2023.04.20

食べる

【瀬戸内海の郷土料理】春を告げる味覚「鰆の押し寿し」作ってみた!山の幸と海の幸の口福コラボ♡【農家直伝】

鰆(さわら)は、瀬戸内海を中心に春先から水揚げが多くなるため、その名の通り「春を告げる」魚として親しまれています。今回は、その瀬戸内海沿岸の農家から鰆を使った「押し寿し」を教わりました。単体ではちょっと淡白な鰆ですが、押し寿しにすることでどう変身するのか、超楽しみ~♡春らしく、桜でんぶや薄焼き卵も用意して、うきうきで作っていきまショ~♪

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香川県の農家には、麦刈りや田植え前の農閑期に様々な鰆料理をつくり、親戚に振る舞う「春祝魚(はるいお)」と呼ばれる習慣があります。この「春祝魚」の主役が、まさに今回の「鰆の押し寿し」です。
同県では昔、若嫁のいる家では、姑が鰆を買って、それを嫁に持たせて里帰りさせ、実家で押し抜き寿しにし、それを嫁ぎ先へ持ち帰るというしきたりがあったそうです。

普段何気なく食べていた鰆にそんな役割があったとは…初めて知りました。
さっそく、近くの鮮魚店で新鮮な鰆の刺身をゲットしたので、この伝統あるレシピを作っていきますよ~。

プリップリの鰆とエビがお口で跳ねる~「鰆の押し寿し」



材料(4人分)
米…3合
昆布…適量
にんじん…1/2本
ごぼう…1/2本
干ししいたけ(水で戻しておく)…4枚
油揚げ…1/2枚
こんにゃく…1/4枚
鰆(刺身用)…5切れ(約80g)
調味酢…適量
卵…2個
エビ(ボイル)…4尾
味付き煮穴子(市販)…50g
絹さや…4個
桜でんぶ(市販)…適量 
山椒の葉…適量   

※今回は、山椒の葉が無かったので菜の花で代用しています。
※押し寿司を作る「押し抜き型」を使ったレシピになります。型がない場合でも、洗って側面を切った牛乳パックで代用可能です。

[A]
酢…60ml
砂糖…84g
塩…9g

[B]
だし汁…240ml
砂糖・みりん・しょう油・酒…各大さじ1

作り方
1.米は洗ってざるにあげ、30分ほどおいて昆布を入れて炊く。





吸水させたら、水と昆布を入れて炊飯器のスイッチオン!

2. 炊き上がったご飯にあらかじめ混ぜ合わせた[A]を加え、すし飯を作る。



酢、砂糖、塩をしっかり混ぜてすし酢を作ります。



ご飯にすし酢をかけたら、素早く切るように混ぜて冷まします。

3. ごぼうはささがきにし、水(分量外)に5~10分つけてアクを抜く。にんじん、干ししいたけ、油揚げ、こんにゃくは細切りにする。



4. 鍋に3と[B]を入れ、水分がなくなるまで煮詰める。



5. 鰆の切り身の両面に塩適量(分量外)をふって、調味酢に漬けておく。



今回、調味酢は「カンタン酢」を使用しました。


6. 卵は溶いて、薄く油を引いたフライパンで加熱した後、押し抜き型に入るサイズにカットする。絹さやは沸騰したお湯で1分茹でておく。穴子は細切りにする。菜の花は30秒ほど茹でて食べやすい大きさにカットする。



押し抜き型がなくても、よく洗った牛乳パックで代用可能ですよ!

7. 押し抜き型の1/2高さくらいまで2のすし飯を敷き、その上に4の具(ごぼう、にんじん、干ししいたけ、油揚げ、こんにゃく)を適量敷き詰め、さらにすし飯を乗せる。



ラップを敷くと、型にお米が付かず、後片付けが楽になりますよ(または、型を水で濡らして使ってもOK)。牛乳パックで代用する場合も、ラップを敷いて作りましょう。

8. 7の上に薄焼き卵を敷き、鰆、エビ、絹さや、味付き穴子、桜でんぶ、菜の花を配色よく乗せ、上から押して型から抜く。





押すときは、上面のラップを閉じて、木蓋を落とし、



ギュッギュと力強く押し込みます!木枠を回して向きを変えながら、数回ギュッギュッギュ~~~!!



すし飯と具材がまとまったら、型を外して、



包丁で、食べやすいサイズに切ったら出来上がりです。



キャア~鰆がピカピカ光ってる~!もぉ、これは絶対おいしいに決まってる!



酢飯の間にも、しっかりと具材が詰まっているのがわかります!
本来、酢飯の間の具材は「外から見えない」のが良いとされているそう。でも自宅で作るだけなら、ついついたくさん入れちゃってはみ出してるのもまたご愛嬌かと(笑)。

フフフ、見るだけでこんなにテンション上がるお料理は初めて♪それでは大きなお口でいただきま~す。
ハイ、最高!お口の中に春がやってきました~!

酢でシメた鰆と蒸しエビ、穴子、卵、甘~い桜でんぶ、すべてが合わさって、もう夢見心地なお味…。幸福ってこういう事を言うんでしょうね(幸)。鰆とエビがプリップリ♡
すし飯にサンドされた具材の風味が、単なる押し寿司ではない立体的な味わいに仕上げています。

わたし、ちらし寿司や押し寿司は、すし飯の味わいが成否にかかわると思っているのですが、このすし飯は酢かげん、塩味、甘さもちょうど良くて、すべての具材をしっかりとまとめています。しっかりとした味付けが◎!

コレ、お子さんと一緒に作ってもきっと楽しいですよ。みなさんもぜひ「鰆の押し寿し」を作って、幸せを味わってみてくださいね~!

今回のレシピは、JA香川県 坂出地域女性部のみなさんにご提供いただきました。
詳しくは下記レシピブックをご覧ください!
★JA香川県 女性部「伝えよう 繋げよう かあちゃんの味」
https://www.kw-ja.or.jp/wp-content/themes/main/images/recipe/woman/kachannoaji-min.pdf

「鰆の押し寿し」の由来については、農林水産省「うちの郷土料理」(URL下記)を参照しました。
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/oshinuki_zushi_kagawa.html

レシピ提供/JA香川県 坂出地域女性部

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