2022.05.19

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【野菜の漢字クイズ】「蕗」の読み方は?日本古来のほろ苦い野菜です!旬や栄養、選び方や保存方法も

管理栄養士のnnaokortです。「人参」「大根」といった漢字は小学生でも読めますが、ときに難読漢字で表記される野菜もありますよね。ちなみに、この「蕗」はどうですか? 読めますか? ヒントは日本古来の野菜で、春の山菜の定番です。ここでは「蕗」の発祥から、旬の時期や選び方、栄養素に保存方法、調理のコツまで詳しく紹介していきます。では、クイズの解答をさっそくどうぞ♪

【野菜の漢字クイズ】「蕃茄」「赤茄子」は何て読む?実は5つも漢字表記を持つあの有名野菜です!


野菜の漢字クイズ「蕗」ってなんて読む?

草冠に路と書いて何て読む?どんな野菜?

「蕗」


ヒントは、春の山菜の定番。お弁当箱の歌にも登場するあの野菜です。


正解は…



出典:photoAC


「ふき」です。

独特の香りと優しいほろ苦さが特徴の、山菜の定番「フキ」。お弁当箱の歌では「すじのとおったふーき」と締めくくられるあのフキです。日本古来の野菜であるフキについて紹介します!

歴史は?

ふきの歴史は古く7世紀にはすでに食していた記録が残っています。ふきの原産地は日本や中国、朝鮮半島です。下に載せた画像のように日本全国に自生していますが、栽培が盛んになったのは江戸時代からです。


出典:photoAC

旬は?


本来の旬は春。早春の頃3月から5月ごろまで出回ります。愛知県では特別な栽培方法で1年のうち7か月間も収穫できます。季節をまたいで収穫できるため「春ふき」「秋ふき」と呼んでいるそうですよ。

生産地は?

ふきは全国の生産量の約40%が愛知県で栽培されています。ふきの種類も「愛知早生(あいちわせ)ふき」という品種が約70%を占めます。愛知県に続いて群馬県が約13%。愛知県と群馬県で生産量の半分以上を占めます。(2018年調べ)


ふきは茎じゃなかった!

ふきは細長い見た目から、茎と思われる方もいるかもしれませんが、ふきの茎は地下にあります。茎と思って食べている部分は葉と茎を繋げる部分で、葉柄(ようへい)と言います。ちなみに地下にある茎から出た花芽が春の味覚の代表ふきのとうです。



どんな種類がある?

ふきは自生のものを含めると200種類以上もあります。

愛知早生ふき
ふきのシェアNo.1。売られているほとんどはこの愛知早生ふきです。長さは1m前後で直径も太め。香りが良く、肉厚なので食べ応えがあります。苦味やアクが少なくて、春の和定食を注文すると煮物、炊き合わせとして出てくることもありますよね。

野ふき
いわゆる野生のふきで、山ぶきとも呼ばれます(下記の画像です)。根元が赤く、細くて長さも30~40cmくらいです。佃煮などに向いています。


出典:photoAC

水ふき

根元が赤くて、香りがよいのが特徴です。瓶詰め・缶詰として加工されることが多く、ほとんど青果で流通しません。群馬県産のものは3月~6月に出回ります。


秋田ふき
長さ1.3~2m。太さは3~6cmにもなる巨大なふき。秋田ふきの仲間で「ワランぶき」があります。これは北海道足寄町では螺湾(ラワン)地域に自生するふきで、日本一大きいふきです。葉も大きく、雨が降ったら雨宿りできそうな姿をしています。


選び方は?

表面がきれいな淡緑色をしていて、全体に張りがあり、ピンとしているものを選びましょう。葉柄は品種によっては根元が赤くなっているものもあります。また、愛知早生ふきなど、おなじみのサイズのふきは直径が太すぎるとかたくてスジっぽいことがあるので、直径2cmくらいまでを目安にするとよいでしょう。

保存方法は?


ふきは日持ちのしない野菜です。下処理した後、水につけたまま冷蔵保存します。水は毎日取り換えること。2~3日で使い切りましょう。下処理の方法は後出の項目に詳しく記載しています。

栄養素は?

ふきの栄養素で注目すべきはカリウム、食物繊維です。カリウムは塩分を体の外に出す作用があります。そしてふきの食物繊維は不溶性食物繊維です。この食物繊維は水分を保持して便の量を増やす役割があります。
薬膳の観点からみると、春は冬にため込んだ不要なものを体の外に出すことがポイントとされています。ふきのカリウムや食物繊維はデトックス効果が期待できますね。


出典:photoAC

調理のコツは?

山菜の持ち味は、特有の苦みやえぐみですが、おいしく食べるためには、きちんと処理をする必要があります。

この下処理であるあく抜きは、おいしさ以外に重要な安全性にも関わります。植物は、動物や昆⾍から種⼦、実、若芽等を⾷べられないようにするため、⾃ら天然毒を作ることがあります。ふきはピロリジジンアルカロイド類という天然毒を含んでいますが、この天然毒は⽔に溶けるため、あく抜きは安全性を⾼める観点からも有効です。
ふきの中のピロリジジンアルカロイド類は、調理の際に熱をかけても壊れにくいため、しっかりとあく抜きをして⾷べましょう。

ふきの下処理

1.鍋に真横に入る長さにフキをカットします。
2.たっぷりの塩をまぶし、まな板で板ずりをします。
3.鍋に湯を沸かし、塩がついたまま数分茹でます。
4.茹で上がったものから冷水に浸けます。
5.冷めたら筋を取ります。
6.水を変えながら常温で水さらしをします。


出典:photoAC

ふきの筋の取り方は、手でむくか、包丁で引っかけて取ります。板ずりをすると皮はむけやすくなりますよ。
この下処理をしておけば、炊き込みご飯やてんぷら、炊き合わせ、炒め物などできるので、まとめて下処理をして調理するのがおすすめです。

こちらの動画もご参考に↓




出典先:ABC cooking studio



≪参考文献≫
書籍:
板木利隆 監修、新・野菜の便利帳おいしい編  高橋書店

牧野富太郎 著書、原色牧野植物大図鑑 株式会社北隆館

WEB:
野菜情報サイト 野菜ナビ https://www.yasainavi.com/

JAあしょろ https://www.jaasyoro.jp/

JAあいち知多 https://www.agris.or.jp/

農林水産省|ふき・ふきのとうはあく抜きしてたべましょう
https://www.maff.go.jp/j/syouan/syoku_anzen/anzen/r0305/attach/pdf/huki-1.pdf

画像:photo AC、pixabay

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