2022.10.12

食べる

【レシピ語クイズ】にんじんを“一口大”に切る?それって何㎝のこと?「2㎝」「3㎝」「5㎝」のどれ?

管理栄養士のともゆみです。β‐カロテンを多く含む緑黄色野菜のにんじんですが、和洋中とさまざまな料理に使われます。色鮮やかなので彩りのアクセントにもなり、頻繁に食卓に上がりますよね。にんじんって「一口大」に切る場面も多いと思います。では実際に「一口大」ってどのくらいの大きさなんでしょうか? 先日見ていたテレビ番組『バゲット』で「プロが解説!わかりづらいレシピ語解明クイズ」の特集をやっていたので詳しく解説していきますね。

【レシピ語クイズ】野菜を切る指示が…「千切り」と「細切り」ってどう違う?より細いのはどっち?

カレーやシチュー、肉じゃがや筑前煮など、にんじんを「一口大」に切る場面はたくさんありますが、大きさについて今まであまり気にして切ったことはありませんでした。実際は「一口大」とはどの程度の大きさなのか目安があるそうです。


ではさっそくですがクイズです。


Q.ニンジンを「一口大」に切る場合は何cmでしょうか?

①2cm
②3cm
③5cm


正解は…



A. ② 3cmです。

一口大は、一尺(約30cm)の1/10で「一寸」(約3cm)から来ていると言われています。昔から日本人の大人の口に食べやすいベストなサイズということなのだそうです。ペットボトルのふた(直径約2.8cm)や500円玉硬貨(直径2.65cm)が目安です。お箸でもつかみやすく、口の中で噛みやすく食べやすい…これがまさに「一口大」です。また、煮崩れも防げて味も良く染みる、料理にピッタリなサイズです。

さらに、レシピによく登場する「食べやすい大きさに切る」も、一口大と同じでおよそ3cm四方です。また、にんじんだけでなく、大根やじゃがいもなど他の野菜に関しても、「一口大」はおよそ3cm目安となっています。
「小さめの一口大」や「大きめの一口大」と表記されていたら、これらは3cm四方を目安に「小さめの一口大」をおおよそ2cm、「大きめの一口大」は約4cmと覚えておくと便利です。

では実際にそれぞれの大きさに切ってみますがにんじんを「一口大」に切るときには「乱切り」が一般的な切り方かと思います。なので、「乱切り」の切り方をレクチャーしますね。
「乱切り」は食材を少しづつ回しながら斜めに包丁を入れる切り方です。切り口が大きいので、味が染み込みやすく早く煮えます。形はふぞろいですが、大きさを揃えることがポイントです。

にんじんの乱切り

1. にんじんの細い方(下部)から斜め45°に包丁を入れて切ります。
一番初めに切りたい大きさに切ると、そのあとも同じ大きさにそろえやすいです。
今回は一口大(3cm)で切りますので、最初に3cmくらいの大きさになるように切ります。

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2. 切り口が上になるように手前に90°回します。

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3. 再び斜めに切ります。前に切った切り口の真ん中に包丁を入れるようにすると大きさがそろいます。

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4. 半分くらい切り終わったところで、上の太い部分は縦半分に切ります。
「大きめの一口大」(4cm)の場合は1度に切る大きさが大きいので、縦に切らなくても大丈夫です。

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5. にんじんを動かしながら、斜め45°に包丁を入れて切ります。

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ではそれぞれの大きさに切ってみます。

左が「一口大」(3cm)、真ん中が「小さめの一口大」(2cm)、右が「大きめの一口大」(4cm)
切る順番に特にこだわりはありませんが、先端の細い方から「小さめ」→「一口大」→「大きめ」の順に切りました。

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比べてみるとだいぶ大きさが違いますね。
無意識でしたけど、今までも3cm程度の「一口大」くらいに切っていたように思います。

では実際にそれぞれを一緒に煮て、食べやすさを比べてみました。

料理は「鶏肉と大根、にんじんの炒め煮」で比較します。

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左が「一口大」、真ん中が「小さめの一口大」、右が「大きめの一口大」

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食べてみます。
左の「一口大」から。
今までもこのサイズだったので、違和感ありませんね。食べやすさに関しては問題ないです。

次に真ん中の「小さめの一口大」。
確かに小さめな感じはしますけど、食べやすいです。わたしは普段からこの大きさでもいいかも。人によっては小さくてもの足りない人もいるのかもしれません。

最後に右側の「大きめの一口大」。
あぁ、これはわたしにとっては明らかに大きすぎます。モゴモゴしちゃって食べづらいです。逆にこの方がごろっとしてて食べ応えがあって好きっていう人もいるかもしれません。

結局は3cmが誰もが食べやすい最も無難な大きさだということがわかりました。あとは3cmを中心として好みで変えたり、料理によって変えたりするのがいいと思います。確かに「一口大」を”3cm”としているのは正しかったようですね。



にんじんの栄養


β‐カロテンとα‐カロテン
にんじんで特筆すべきなのは、体内でビタミンAに変換されるβ‐カロテンとα‐カロテンです。にんじんは緑黄色野菜の中でもβ‐カロテン、α‐カロテンの含有量がトップクラスです。これらには体内の有害物質である活性酸素を除去し、LDLコレステロールの酸化を抑制して動脈硬化を予防します。また、紫外線を浴びることによってできる活性酸素から皮膚を守るため、しみ・しわの予防にも効果を発揮します。さらに疲れ目の回復やかぜなどの感染症からからだを守ります。体の内側から老化を予防し、若さと健康に役立ちます。

β‐カロテン・α‐カロテンを効果的に摂取する調理のコツ
にんじんに含まれるβ‐カロテンとα‐カロテンは皮の近くに多く含まれているため、皮付きのままか薄く剥いて調理すると栄養分を効率的に摂取できます。また、これらは脂溶性なので油と一緒に摂ると吸収率が高まります。炒めものはもちろん、煮物は炒め煮にしたり、生で食べる場合はオリーブオイルを使ったドレッシングをかけたり、脂質を含むナッツやゴマ和えにするといいでしょう。

にんじんを「一口大」に切る場面は煮物をはじめ、たくさんあります。「一口大」=3cm、食べやすい大きさとなっています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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