2022.05.25

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【解説】船で事故が起きたらどうする⁉海に投げ出されたら…「ラッコ姿勢」「靴は脱がない」が鉄則です!

最近、知床の観光船が沈没した事故がありましたよね。とても悲しいニュースでした…。そんなことがあり、先日の情報番組『シューイチ』で放送された水難事故の特集はとても興味深かったです。「船で事故が起きたらどうするべきか?」「生存確率を上げるにはどうしたらいいのか?」命を守るポイントが解説されていたので、わたしの体験や思いなんかも併せて紹介してみようと思います。これからのシーズンは、川や海に行く機会が増えるはず。ぜひ頭に入れておいてくださいね!

【解説】船で事故が起きたらどうする⁉海に投げ出されたら…「ラッコ姿勢」「靴は脱がない」が鉄則です!

海難事故が起きたら、どのように命を守ればいいですか?



『シューイチ』では元海上自衛官であり、現在は水難学会副会長、東京海洋大学非常勤講師も務めている安倍淳さんが、詳しく解説してくれていました。

【乗っている船で事故が発生したら?】
船で事故があったからといって、自分で勝手に海や川に飛び込んだり逃げるのはNG。
船員さんの誘導に従っての行動が基本です。
自分だけの判断で行動しないことが、命を守るポイントです。

そんな事故に巻き込まれたら、パニックになるのは当然ですよね。けれど、きちんと船員さんの言うことに従い、行動する事が大切なんですね!

【海に投げ出された場合は?】
集団でいることが基本だと言います。
体温が下がらないよう円陣のような隊形を組んだり、波が高ければ各々が個別に流されないように隊列を組んだりすることが重要とか。

確かに水難事故って空からの捜索が多いですよね。そのときに、1人でいるよりも大人数でいたほうが見つけてもらいやすくなるかもしれませんね!

生存率を上げるカギは、浮かんでいる時の体勢にあり!

ラッコのような体勢(仰向けになり、波間に大の字になって浮かぶ)をとって、呼吸することが大切だそうです。

大きく息を吸って後ろに反り返り、水の上にフラットに大の字に寝る。
そんなイメージですね。
ラッコの体勢で水面に浮かぶ。すると肺が浮袋の役割をしてくれ、体力を温存できるといいます。

わたしは水に浮く感覚が好きで、小さい頃から海に行った時は同じようなことをよくやっていました。
けれど…。
海ではうまくできても、川ではうまく浮くことができないんです。
川より海のほうが浮きやすいのは、海の水の方が体よりも重いからです。
そんなときに役立つポイントが、こちらです!

履き物が、命を守る意外なポイントに

水難事故にあったさいは、履き物が意外と重要なポイントになるのだそうです。
スリッパやクロックス、靴などは脱がないで水に入りましょう。
というのも、靴も浮き具の1つに入っているから。足も浮くから、水面でさらに浮きやすくなるんですって。
水に入るさいは、靴や服を脱がないほうが◎。

救命道具を身に着けていない場合などは特に、服や靴が浮力を持たせてくれることに。
海よりも浮きづらい川で溺れた時も有効だとか。

【川での水難事故・注意点は?】
もちろん、周りの人たちに助けを求めることは大切なのですが…。
大声を出すと、肺の中の空気が抜けてしまいます。

それに溺れているときに手を振ると、水面から上に腕が出るようになりますよね。すると、頭が沈んでしまうんです。

そのため、ラッコ姿勢になっての背浮きがおすすめというわけですが、そうなれば顔を出すので精一杯かと思います。
さらに、先ほどもお伝えしたように靴は履いたままで!
大の字で浮きやすくなります。

もしも溺れている人を見つけたら?

一方、溺れている人や水難事故を発見した場合、周りの人たちも気をつけるべきことがあります。

前出の元海上自衛官、安倍さんによれば水難事故が発生すると、溺れた人を助けようと水に入って行った人が犠牲になるケースも多いそうです。
真っ先に自分が水に入ろうとするのではなく、まずは浮き具がないか、つかまれるよう差し出すものはないかを考えてほしいとのことでした。


周りの人は、すぐに119番通報することと、浮き具などを渡すことが重要だとか。
ちなみに安倍さんは、こんなことも言っていましたよ。

「泳いで接近する、救助するというのは訓練を積んだ消防士や海上保安官にとってもかなり難しい、高度な技術です。
一般の人は浮き具を身に着けて、浮いて救助を待つという心がけを持ってほしいと思います」

海と川の水難事故、共通する注意点は何?




水難事故の場合、実は溺れるまでには1分もかからないそうです。
あっ!と思ったら一瞬で事故に巻き込まれてしまうんですね。

『シューイチ』出演の安倍さんが言っていましたが…。

海や川など自然の中で水遊びをする場合は、想定外のことが起きるのが自然なのだと胸に刻んでおくこと。
安全を人任せにせず、決められた監視員のいる海水浴場で泳ぐなど、ルールをきちんと守って楽しむこと。

その2つが、とても大切になります。

海と川、どちらで遊ぶにしても本当にどの瞬間に溺れてしまうかわかりません。
危険があるかもしれない場所、水に入って足のつかない場所には、行かないようにしましょう!

水難事故で命を守るポイントのまとめ



さらに『シューイチ』ではわかりやすく、下記のような「水難事故で命を守るポイント」を、まとめていました。

*大声を出さずに深呼吸
溺れている時に大声を出すと、肺の中から空気が抜けて体が沈みやすくなるので、まずはしっかり空気を吸うことが大切。

*ラッコの姿勢で、水面に浮く
先のポイントでもお伝えしましたが、大きく息を吸いながら、ラッコのような姿勢で水面に浮いているのがベスト。体力を温存できます。
助けを求めて手を振るより、この姿勢で浮いて命を守ることを先決に。

*脇をしめて、体温を維持する
救命胴衣を着ている場合は、自然に水面に浮かんでいることができます。
そこで脇をしめ、膝をお腹のほうに曲げておけば、皮膚の近くにある動脈を冷たい水から守り、体温を維持できるそうです。

*靴や服を脱がない。
救命胴衣を身につけていない場合は特に、浮力を持たせてくれる靴や服は身につけておくこと。
ただし、長靴は中に水が入ってしまうので脱いだほうがいいようです。             

水の事故が多い状況について

河川財団が行った(2003~2020年の)調査によれば、年代別で水難事故の割合が異なるそうです。

その割合は高齢者を含めない大人が4割、中学生以下の子どもは2割だとか。
子どもはもちろん事故にあいやすいのですが、この結果を見れば、やはり幅広い年代で注意が必要だと言えます。

ちなみに水難事故が特に多いのは川遊びで、川で泳いでいたら事故にあって…というケース。
次いで釣りやボートと続くのですが、注意していただきたいのが「泳いでいないけれど、川で遊んで」いたときに事故にあうパターンです。
例えばみんなでバーベキューなどをしていて、川辺で足を水につけていたら、誤って流されてしまった…など。

泳いでいないのに溺れてしまうなんて怖いですよね。
ただ、水の勢いというのは本当にすごくて、油断しているとすぐに足や体を持っていかれてしまうもの。

わたしも夏にバーベキューなどで川に行けば、やっぱり水に入って遊ぶことがあります。
そうした場合は流れが少ないところなど場所を選ぶようにしているのですが、気をつけなければいけませんね。

今までに何事もなかったのがよかったものの、もし海や川に行く機会があったら、今まで以上に気をつけたいと思います!


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画像出典:photoAC

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