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2022.04.15

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いちごの栄養って?美肌や免疫力アップを期待できるってホント⁉おいしい切り方も紹介【栄養士が解説】

管理栄養士のnnaokortです。今回は旬のいちごをクローズアップ。実は世界で一番いちごを生食しているのは日本だって知っていましたか? 好きな果物ランキングでいつも上位ないちごについて、栄養やカロリー、適正な摂取量、おいしい切り方…など全方位的に詳しく解説します!

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いちごのおいしい時期は?

いちごが出回る時期は12月~5月頃です。春に近づくといちごフェアが始まるように、いちごの旬は春。でも、現在はハウス栽培のおかげで冬からおいしいいちごが食べられます。4月、5月頃は露地栽培のいちごが出回り、長い期間いちごを楽しめます!


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日本で栽培され始めたのは?

いちごは江戸時代末期ごろにオランダから持ち込まれましたが、栽培は定着しませんでした。その後明治32年頃にフランスの品種が導入されたことで本格的な栽培が始まりました。最近では白やピンクのいちごや大玉サイズも登場し、味はもちろん見た目も個性的ないちごがたくさん。現在の主力はとちおとめやあまおう。とちおとめはいちご生産量1位の栃木県で収穫量の一番多い品種です(2018年)。甘味が強いのが特徴ですね。あまおうは、糖度と酸味のバランスが良く、その見た目の大きさがインパクト大。「あまい、まるい、おおきい、うまい」の頭文字が名前の由来です。いちごの味比べをするのも楽しいですよね。


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栄養は?


いちごはビタミンCが豊富です。ビタミンCが多いイメージのみかんやグレープフルーツの約2倍もあります(日本食品標準成分表2020年版(八訂)参照)。
ビタミンCは美白・美肌のビタミンと言われますが、コラーゲンの生成に関わり、丈夫な血管や皮膚、粘膜を作る立役者となります。美肌だけでなく、免疫力の強化にも欠かせません。ビタミンB群である葉酸も多く含まれています。

カロリーは?

日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、100gあたり31kcalです。いちごが低カロリーな理由は水分量です。いちごは水分が90%を占めるのです。100gは通常サイズのイチゴなら6粒分くらい。大きめなら3粒分くらいです。通常サイズのいちごなら1パック300g(約18粒)くらい入っていますから、1パックで93kcal。これは、バナナ100g(大きいバナナ1本位)と同じカロリーです。

いちごのぶつぶつは種じゃない!

いちごの表面にあるツブツブは種ではなく、ひとつひとつが果実! 一粒のいちごは、200個から300個の果実が集まった「集合果」といいます。わたしたちが果実だと思って食べている甘い部分は、実際は茎の先端が膨らんだものなのですよ。


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ヘタを取るのはなぜ?

いちごは先端部から熟していくため、先端から順に糖が多く蓄積しています。中央よりも先端が甘いので、ヘタをカットして中央から食べ始めると、最後により甘く感じられます。ちなみにいちごを選ぶときは、ヘタの緑色がきれいでピンとしているものを選ぶとおいしいいちごに出会えますよ。




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妊婦さんにはいいの?

いちごには葉酸が豊富に含まれているので、妊娠を希望とする女性から妊娠期・授乳期の女性におすすめです。葉酸は、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害の予防のため、妊娠前から充分に摂取していることが大切です。葉酸が含まれている食品はたくさんありますが、いちごならおいしく食べられて、続けやすく、しかも赤ちゃんのためになるのでうれしいですよね。

妊娠中にいちごを食べるもう一つうれしい効果があります。それは、鉄分やカルシウムの吸収を上げる力です。いちごはビタミンCが豊富だと紹介しましたが、ビタミンCは鉄やカルシウムの吸収を助ける働きがあります。妊娠中は鉄分もカルシウムも意識してとる必要がある栄養素。鉄分やカルシウムが含まれた食材を食べるときに、いちごも献立に加えれば、葉酸と鉄分・カルシウムの吸収率も上げてくれて、一石二鳥です。

何個まで食べてもOK?

食事バランスガイドによると成人(身体活動レベルが「ふつう」以上の成人女性や身体活動レベルが低い成人男性)で、果物の食べる目安量は100gを2回分です。できれば100gの異なる果物を2回に分けて食べることが望ましいので、果物は1日200gを目安にすると良いでしょう。100gは中ぐらいサイズのいちご(ヘタをとって)6個分くらいになります。


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食べすぎるとどうなる?

いちごに限らず果物の食べ過ぎは禁物。果物に含まれている糖分は果糖といい、とりすぎると肥満の原因になることもあります。カロリーは低くても、糖分の摂りすぎに気を付けて下さいね。


いちごのおいしい食べ方は?

いちごの果皮はとても薄く、水に濡らすと果皮が傷みやすくなるといわれます。とくに完熟果は皮がやわらかくなっているので、水洗いをするのは食べる直前にしましょう。

さらに、ヘタを早くとりすぎるのはご法度。いちごを洗うときも、ヘタ付きのまま洗います。ヘタを取ってから水洗いすると、果汁が流れ出てしまうことがあるからです。ヘタは食べる直前に取りましょう。


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いちごを買ってすぐ食べないときは冷蔵庫で保存します。その際、いちご同士が重ならないように並び替えるひと手間が、おいしいいちごを食べるポイントになります。重なったまま保存するとそこから傷みだすので、重ならないようにヘタを下にして保存しましょう。
先に紹介したように、いちごは先端にいくほど甘くなります。なので、いちごを縦に半分に切って出すと、食べ手は甘味にばらつきを感じませんよ。また、食べるときは、いちごのヘタから先端に向かって食べると甘くておいしいですよ。


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最後に

いかがでしたか? ビタミンCがたっぷりとれるいちごは日射しが強くなるこの時期からもおすすめです! もともとおいしいいちごを、洗い方や食べ方でもっともっとおいしく食べてくださいね。


≪参考文献≫
農林水産省
https://www.maff.go.jp/index.html

厚生労働省 
健やか日本21
https://sukoyaka21.mhlw.go.jp/

e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/index.html

果物ナビ
https://www.kudamononavi.com/

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