2022.05.07

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【防災対策】「シェルター」は“一家に一台”の時代⁉津波・洪水・火山対策用の「SAM」はまさかの発泡スチロール製

近頃、地震が多い気がしてちょっと心配な筆者です。ふと頭をよぎるのが東日本大震災のこと。地震もそうですが、大津波が漁船や港湾施設、さらには住宅や農地を呑み込む様子が連日テレビで流されていましたよね。強烈な印象となって今も残っています。実はそんな自然災害から家族を守るため、とある「シェルター」が話題になっているんです。なんと素材が発泡スチロール製とか。気になったので調べてみました。

【画像を見る】防災対策に…「SAM」ってどうでしょ⁉

静岡県の建築・不動産会社が独自にシェルターを開発


出典:Photo AC

発泡スチロール製のシェルター「SAM」のことはニュース番組で知りました。

開発に携わった建築及び不動産会社を営む(株)小野田産業の小野田良作社長は、「いつか来ると言われ続けている南海トラフ地震。この地震における静岡県の被害想定は甚大なものなんですね。最悪の想定死者数は10万人以上で、そのうち津波による死者数は9万人を超えると言われています」。と話します。わたしにはあの震災を思い起こさせるコメントだったんですよね。さらには…

「静岡で暮らすわたしたちは富士山の噴火も気にしなければなりません。もしもの事態が起きたとき、緊急避難できる場所が造れないものか。火山弾は無理としてもせめて火山灰から人を守れないか…。そんなことを考えるにつれ、何もしないではいられなくなったんです」

こうして、津波・洪水・火山用シェルター「SAM」の開発がスタートしたそうです。

“発泡スチロールでシェルター⁉”耐久性や安全性は?


出典:Photo AC

シェルター「SAM」に使われている発泡スチロールには特殊なコーティングが施されています。

それが「ポリウレア」。
アメリカ国防総省(ペンタゴン)の建物の外装コーティングにも使われているそうで、これを発泡スチロールに吹き付け、防水性や強度を高めています。

クレーンで地上数メートルの高さに釣り上げた自動車を「SAM」に落としても、海上数十メートルの高さから「SAM」を落としたりひっくり返したりしても、びくともしないといいます。発泡スチロールとは名ばかりで、実態は強靭な鎧のような素材になっているんですね。

さらに災害現場に運搬する可能性を考えると、エネルギー効率の観点から、ヘリコプターで吊り下げられるくらいの重量がベストとか。そう考えたうえで、素材は難燃性の発泡スチロールを選んだそうです。 

洪水や津波に対する耐性も非常に強固で、命が助かる可能性がとても高くなるとのこと。

中に人がいる状態で水に流されても、「SAM」自体は水面から5㎝程度しか沈まないことも確認済みです。例えば、津波が襲来して中に6人が乗り込んでいても、15~20㎝ほどしか沈みません。つまり、この中に逃げ込んでいれば津波に呑み込まれることはなさそうです。


出典:小野田産業


戸建ての庭に設置できるサイズ感もポイント

そして最大のポイントは、そのサイズ感にもあり。
普通自動車1台分の駐車スペースがあれば屋外に置くことができるそうで、戸建ての庭にも十分に設置が可能です。

前出の小野田社長によれば、シェルター「SAM」を平時から日常使いをしてほしいとのこと。
子ども部屋やオーディオルーム、ゲームルームや書斎など…。
そしていざという時は、ここが一時的な避難場所になる--。そんなふうな使い方が理想のようです。


出典:小野田産業



出典:小野田産業  秘密基地感覚で、子供の遊び場にも。

室内には空気を循環させる工夫が施されています。椅子の下には収納庫があり、水や非常食、ライフベストなどの収納が可能です。
また、災害から命を守れた後、長い避難生活を送る可能性についても対策が施されています。多くの避難者がエコノミー症候群に悩まされるということから、床の一部を外してフラットな簡易ベッドにすることができるとか。これなら、ストレスなく避難生活が送れそうですよね。

出典:小野田産業

シェルター「SAM」はTwitterでも紹介されているので、ぜひご覧ください。


ちなみにお値段は一番安いもので110万円から。命を守る施設と考えれば、わたしは決して高くないと思うのですが、みなさんはどうですか?

非常時に備えてどんな準備をしたらいいか、日頃からアンテナを張っておくことはとても大切です。
しっかり備えて家族を守りたい…と強く思います。

出典:小野田産業、Photo AC

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