2024.05.08

食べる

【農業女子インタビュー】経験ゼロ土地勘ゼロからのスタート!インスタで発信するセロリ愛と農業ビジョン‼

西日本有数のセロリ産地、岡山県総社市で農業を営む高越友紀さん。農業の担い手が減る中、この地で食べたセロリの味に心を奪われ、産地の味を守りたい!と縁もゆかりもない地に飛び込みました。セロリの魅力をPRするため、インスタグラムで農作業の様子や採れたて野菜を使ったレシピを発信しています。就農してしまうほどにおいしいセロリとは、一体どんな味なのか!?高越さんに“セロリ愛”を伺いました。

【農家直伝】混ぜるだけでOK♪セロリ大量投入の「サルサ」作ってみた!シャキシャキ爽やかメキシカ~ン☆

イマドキ農業女子・高越さんが「セロリ栽培」を始めたきっかけとは




近年、農業現場で若い女性の活躍が目立ってきていますが、高越友紀さんも30代で就農した1人。
もともと高越さんのおばあさんが家庭菜園をしていて、幼いころに野菜や花を育てるのを手伝ったり、畑で遊んだりした思い出があり、農業にいいイメージを抱いていたそう。
ですが、本格的に農業をやろう!と決意したのは、社会人になってからだといいます。



「大学は農学部でその後、JAに就職して6年。農業に興味があったものの、自分が農家になるとは決めていなくて。でも勉強していくうちに、栽培のおもしろさにどんどん惹かれていきました。作物は手をかけて育てた分応えてくれるのが楽しいし、何より幼いころから祖母の姿を見ていて、自分も農業が好きだし、向いていると思ったんです」(高越さん)


高越さんが背中を見て育ったという、大好きなおばあさん。

そこから高越さんは、農地とメインに育てる作物を探し始めました。

「まず決めたのは、地元の岡山県でやるということ。そして作るのは果物でも花でもなく、岡山県が特産の野菜ということ。この2つを念頭にして探していたところ、総社市のセロリに巡り合い、これだ!と」(高越さん)

総社市は、高越さんにとっては縁もゆかりもない場所だったそうですが、6年前に総社市に移り住み、農業を始めたといいます。

知る人ぞ知るセロリの名産地、岡山県総社市



岡山県は、「晴れの国おかやま」ともいわれ、温暖な気候と長い日照時間に恵まれ、桃やぶどうなどの果物をはじめ、さまざまな農作物が栽培されています。
その中でも総社市は、西日本有数のセロリ産地として知られ、40年ほど前は約100軒のセロリ農家があったとか。しかし近年は生産者が激減し、現在は高越さんを含めてセロリ農家は5軒ほどとなってしまっているそう。



「わたしが農業をしているのは、総社市の山手地区なんですが、そこで育てられたセロリを初めて食べたとき、その品質のよさとおいしさに感動したんです。セロリは鮮度が命で、収穫した瞬間から水分が抜けていくため、このおいしさを味わえるのは産地とその近隣の地域だけ。ここのセロリをなくしてしまうのは、もったいない!わたしが守りたい!と思いました」(高越さん)

メインに育てる野菜は決まったものの、セロリを栽培するのは初めての高越さん。周りの人に助言を仰ぎながら、新しい取り組みにも挑戦していきます。

露地育ちの「そうじゃWILDセロリ」を全国へ!

「セロリは、暑さにも寒さにも弱いので、冬から春にかけてセロリを育てるにはビニールハウスが必須。総社市ではハウス栽培が一般的です」(高越さん)


ハウス栽培のセロリ

「でも始めたばかりの頃は、ビニールハウスを建てるお金もない。なんとか露地でも作れないかなと思って、一昨年から試験的に栽培を始めたのが、ハウスを使わない露地栽培です」(高越さん)


露地栽培のセロリ

ハウスで栽培するセロリと違うのは、太陽の光、雨や風、昼夜や年間の温度差など、厳しい環境を与えて育てている点。ハウス栽培に比べてワイルドに育つので、「そうじゃWILDセロリ」と名付けて販売しているそうです。



「ハウス栽培のセロリは、マイルドな味わいが特徴ですが、露地のセロリは味が濃く、歯応えが段違い! 噛み応えはあるけれど、筋張っているわけではなく爽快な食感です。セロリ特有のクセもそこまで強くなく食べやすいと言ってもらえます。セロリが苦手という方にもぜひ食べて欲しいですね」(高越さん)

当初は作付けが少なかった露地セロリですが、今後はどんどん増やしていきたいとのこと。
「そうじゃWILDセロリ」が全国に知れ渡り、近所のスーパーで見かける日を待ち望んでいます!

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写真提供/メゾンやまて 取材協力/JA晴れの国岡山

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