2022.04.21

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子どもの『オミクロン後遺症』増加中!症状を見分ける6つのポイントとは?【現役看護師が解説】

看護師のmocaです。新型コロナウイルスの変異により子どものオミクロン株感染率が増加しています。感染すると心配なのが後遺症ですよね。軽症で済んでも後遺症が残ることがあり、症状を伝えることが難しい小さな子どもについては親が判断してあげることが大切です。ここでは朝の情報番組『THE TIME,』で特集していた内容をポイントを押さえて解説します。

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オミクロン後遺症の体験談

番組で取材を受けていたのは、小学生の子どもがオミクロン後遺症とわかったという30代の女性。
2月上旬に発症してから倦怠感や微熱が今も続いており、医師からオミクロン後遺症と診断されたそうです。

1か月以上も症状が続き日常生活もままならず、学校の授業を受けていても頭痛・腹痛がひどくて早退して帰ってくることが今も毎日のように続いているとか。
お子さんも「僕はどうしていつまでも治らないんだろう」と不安な毎日を過ごしているといいます。



出典:イラストAC

東京・北区のいとう王子神谷内科外科クリニックではコロナ後遺症専門の診療を行っていて、子どものコロナ後遺症の相談がこの1か月で3~4倍になっているとか。
番組では伊藤博道院長がその特徴について解説していました。

増加しつつある『子どものオミクロン後遺症』、その特徴は?

伊藤院長は、オミクロン後遺症の症状として“起きられない”起立性調節障害と同じような症状がでることがあると言います。

起立性調節障害とは…自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなり、立ち上がった時に血圧が低下したり、心拍数が上がったりすることで、起き上がって生活することができないほどのだるさが続き生活に支障がでる疾患です。

起立性調節障害は小学校高学年から中学生に多く見られ、身体的要因以外に精神的要因・環境的要因も関わって起こると言われています。

起立性調節障害の症状は「朝起きられない」「疲れやすい」「立ちくらみ」などで、不登校になるケースもあるようです。
コロナ療養で長期間学校を休んだ子どもは、勉強についていけるか、通常の学校生活をとり戻せるかといった不安や心配を抱えていることでしょう。

起きられない、だるいなどの症状がある場合は、オミクロン後遺症の身体的要因のほかにも、ストレスからくる精神的要因も考えられるので、子どもの気持ちに寄り添って深く理解しようとすることが大切です。


さらに『長く続くのどの痛み』『嘔吐などの消化器官への影響』もオミクロン後遺症の特徴です。

コロナウイルス感染症では、のどと鼻の間の部分の上咽頭に炎症を起こしうっ血していることが多く、オミクロン株においても著しくその傾向があります。
オミクロン後遺症の原因は、ウイルスが消失した後も上咽頭がうっ血した状態が続き、慢性上咽頭炎を起こしているから。
慢性上咽頭炎が原因で自律神経系をはじめとする脳神経にも影響を与えるということが、1960年代の日本の耳鼻咽喉科医の報告によって分かっています。

慢性上咽頭炎の治療には、上咽頭擦過療法が有効であると言われています。
上咽頭擦過療法(EAT、Bスポット療法)は、炎症を起こしている上咽頭部に直接薬を塗る治療法で、週に2~3回行っていきます。

出典:イラストAC

自宅で行えるセルフケアとして、鼻うがいを1日2回行うことも有効です。
鼻うがいは小さいお子さんは難しいですが、湯たんぽやホットタオルで首の後ろを温めると、上咽頭の血流を促進し、うっ血の改善が期待できます。
タオルに包んだ湯たんぽやホットタオルを首の後ろにあてて、5分ほど仰向けになり温めます。
火傷には十分注意して行ってください。



後遺症外来の医師によると、適切な治療を行った場合は2か月程度で治るそうなので、後遺症の症状に気づいて対処していくことが大切と言えますね。

ですが、お子さんがまだ小さく言葉をしゃべる前だったり、自分の症状を言葉で伝えられなかったりすると親も判断が難しいですよね。
子どもがオミクロン後遺症なのかは医師でも見極めが難しいそうです。

番組では子どものオミクロン後遺症を見逃さないための6つの観察ポイントを紹介していました。
以下のポイントのうち2つ以上に当てはまればコロナ後遺症を疑ったほうが良いそうです。
・嘔吐、腹痛、下痢
・黄緑色の鼻水
・脇、股関節のリンパ症状
・肩で息をする
・脂ものを嫌がる
・脈が倍の速さになる

子どもは脂ものを好むことが多いですが、後遺症の『異臭症』という症状を起こしていると脂ものの食事が嫌な臭いに感じて受けつけなくなることがあります。

これらのポイントに当てはまる場合や先述した起立性調節障害の症状が認められる場合は、まずかかりつけの小児科に相談してください。
それでも解決しないという場合は各自治体のホームページで紹介されている『後遺症外来』や、新型コロナ感染症に関する相談窓口に相談してみましょう。

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