kids」なる子ども向けのサイトで見つけました。そこには自由研究について108テーマも公開されていて、きっとやってみたい題材が見つかると思いますよ。

「水のボール」を作るには…


「水のボール」は、食用のアルギン酸ナトリウムと食用乳酸カルシウムを使って作ることができます。わたしはAmazonで探してどちらも入っている「水バルーン実験セット」というものを購入しました。7回分入っていて、価格は配送料無料で823円(税込み)でした。実験するだけでなく、口に入れるので、必ず食品グレードのアルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムを使用します(←これ重要です)。

「めんつゆのボール」を作ってみた!

【材料】
食用アルギン酸ナトリウム…1.5g
食用乳酸カルシウム…10g
めんつゆ(市販のめんつゆを規定通りに希釈したもの)…150ml
水…400ml

水…大きめのボウルに多めに入れておく

そうめん…1束

null

【作り方】
1.そうめんは、湯を沸かした鍋に入れて、2~3分茹でて水にさらして盛り付けておきます。

null

2.アルギン酸ナトリウムが液体に溶けにくいため、アルギン酸ナトリウムとめんつゆをミキサーに入れて撹拌します。

null

3.乳酸カルシウムと水をボウルに入れて、泡だて器でかき混ぜます。

null

4.お玉などで2をすくって、3の中に入れるのですが、以前作った「水のボール」の時になかなかうまく丸くならず、苦戦しました。慣れれば丸く出来るそうですが、いろんな方法で試してみたいと思います。まずは、2をお玉ですくって、そっと3の中へ入れてみました。

null

球体ではなく、平たい円形になってしまいました。

次は、2の入ったカップから直接3の溶液の中へ。

null

結果は↓

null

わぉ!おたまじゃくしみたい。入れるとすぐに膜が出来るので、少しずつ入れると球体ではなく細く長くなってしまうんですね。

次に2を小皿に目一杯入れて、一気に3に入れてみます。

null

まあまあうまくできました。

null

5.「めんつゆのボール」が出来たら、水の入った大きめのボウルの中へ入れて、表面に付いた乳酸カルシウム水溶液を洗い流します。そうめんの上にのせ、お好みで青ねぎなどの薬味(分量外)をのせたら出来上がりです。

null

いろんな形や大きさの「めんつゆのボール」が出来上がりました。

では食べてみたいと思います。

null

一応箸でもつかめましたが、割とすぐに破けますね。

null

うん、うん、おいしいです。普通のめんつゆの味ですね。苦みとか酸味とかめんつゆ以外の味は感じませんでしたね。膜も舌に感じはしますが、邪魔になる感じはなく普通に食べられます。

膜が出来る仕組み

そもそもアルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムを使うと、どうして液体が「ボール」になるのでしょうか。

アルギン酸には、カルシウムイオンと結合しやすい性質があるため、アルギン酸ナトリウム水溶液を乳酸カルシウム水溶液に入れると、ゼリー状に固まります。そのため、乳酸カルシウム水溶液にアルギン酸ナトリウム水溶液をお玉に入れるなどして、まとめた状態でそっと入れると、アルギン酸ナトリウム水溶液と乳酸カルシウム水溶液が接するところ(境界)に皮膜ができ、皮膜に包まれた液体ボールが出来るという訳です。

「水のボール」より「めんつゆのボール」は皮膜ができにくいようで、「水のボール」と同じように作ったら固まらず失敗しました。今回明記した材料は、「水のボール」を作る時に比べて、アルギン酸ナトリウム水溶液も乳酸カルシウム水溶液もおよそ倍の濃さで作ってあります。濃い目に作ると皮膜もしっかりするようですね。


もっと美しい「水のボール」が出来上がる予定だったのですが、形も大きさもバラバラで、出来栄えが「なんだこれ?」なそうめんになってしまいました(笑)。小学生の夏休みの暇つぶしとして親子で笑いながら作って食べて楽しめたので、これはこれで良かったのかなと思いました。今回は「めんつゆのボール」を作りましたが、この原理を利用して他の料理にもアレンジできますね。気になったらお試しくださいね。

※記事内で紹介した商品は、掲載当時の情報であるため、在庫状況、価格などが異なる場合があります。

参考文献:
【自由研究】水のボールをつくろう しくみ | Honda Kids(キッズ) | Honda公式サイト
https://www.honda.co.jp/kids/jiyuu-kenkyu/upper/09/page2/

Pick up

Related

Ranking