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2022.07.08

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【看護師が解説】くるみアレルギー急増中!子供に多く発症するので親が注意を…どんな症状?対応策は?

看護師のmocaです。6月3日の『news every.』で「くるみアレルギー」について特集していました。近年ナッツアレルギーが急増しており、なかでも“くるみ”は全食品中で4番目にアレルギーを起こしやすいとされています。これはちょっと意外ですよね。食物アレルギーは原因食物を初めて口にするときに起こりやすいので、お子さんには特に注意が必要です。今回はくるみアレルギーが急増している背景や、注意点についてまとめていきますね。

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くるみアレルギーが急増中!

消費者庁の調査報告によると、2012年度はくるみアレルギーの症例は40件でしたが、2021年度は463件と9年間で10倍以上に増加しています。

ナッツ類のアレルギーのなかでも、くるみアレルギーが半数以上を占めており、2018年度と2021年度は卵・牛乳・小麦につぎ4番目にアレルギー症例の多い食品でした。

くるみアレルギーがなぜこんなにも急増しているかというと、その理由は“消費量の増加”です。

農林水産省の統計によると、くるみの消費量は1985年から2020年までに8倍に増加したそうです。
たしかに、くるみなどのナッツはスーパーやコンビニなどで手軽に買えるとても身近な食品ですよね。
お菓子以外にもいろいろな料理に使われていますし、最近は健康志向の高まりで小腹が空いたらおやつ代わりにくるみなどのナッツ類を食べるという人も増えてきています。


くるみを特定原材料として表示義務化へ

消費者庁は、アレルギー体質をもつ消費者の健康危害の発生を防止するために食物アレルギー表示制度を定めています。
えび・かに・小麦などは特に発症数、重篤度から考えて表示の必要性が高い7品目を“特定原材料”とし、容器包装された加工食品のパッケージへの記載が義務化されています。
そのほかの21品目についても“特定原材料に準ずる”ものとし、表示が推奨されています。


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くるみアレルギーの急増を受け、早くて今年度中にもくるみを表示の推奨から表示義務である特定原材料に引き上げる方針となったそうです。


くるみアレルギーの症状は?

くるみアレルギーの症状は、一般的な食物アレルギーの症状と同様、軽度から重症化するものまで症状は様々です。
食品を摂取して数分から数時間後に、じんま疹、湿疹、まぶたの腫れ、痒み、喉のいがいが感、下痢、嘔吐、腹痛などの症状が出現します。

重篤な症状として、呼吸困難、血圧の低下、意識障害といったアナフィラキシーショックを引き起こすなどがあり、命に関わることもあります。

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news every.のなかで昭和大学病院・小児科の今井孝成教授は「食物アレルギーは子どもに圧倒的に多く見られます。子どもは、人生で初めてその食品を食べた時に、強いアレルギー反応を起こして、その食品にアレルギーがあると初めてわかるケースが多い」と解説していました。

子どもに初めてくるみを与えるときは注意する必要がありますね。


くるみアレルギーへの対応

アレルギー症状が起こったら、病院受診の際に医師に伝えやすいように、何をどのくらい食べた時に、何分後にどのような症状が出たかをしっかりと観察しておきましょう。また、皮膚症状はスマホなどで撮影しておくと良いでしょう。

もしも意識障害や呼吸困難などのアナフィラキシーショック症状を起こした場合は迷わず救急車を呼び、血流がなるべく頭の方へ行くよう足を高くして寝かせましょう。

くるみアレルギーがあるからと言って、すべてのくるみやナッツ類が食べられないとは限りませんが、「ピーカンナッツ」はくるみにかなり近いアレルゲンをもつため、気をつけていく必要があります。
食物アレルギーに詳しい専門医を受診し、詳しい検査を受けることをおすすめします。

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くるみを含むナッツアレルギーは自然に治っていく可能性は低いと言われています。
くるみアレルギーに関しては、毎日少しずつ食べていくという経口免疫療法はまだ確立されていないため、誤って食べてしまわないように気をつけなくてはいけません。

特定原材料の表示義務化は容器包装された加工食品のみを対象としています。
そのため、外食やテイクアウトでは表示義務はなく、パッケージから取り出した個包装の食品や、手作りのお菓子に混入したくるみを気づかないうちに食べてしまうこともあるため注意が必要です。

いかがでしたか? 食物アレルギーをもつ人は少なくありません。
もしもアレルギー症状を起こした際は適切な対処ができるように専門医に相談し、正しい知識を身につけていきましょう。

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