菜の花によく似た見た目の「のらぼう菜」。それって野菜? 食べられるの? と思う人も多いはず。スーパーではなかなか見かけず、聞き慣れない名前ですよね。実は東京都、埼玉県、神奈川県などで、江戸時代から栽培されている伝統野菜の一つなんです。そこで、味の特徴やおすすめの食べ方を、神奈川県鎌倉市で年間150品目の野菜を栽培する農家に教えてもらいました!
【珍しい野菜!おかわかめのおいしい食べ方】葉なのにわかめ!?栄養、味は?気になる「おかわかめ」のおすすめレシピ今が旬!「のらぼう菜」ってどんな野菜?のらぼう菜について教えてくれたのは、神奈川県鎌倉市で「Rainbows farm 鎌倉」を営む石井宏兒(こうじ)さんです。
「ここがのらぼう菜の畑です。食用としておなじみの菜の花によく似てるでしょう? 同じアブラナ科アブラナ属の野菜で、主に花茎(花をつける茎)と葉を食べます」(石井さん)
のらぼう菜は、江戸時代中頃から東京都西多摩地方を中心に栽培されてきた伝統的な野菜。
さっそく、今まさに旬を迎えているという、のらぼう菜の収穫の様子を見せてもらいました。
「花茎が30㎝ほど伸びてきたら、手で折って収穫します。花が咲いて花茎や葉が固くなる前、蕾の状態が収穫どきです。摘み取っても新しい芽がどんどん出てくるので、3~4月にかけて、その味を楽しめます」(石井さん)
石井さんはポキッと小気味よい音を立てながら、手早く食べ頃ののらぼう菜を収穫していきます。
苦味やクセがなく生で食べてもおいしい!青々としていて、やわらかそうなのらぼう菜ですが、気になるのがその味ですよね。
聞いてみると、「生でも食べられますよ」と石井さん。さっそく畑で採れたのらぼう菜の葉をいただいてみました。
生なので苦味やえぐみを感じるかと思いきや、クセもなく食べやすい! 歯応えもしっかりあります。
「噛んでいるとしだいに甘みが出てきます。野菜が苦手な子どもでも、おいしく食べてくれると思います」(石井さん)
そんなのらぼう菜は、栄養価も高く、ビタミンAやビタミンCのほか、鉄分、食物繊維も豊富。
なんと、免疫力アップに欠かせないビタミンCは、ほうれん草の約2倍含まれているんだとか‼
どんな料理にして食べるのがいいのでしょうか。
おひたしや、肉や魚のつけ合わせにぴったり!「のらぼう菜は、生でも食べられますが、茹でても炒めてもおいしいですよ。サッと茹でて食べやすい大きさに切っておけば、おひたしにしたりハンバーグのつけ合わせにしたりと、いろいろ使えます」(石井さん)
茹でるとさらに鮮やかな緑になり、料理に添えれば彩りが抜群によくなりそうですね!
石井さんの営む「Rainbows farm 鎌倉」に併設するパン工房「鎌倉なないろファクトリー」では、のらぼう菜を使ったフォカッチャやベーグルなども販売しています。
のらぼう菜を使ったパンは、規格外野菜を活用した日替わりメニューの一例。「Rainbows farm 鎌倉」では、週2日直売所を開いています。
のらぼう菜の販売は残念ながら終わってしまいましたが、ほかにもいろいろ野菜を販売しているので、気になった方は、ぜひ一度立ち寄ってみてくださいね。
【Rainbows farm 鎌倉 直売所】住所:神奈川県鎌倉市城廻662
営業日:火曜、金曜(週2日の営業のみ)
営業時間:8時45分~(売り切れ次第終了)
●ホームページhttps://www.rainbowsfarm.net/
●Instagramアカウント @rainbows_farm_kamakurahttps://instagram.com/rainbows_farm_kamakura/
【鎌倉なないろファクトリー】営業時間:8時45分~15時(売り切れ次第終了)
定休日:月曜、第1&第3木曜、土曜、日曜
●ホームページhttps://peraichi.com/landing_pages/view/nanairofactory
Rainbows farm 鎌倉
石井宏兒(いしい・こうじ)さん
神奈川県鎌倉市で「Rainbows farm 鎌倉」を営む農家の三代目。のらぼう菜のほか、ブロッコリーやルッコラ、パクチーなど多種多品目を栽培。農園を営む傍ら、家族が経営する幼稚園でも勤務。子どもの農業体験にも力を入れている。調理師の免許を持っており、栽培した野菜を使った料理レシピをインスタグラムで随時配信中。