2022.10.16

磨く・整える

【インタビュー】のんさんが語る”前向きな生き方”とは…「演技が好き!作るのが好き!見られることが好き!」

“創作あーちすと”を名乗り、映画のみならず、アートや音楽、YouTubeなど多方面で活躍する、俳優・のんさん。今年29歳を迎えましたが、自由な精神と透明感はそのままに、凛とした強さや存在感にはますます磨きがかかっています。それでも、「東日本大震災やコロナ禍では挫けそうになった」と語るのんさん。どのように心の平穏を保ち、前向きな気持ちで自らの活動に向き合っているかを聞きました。

【画像を見る】透明感にますます磨きがかかる、俳優・"創作あーちすと"のんさん

――この2年ほど、コロナ禍などで心が沈みがちになるような状況が続いています。のんさんは、どうやって心の平穏を保ってこられましたか?

コロナ禍第一波のときに、自分が準備していたイベントが中止になってリアルに届けられなかったので、すごくヘコみました。そんなときに自分で脚本・監督・主演を務めた『Ribbon』という映画を作ったんですね。コロナ禍の美大生を主人公にした映画なんですけど、それを作品という形にして“今、自分のやれること”を残せたことですごく大きく変われたと思います。

――どう変われたんですか?

改めて自分は演技が好きなんだ、作ることが好きなんだ、みんなに見てもらうことが好きなんだということを再確認することができたんです。なので、わたしもヘコんでいないで頑張っていこうという前向きな気持ちになれました。



オムレツを食べるシーンで家族の形がわかった

――10月28日公開の映画『天間荘の三姉妹』では、交通事故に遭って臨死状態になった女の子、小川たまえを演じています。原作を読んで“やりたい”と思ったそうですね。

震災や災害、事故などで突然失われた命が、その後どうなったのかという設定がすごく素敵だなと思いました。残された人たちの悲しみに寄り添った作品はあるけど、亡くなられた方たちの目線で語られているところに魅力を感じました。
残された人たちも、自分の大切な人が今も自分のことを思ってくれている、そう思えると止まっていた時間が動き出すというか、前を向いて生きていこうという気持ちになれるんじゃないかなと思います。

――のんさん自身も、これからの生き方を考える機会になりましたか?

映画の撮影前からやっぱり考える機会はありました。
と言うのも、わたしは昔からずっと東北にお世話になっていたし、3.11の東日本大震災の翌年には現地にうかがって被災地を目の当たりにもしました。そこで亡くなった方や生き残った方たちのことを考えて、自分の手に負えないことが起きてると感じて、頭がかたまってしまったんです。でも、東北の人たちが復興に向けて頑張る姿に勇気をもらいました。

――映画では、お姉さん役の大島優子さんと門脇麦さんと、異母姉妹という役柄で共演しました。姉妹という空気感を出すために意識したことはありましたか?

特に意識はしませんでした。でもおもしろいなと思ったのが、家族でオムレツを食べるシーンがあって。打ち合わせもしていないのに、大島さんも門脇さんも継母役の寺島しのぶさんも、オムレツを端から食べてたんです。でも、母が違う役のわたしだけ、真ん中から食べてたんですよ。食べ方が分かれるのってこの家族だからこそって感じがするね、って門脇さんが話してたのを思い出して、なるほどなあと思いました。

――打ち合わせもしてないのに、自然と食べ方が分かれたのは偶然とは言えすごいですね。この作品では亡くなった方の思いと同時に、家族もテーマになっていると感じました。のんさんにとって家族とはどんな存在ですか?

無条件に、自分を肯定してくれる存在ですかね。わたしが地元の兵庫県から上京するときも送り出してくれたし、今もすごく応援してくれてます。家族だからっていう甘えから鬱陶しいなって思うときもあるけど(笑)、家族がいてくれるから力が沸いたり、失敗を恐れて不安になったときに家族だけは受け止めてくれると思うと、失敗してもいいかって立ち向かえる、そういう安心感があります。



新鮮な野菜を出すお店、4回くらい行きました(笑)

――撮影では、伊豆半島、小樽、札幌、仙台など何か所もロケに行かれましたが、印象的な場所はどこでしたか?

今回はイルカのショーをやるシーンがあったので、訓練のために下田の海中水族館へ行ったんですけど、ショーがすごくかっこよかったので印象に残ってます。あと、下田のごはん屋さんも素敵な店がいっぱいあって、いくつかお気に入りのお店を見つけました(笑)。

――何を食べましたか? 

クレソンの水餃子や菜の花のおでんとか、お母さんの畑で穫れた新鮮な野菜を出してる創作料理のお店があって、そこのお料理が全部おいしくて3回行ったかな……いや4回くらいは行ったかもしれません(笑)。


※のんさんインタビューは、月刊誌『家の光』2022年12月号にも掲載されます。
http://www.ienohikari.net/press/hikari/yokoku/


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取材・文/花村扶美 写真/鮫島亜希子

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