2021.07.08

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【バラ初心者にも!】農家に聞いた バラのベランダ栽培アドバイス

鉢バラはベランダで育てられるってご存じですか?育てやすい品種を選べば初心者でも大丈夫。ベランダ栽培におすすめのバラと、育て方のコツをバラ農家に教わりました。



教えてくれたのは、農薬を使わずハーブエキスを使った病害虫の予防法でバラを育てる「ひかりフラワー」の中村久子さん、裕美子さんです。

「バラを育てるのは難しそう、と思わないで。ベランダでも気軽に育てられますよ!」(久子さん)

ポイント1 すのこの上に乗せて、夏場の高温から守る

「近年、猛暑が続いています。暑すぎるとバラの根っこが枯れてしまうので気をつけて」(裕美子さん)



鉢を置くときに注意したいのが温度です。ベランダがコンクリートの場合、その部分はかなりの高温に。木の板やすのこを敷いて、その上に鉢を置きましょう。



台に鉢を乗せるなど風通しがよくなるよう工夫をして、黒星病、黒点病、うどんこ病など、カビ菌が原因となる病気に気をつけましょう。そよそよと風が通るぐらいの環境がベストです。



ポイント2 水やりは土の様子を確かめながら

「バラは根から水を吸い上げて成長します。花がたくさんつく時期は、そのぶん水の吸い上げも早いことを覚えておきましょう。水を欲しがっているかどうかは、土を触って確認します」(裕美子さん)



季節による水やりのタイミング

春・夏・秋=土の表面が少し乾いたときに。暑い時期は、毎日水やり。
冬=土を指で少し堀り、乾いていたら水やりを。週2回ほどでよい場合も。

「水やりのさいは株元にたっぷりと。鉢底から水が出るのが目安です。ウォータースペースがいっぱいになるまで水を注いでください。季節を問わず、水やりは朝9時までに終えましょう」(裕美子さん)


ウォータースペース(水しろ)は鉢の縁から数㎝ほどの段差部分で、水やりの最中に水が溜まる部分のこと。

ポイント3 植え替えは休眠期の冬が安心

鉢植えのバラは、大きい鉢で育てると苗全体も大きくなります。



「大きく育てたいときは、もともと入っていた鉢よりワンサイズ大きい鉢に植え替えて。暑い時期・花が咲いている時期・つぼみがついている時期を避ければいつでも植え替えできますが、バラの休眠期である冬(12~2月)だと安心です」(裕美子さん)



「注意点としては根をほぐしたりして根を傷つけないこと。根が傷むと、枯れるリスクが高くなります」(裕美子さん)



植え替え後には、肥料(おすすめは牛糞や馬糞などの有機肥料)を与えましょう。

四季咲きバラ おすすめ3選

バラを初めて育てる方に人気なのが四季咲きのバラ。

「春だけ咲くバラもありますが、春から秋にかけて約3回咲く四季咲きのバラが初心者の方に人気。咲かせる楽しさを味わいながら、栽培にも慣れることができます。ただし、お手入れをこまめにしないと咲きにくくなるので注意してくださいね」(久子さん)

そこで、おすすめ品種を3つ教えてもらいました。

バーガンディ アイスバーグ



「赤ワインのバーガンディから名付けられたこのバラは、その名の通り濃厚な紫色。大きくなりにくいので、ベランダ向きです」(久子さん)

ブリリアント・ピンク アイスバーグ



「上のバーガンディと同じ仲間で、こちらは明るいピンク色。かわいらしいと人気です」(久子さん)

グラハム・トーマス



「黄金色とも呼ばれる黄色が特徴で、紅茶に似た爽やかな香りが楽しめます」(久子さん)

好きな色のバラが窓ごしに見えるだけで、気持ちも華やかになりそうです。



「自分でバラを育てると、毎日つぼみがふくらみ、どんどん花を咲かせる姿が楽しみに。また、室内に飾ったり、近しい人にプレゼントして喜ばれたりと、本当に気持ちが華やぎます。ぜひ、バラ栽培に挑戦してみてくださいね」(久子さん)

「ひかりフラワー」では、バラの苗の他、園内で実際に使っている土や堆肥、ハーブエキスなどもオンラインショップで販売しています。

美しく華やかなバラを自宅でも楽しんでみませんか。


ひかりフラワー

中村久子さん・裕美子さん

土からこだわり、天然のハーブエキスを使って無農薬のバラ苗の育成を行う。約500品種を取りそろえたバラ園で苗を選んだら、そのまま購入することが可能。ネット販売も行う。バラ農園をはじめて18年目。サステナブルな農業を目指し10年前から無農薬を実践。久子さんと裕美子さん母娘のほかスタッフで農園を営む。営業時間午前10:00~午後5:00。月曜休(営業時間など詳細はホームページで確認を)。
ホームページはhttps://hikarirose.com/

写真/石塚修平 取材協力/JA東京むさし

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