2022.10.14

食べる

【林修先生が熱弁】相次ぐ食品値上げに世界的な食料危機…。今、わたしたちにできることは「え、”愛”を持って国産を食べる!?」

こんにちは、編集部員Kです。最近、食品を中心に値上げラッシュがすごい…。10月にはハムやマヨネーズなど、約6700品目の食品が値上げになったそう!こりゃ家計がたまらん…と心配していた矢先、10月13日に東京コンベンションホールで「みんなの食料安保!10,000人シンポジウム2022」が開催されました。今後、自分や家族の「食」をどう守っていけばいいのか、林修先生をはじめとする有識者や現役農家から参考になる意見が続出しましたよ。さっそくレポートしますね♪

【画像で見る】リアル開催とオンライン開催で1万人超が集まったシンポジウム



「みんなの食料安保!10,000人シンポジウム2022」は、農家の組織であるJAグループが主催した、消費者向けのシンポジウムです。

開会の挨拶をしたJA全中の中家徹会長によると、現代社会ではコンビニやネット宅配などで手軽に食べ物が手に入るので、消費者は「食べる物がお店からなくなるかも?」といった危機意識をなかなか持てない状況にあると言います。

一方で、日本の「食」や「農」を取り巻く環境にはさまざまなリスクがあり、年々深刻化しているそうです。

林修先生が解説①日本の「食」と「農」が抱えるリスクとは…?



中家会長の挨拶のあと、タレント・予備校講師でありJAグループのサポーターでもある林修先生がビデオで登場し、日本の「食」と「農」の現在の状況を詳しく教えてくれました。

林先生は、まず「食料安全保障」という言葉から解説。「食料安全保障」というのはやや堅苦しく聞こえますが、要は「子どもや孫の世代まで、食料の心配をせずに暮らしていける国をつくる」という重要な考え方だそうです。

そして、日本にはこの食料安全保障を十分に確立できない、さまざまなリスクがあると語ります。

それは、食料自給率が先進諸国では最低水準の38%であり、食料の多くを輸入に頼らざるをえない状況であるということ。そして、毎年農家が8.5万人ずつ減り続けているということ。さらには、コロナ禍やウクライナ情勢などで、食料の輸出を制限する国が出てきていることなどです。

ウクライナ情勢は生産現場にも暗い影を落としていて、肥料や燃料代の高騰が農家経営を直撃し、農業を続けていけない、という生産者の悲痛な声も上がっています。

以上のリスクが深刻化すれば、最悪「国民に食べ物が行き渡らない」という状況にもなってしまうということですね…。食料安全保障を確立するには、一体どんな取り組みが必要になるんでしょうか?

林修先生が解説②「国消国産」が農業に活力を吹き込む!



次に林先生は、「国消国産」が重要だと説きました。

「国消国産」とは、「”国”民が必要として”消”費する食料は、できるだけ、その”国”で生”産”する」という考え方の略語です。

国消国産が広まれば、国内の農業は活発になり、食料自給率も向上して、食料安全保障の確立につながります。消費者側も、安全で安心な国産農畜産物を食べることで、豊かな食生活を実現することができます。

また、輸入によって途上国の食を安易に奪うことがなくなり、「飢餓をゼロに」「人や国の不平等をなくそう」といったSDGsの目標に向けた実践にもつながるといいます。

しかし、この国消国産を浸透させるには、生産者だけでなく、消費者が意識を変えていくことも必要になる、と林先生は言います。消費者側が食品を買い求めるときは安さだけを基準にするのではなく、「日本の生産者を応援するために国産を選ぶ」という風に判断基準を変えることが重要だそうです。

「愛」を持って農家の育てた農畜産物を選ぶ!

林先生の解説のあとは、フリーアナウンサーの吉田明世さんをモデレーター(司会者)として、有識者や生産者の代表、農業現場に係わった大学生2名が登壇し、「食の未来予想図を考える」と題してミニトークセッションが開かれました。その中で、印象に残った言葉を紹介します。



1歳と4歳のお子さんを育てている吉田さんは、国消国産の考え方を聞いて「食べ物は健やかな体を作る大事なものだという認識はあったんですが、国産を選ぶことで日本の農業を守ることにもつながるんだな、と今回実感することができました」とコメント。



農業生産の現場で農家と触れ合う体験をした龍谷大学4年の西井佳音さんは、「観光農園を営むイチゴ農家が、お客がイチゴを摘みやすいよう、通路側に並んで実るように苗を傾けて植えていて、その心配りに感動した」と話し、「こうした農家の心配りを消費者にしっかり伝えていくことが大切」と強調しました。



そして生産者代表である、全国農協青年組織協議会の佐藤崇史会長は、「われわれ生産者は、作物や(牛や豚などの)動物に対して『愛』を持って育てています。また、消費者のみなさんにも、おいしく食べてほしいという『愛』を持って出荷しています。ぜひ、消費者のみなさんも、『愛』を持ってわれわれ日本の農家の育てた農畜産物を選んでいただけると嬉しいです。ぜひ『両想い』になりましょう!」と熱を込めて話していました。

この佐藤会長の「両想い」という言葉は、とても印象的でした。

今回のシンポジウムのまとめ



シンポジウムで学んだことをまとめると、以下のようなことになります。

「国消国産」を進めることは、現在の食品値上げをすぐに解消するような手立てにはならないかもしれません。ですが、子どもや孫の世代に食べ物への不安がない国をつくっていくために、とても大切な取り組みだということ。そして、「国消国産」を進めるには、農家と消費者が「愛」を持って、お互いの思いを共有していくことが大切だということです。

今後、農家のみなさんの思いをかみしめながら、意思を持って自分の食べるものを選んでいきたいと思います!

10月16日(日)東京・有楽町駅前で「国消国産秋まつり2022」開催!



「国消国産」への理解を進めるため、JAグループは10月16日を「国消国産の日」と定め、東京・有楽町駅前広場にて「国消国産秋まつり2022」というイベントを開催します。

会場では、「JAタウン」Youtubeチャンネル「ゆるふわたいむ」MCの貴島明日香さんがゲストMCとして出演。
豪華国産農畜産物が当たる「収穫体験ブース」や、最新トラクターに乗って記念撮影したり、抽選で農産加工品などが当たるくじ引なども実施します。

そのほか、旬の農産物が並ぶ「国消国産応援フェア」や、アイドルグループ「Menkoiガールズ」による書道パフォーマンス、またバリエーション豊かな米粉パンが並ぶ「米粉コーナー」など、盛りだくさん!

秋の行楽日和に、都心で「農」に触れ合う体験をしてみてはいかが?

○開催日時 : 2022年10月16日(日)11:00~16:00
○開催場所 : 有楽町駅前広場

産地直送通販「JAタウン」で送料無料キャンペーン実施中!



さらにJAグループは国消国産を推し進めるため、旬の農畜産物の産地直送通販サイト「JAタウン」の送料無料キャンペーンを実施しています。

下記特設サイトから注文した農畜産物は、10月中旬から11月30日まで送料無料になります(規定数に達した場合、早めにキャンペーン終了になる場合があります)。ぜひ、この機会に全国各地の新鮮でおいしい農畜産物を堪能してみませんか。

https://www.ja-town.com/shop/e/ekokusho/

写真/野口 花梨

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