2024.04.19

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【シン・たけのこのアク抜き】「米ぬか」も「一晩水にさらす」も不要!え、たっぷりの水で茹でるだけ⁉結果は…アリ!

皮付きたけのこは春だけに出回る、山のごちそう。でもアク抜きが大変で、なかなか手が出ません…。一般的には米ぬかを加えたお湯で茹でてアク抜きしますが、鍋を洗うのが大変で排水口が詰まったりも。料理のおいしさを科学の視点で解説する作家で人気料理家の樋口直哉さんは「今の時代に合わせて、たけのこのアク抜きはたっぷりの水で茹でるだけでいい」と提唱。米ぬかを入れずに済むなら片付けも楽。本当にアクが抜けるのか、いざ実践!

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春だけにお目見えする皮付きたけのこ!えぐみの正体とは?



たけのこの旬は3月から5月。春になるとスーパーにも皮付きのたけのこが並び、気軽に入手出来ますよね。下処理をしっかりとすれば、甘くて歯ごたえのいい旬ならではのおいしさを楽しめます。けれど、たけのこには強いえぐみがあり、えぐみを上手に抜くのが結構難しい!

今回試してみる「シン・たけのこのアク抜き」を紹介していたのは、料理家と小説家の肩書きを持つ樋口直哉さん。定番レシピを科学の視点でひも解き、わかりやすい解説を交えたYouTubeの料理チャンネル『樋口直哉の料理論【Cooking theory】』を運営しています。紹介されているレシピはおいしい上に、おいしくなる理由も教われて、とても勉強になります。

樋口さんは動画で、たけのこのえぐみの正体はホモゲンチジン酸とシュウ酸という成分だと解説していました。

最近の野菜は品種改良が進み、アクが少なく食べやすい味わいへと変化していますが、たけのこは野生に近い状態で栽培されているので、他の野菜に比べると強いアクが残っているとのこと。

この解説を聞いて、なるほど~と納得した筆者。山に生えるたけのこは野生動物に食べられないよう、自己防衛のためにえぐみを蓄えているのでしょうね。

樋口さんが考える「シン・たけのこのアク抜き」とは?



従来のたけのこのアク抜きには、米ぬかや米のとぎ汁、鷹の爪を使うのが一般的。今回スーパーで購入した皮付きたけのこにも、米ぬかが添付されていました。

たけのこのえぐみの正体・ホモゲンチジン酸は水溶性のため、米ぬかを加えたドロッとした茹で汁で湯がくと、茹で汁がえぐみをキャッチ、えぐみがたけのこに戻らないと考えられています。また、鷹の爪の殺菌作用によってえぐみが緩和するとの説も。

樋口さんは「たけのこのアク抜きは、茹でることでホモゲンチジン酸やシュウ酸を流出させ、たけのこに残るえぐみ成分の濃度を薄めるための工程。つまり、たっぷりの水で茹でるとアク抜きは出来る」と、「シン・たけのこのアク抜き」を提案していました。

水で茹でるだけなら、とっても手軽!ハードルが低いので、気負わず、シン・たけのこのアク抜きに挑戦出来ます♪

料理家・樋口直哉さん考案「シン・たけのこのアク抜き」を試してみた!

樋口さん考案の「シン・たけのこのアク抜き」に必要なのは水と鍋だけ。たっぷりの水を使うため、一番大きな鍋をご用意くださいね。



今回は皮付きの状態で約400gのたけのこと、直径24cm、深さ15cmの鍋を用意しました。

1. たけのこの皮を剥きます。



穂先が白くなるまで皮を剥きます。皮を剥くたびにたけのこが小さくなり不安になりますが、今回は11枚皮を剥くと、穂先まで白くなりました。

2. 穂先の硬い部分を斜めに切り落とし、縦半分に切ります。



穂先を斜めに切ると、食べられる穂先内部を極力残せますよ。表面からえぐみ成分が流れ出やすくなるよう、たけのこを縦半分に切ります。

3. 鍋にたけのこを入れ、たっぷりの水を注ぎます。



一番大きな鍋を使うことで水をたくさん入れられ、アクを効率よく薄めることが出来ますよ。今回は2.5リットルの水を注ぎました。

4. 落としブタをするか、たけのこの皮をフタ代わりにして中火に点火。沸騰するまで茹で、沸騰したら弱火で20分ほど茹でます。



たけのこが水面から出ていると変色することがあるので、落としブタをします。アクがそれほど含まれていないたけのこの皮を落としブタの代わりにすると、たけのこの風味も付いて一石二鳥だそう。

今回はたけのこの皮を落としブタの代わりに使い、沸騰するまで中火で25分、沸騰後に弱火にして20分茹でました。

5. 20分ほど茹でたら、たけのこの硬い部分に竹串を刺して茹で具合を確認し、硬ければ茹で時間を延ばします。



一番硬い根元で、煮え具合を確認します。今回はたけのこの直径が大きかったためか、20分では竹串が半分ほどしか入らず、追加で40分ほど茹でました。たけのこは長く茹でても食感が残りやすい野菜なので、やわらかくなるまで茹でた方が、おいしく食べられますよ。

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