2022.03.29

食べる

【北海道の農家が選ぶ】じゃがいものおすすめ3品種!それぞれの特徴とおいしいレシピ【大発表!】

わたしたちの食卓に欠かせないじゃがいも。都道府県別の生産量トップは北海道で、約173tが生産されています(令和3年調べ)。そんな大産地の北海道でじゃがいもを栽培する只野夢子さんが、数あるじゃがいもの中からおすすめの3品種を紹介。その特徴やおいしいレシピについて話してくれましたよ~。

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自分好みのじゃがいもの品種を探そう!




国内で生産されているじゃがいもは、わたしたちが普段食べている「生食用」、ポテトチップスなどに利用される「加工用」、片栗粉などの原料に利用される「でん粉原料用」と、大きく3つに分けることができます。

生食用で生産されている品種でもとくに生産量が多いのが『男爵』と『メークイン』ですが、よく耳にする品種のほかにも、北海道内だけで約50種ものじゃがいもの品種が栽培されています! 最近は、自分の好みや料理に合わせてじゃがいもの品種を選ぶ消費者も増えてきたようですよ。



「数ある品種の中でも、わたしのおすすめの品種は『男爵』『キタアカリ』『とうや』。この3品種は毎年生産しています」と、只野さん。

そこで、『男爵』『キタアカリ』『とうや』の特徴とおすすめレシピを教えてもらいました。

ホクホク系じゃがいもの代表格『男爵』



1908年に北海道七飯町で川田龍吉男爵が導入したことから「男爵いも」と呼ばれているこちらの品種。1928年には北海道の優良品種に選定されるなど、100年以上の歴史を持つじゃがいもです。

「ゴツゴツした見た目と断面の白さが特徴です。本州の方に根強い人気があります。淡白な味わいなので、コロッケにするのがおすすめですよ」(只野さん)



只野さん直伝「新じゃがのシンプルコロッケ」レシピ
材料(作りやすい分量)
新じゃが...2~3個(500g)
卵...1個
小麦粉...適量
パン粉...適量
揚げ油...適量

作り方
①じゃがいもを洗い、皮をむいて4~6等分にする。
②鍋にじゃがいもを入れ、やわらかくなるまで中火で茹でる。
③じゃがいもに火が通ったら、ざるに上げて水を切る。
④スプーンを使って、じゃがいもをつぶす。
⑤④を小判型に成形し、小麦粉をつけて溶き卵を絡めたら、パン粉をつける。
⑥揚げ油を170℃に熱し、きつね色になるまで揚げればできあがり。

栗のような甘みが特徴『キタアカリ』



北海道の農業試験場で『男爵』と『ツニカ』を交雑して誕生した品種。その味わいから「栗じゃが」「黄金男爵」とも呼ばれています。

「皮と果肉の色が黄色いじゃがいもです。甘みが強いので素揚げにしておやつ代わりによく食べます。北海道と言えばキタアカリ、という人も多いですね」(只野さん)



只野さん直伝「新じゃがフライ」レシピ
材料(2~3人分)
新じゃが(小サイズ)…10個(600g)
塩…適量

作り方
①じゃがいもはよく洗い、皮をむいて一口大に切る。
②揚げ油(分量外)を160~170℃に熱し、①をきつね色になるまで揚げれば完成。

只野さんイチオシ!『とうや』



見た目は丸みがあり、果肉が黄色いのが特徴。そのため「黄爵(とうや)」という名前でも販売されています。

「うちで一番多く作っているのが『とうや』。煮崩れしにくいのに、ホクホク感も楽しめて、バランスのとれた優等生のような品種です」(只野さん)



只野さん直伝「揚げない!ハッシュドポテト」レシピ
材料(作りやすい分量)
新じゃが...3個(600g)
塩...小さじ1/2
片栗粉...大さじ2
黒こしょう...少々
オリーブオイル...大さじ2

作り方
①じゃがいもは、皮をむいて1cmの角切りにする。
②ボウルに①と塩、黒こしょう、片栗粉を入れて混ぜる。
③フライパンにオリーブオイルを熱し、②を入れて形を整える。蓋をして弱火で7分焼く。
④③を裏返して再び蓋をし、弱火で6~7分焼く。
⑤好みでケチャップなどを添えて完成。

品種を知ればもっと広がる!じゃがいもの世界



消費者に求められる品種を作ろうと、毎年試行錯誤を重ねているという只野さん。

「2022年は『キタカムイ』という品種を主力にしようかなと考えています。キタカムイを作り始めてから、じゃがいもにハマったという方も多くて。品種が違うと味や食感がかなり変わるんですよ」(只野さん)

スーパーに行けばさまざまな品種のじゃがいもが並んでいますが、使ったことがあるものや値段で選んでしまうという人も多いのではないでしょうか?

今後は、新品種もぜひ手に取ってみてくださいね。



YUMEYASAI

只野夢子さん

酪農学園大学附属とわの森三愛高校を卒業後、飲食業などさまざまな仕事を経験し、2017年に親元就農。両親と共に、小麦(約10ヘクタール)のほか、じゃがいもやにんじん、ごぼうなどの根菜類を中心に約30品目の野菜(約3ヘクタール)を生産している。就農と同時に野菜ブランド「YUMEYASAI」を立ち上げ販路拡大に注力し、InstagramなどのSNSを用いた販売に力を入れている。2児の母。
Instagram https://www.instagram.com/yumeyasai/

写真提供/只野夢子 じゃがいも品種・レシピ写真/石塚修平 じゃがいもイメージ写真/PhotoAC 取材協力/JAいしかり

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