「ミキ」という発酵食品を知っていますか？米とサツマイモから作られる鹿児島県奄美地方の伝統発酵飲料で、1ccに1億個以上もの乳酸菌が含まれているとも言われている飲み物なんです。また、神事にも使われる「お神酒」の原点となっている説も。実は、体に良いことたくさんの「ミキ」が自宅で簡単に作れるんです！
「ミキ」は、米とさつまいもを使った乳酸菌発酵飲料で、奄美地域の他に沖縄県でも長年親しまれている飲み物です。沖縄県では、さつまいもではなく麦を使うそう。
味は甘いおかゆ、もしくは甘酒のような味わいで、できたてはとても甘く、日が経つにつれて酸味が増していきます。奄美地域では、酸味があるミキの方が好まれているとか。
画像出典:農林水産省Webサイト（https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/miki_kagoshima.html）そのまま飲んでもおいしいのですが、フルーツジュースやお酒で割って飲んだり、果物を入れてデザート風にするなど、飲み方、食べ方のアレンジも豊富です。
そんな「ミキ」は植物性の乳酸菌がたくさん含まれている飲み物として、近年の健康志向の高まりから注目されています。とはいえ、ミキの魅力はなんといっても、お米とサツマイモさえあれば作れちゃう手軽さ。お米とサツマイモの自然な甘味だけなので、安心して飲めますよ。
画像出典:農林水産省Webサイト（https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/miki_kagoshima.html）さらに、醗酵していく過程で…自分が育てたという愛おしさで愛情もマシマシです！
さっそく作ってみましょう！
【材料】出来上がり約750ml白米…125g
さつまいも…25g
水…500ml
【作り方】1．白米を洗う。
2．洗った米と水を鍋に入れ、中火にかけ、時々焦がさないように混ぜる。
※鍋は厚手の物がおすすめです
3．全体にもったりしてきて、水がなくなってきたら火を止め、50℃以下になるまで冷ます。
このくらいもったりになったら火を止めましょう。
5．サツマイモの皮を剥き、水にさらしてすりおろす。
6．お粥にすりおろしたサツマイモを加えて、優しく混ぜる。
さつまいもの酵素が失われないよう、必ず冷ましてから加えましょう！7．かき混ぜ続けると、スルッと軽い感触になる瞬間があるので、そうなったら混ぜるのをやめる。
8．保存用の清潔な瓶などに移し、発酵するまで最低でも一日一回は混ぜる。
※発酵に必要な温度は20℃前後。夏だと一晩、冬だと二日ほどで発酵します。夏は常温、冬は窓辺のひなたやコタツの上などがおすすめ。
9．やや酸味のある香りがして、プクプク泡が立ったり、味をみて酸味を感じるようになったらできあがり。
冷蔵庫で2週間程度保存できますが、早めに食べましょう！
出来上がったミキは、ほんのり甘くて、ちょっと酸味のある不思議な味。でも、どこか懐かしくて、ハマってしまう味なんです。
混ぜている課程の「スルッと軽い感触」になるのは、ズバリ！ 化学反応！！サツマイモの酵素が、お米のデンプンを糖に変化させるのです。なんだか理科の実験みたいな気分にもなりますね。
こちらはわが家の「ミキ」がプクプク発酵していく様子です！ これまた可愛いので、母性全開です(笑)
ミキは、同じ材料でも作る人が違えば、発酵具合も味も異なるんだそう！ その人の持つ常在菌や、気持ちの込め方がもしかすると影響しているのでしょうか…。
腸内環境を整える効果があるので、私は便秘気味の息子に毎日食べさせています。
南国の果物、パッションフルーツと合わせてみました。味がちょっと苦手な息子には、果物のジャムなどを混ぜて食べやすくアレンジしています。健康を考えると食べ続ける事が大切ですからね。
ちなみにミキ＆パッションフルーツを入れているこの器…ひっくりかえすとかわいいタヌキになるんです。お気に入りの器で飲むミキのおいしさは、格別ですよ～！
腸内環境に良いのはもちろんの事、「ミキ」作りを通して気付かされることがたくさんあります。材料のお米ひとつとっても、農家の方がたくさんの手間をかけていること。そんなことにも想いをはせてもらえたら嬉しいです。
