2023.11.18

働く

【生産者インタビュー】ビジュアル系バンドから農家に転身!?希少な国産アボカドを雪国で栽培するワケとは?



アボカドの栽培方法を独自に研究して…

アボカドを育てると決めたものの、日本には経営に使えるほどの栽培マニュアルはありませんでした。

「手に入る情報といえば、根が弱いので根腐れしやすい、とか、花がこんなふうに咲く、といった、植物として基本的なことだけでした。そこで、他の果樹の栽培方法を参考にしつつ、この作物のこの技術がアボカドにも使えそうだな、などと、自分なりの栽培マニュアルを考えていきました」(関根さん)

その中のひとつが、果樹栽培の技術である「根域制限栽培」。ポットで栽培し、根が広がらないようにすることで、木が大きく成長するのを抑制するとともに、実つきをよくする技術です。



そんなふうに栽培方法をある程度決めたうえで、2015年春、関根さんはアボカドの苗木を購入し、栽培を開始しました。

アボカドは植えてから初めて実をつけるまで、早くても5年はかかると言われていますが、関根さんはわずか1年で、数個の実を収穫することに成功。2017年には大きいハウスをたてさらに収穫量を増やし、2018年、「雪国アボカド」という商品名でインターネット販売を始めました。



「アボカド栽培にはコストがかかるので、2品種以上3~4個入のセットで約7000円(税込・送料込み)という決して安くはない価格設定です。それにもかかわらず、販売開始直後から申し込みが殺到し、短期間で売り切れたんです」(関根さん)

その後、テレビなどのメディアに取り上げられたことが人気に拍車をかけ、販売は、インターネットの抽選販売が中心となりました。

「いちばん嬉しいのは、リピーターの方が多いことですね。ネット販売なので顔の見えないやりとりですが、この価格で買っていただき、実際に食べたうえで、納得してくださったんだな、と感じられるからです」(関根さん)



関根さんは農家になったことで、農業はクリエイティブな仕事だと感じるようになったといいます。

「自分流の工夫をして、いいものを作り、納得してもらえたら、ファンになっていただける。それって、バンド活動と全く一緒だなと。どの仕事にも言えることかもしれませんが。アボカド栽培を始めて8年がたちましたが、今もまだ手探り状態です。今後も研究と努力を重ねて収穫量を増やし、皆様に喜んでいただきたいですね」(関根さん)

アボカド栽培について、熱く語ってくださった関根さん。農業という新たなステージで、キラキラと輝く姿が印象的でした。

インターネットの抽選販売について詳しく知りたい方は、せきね農園のホームページをぜひチェックしてくださいね。

せきね農園

関根邦仁さん

新潟市白根地区の、歴史ある農家の9代目。ビジュアル系バンドのボーカルとして活動したのち、2013年に就農。「自分なりの農業に挑戦したい」と、2015年にアボカドのハウス栽培を開始。テレビなどのメディアにも多数出演し、国産アボカドの魅力を広めている。

●ホームページ
https://sekinenouen.com/
●インスタグラム @sekine.farm
https://www.instagram.com/sekine.farm/

写真提供/せきね農園 取材協力/JA新潟かがやき

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