2024.02.11

食べる

【生産者インタビュー】埼玉でワインを造る!会社員を辞めて「自家製ぶどうでワイン醸造」の夢を実現するまで



成長する過程をラベルに――ワインで思い描く未来

2018年の収穫量が約30kgだったワイン用ぶどうは、今では20倍ほどに。醸造ワインの本数も着実に増えています。



実は貫井さんが販売するワインのラベルには「2021」「2022」という数字がデザインされています。これは、ぶどうを収穫した年。「123.5」「351」とあるのは醸造した本数。さらに、ラベルの裏側にはその年の栽培に関する苦労や思いも記されています。



「年ごとに成長を感じてもらえるラベルにしたいなと思って」(貫井さん)

ワインの瓶を並べると成長の様子がわかるというのは、なんともステキなアイデアです。

「2022年までは収穫量が少なく、黒ぶどうと白ぶどうを混ぜてロゼにするしかなかったのですが、2023年はいよいよ黒ぶどうだけで赤ワインが造れそうなんです」(貫井さん)


他の醸造法を試したくなり、2022年産のぶどうはロゼのスパークリングではなくロゼワインにしたそう。

「スパークリング、ロゼ、そして赤。同じ畑で育ったぶどうが、味わいの異なるワインになります。食事のとき、今日はどれを飲もうかと選ぶ時間も楽しんでもらえたらうれしいですし、そんなワインをこれからも造っていきたいですね」(貫井さん)

お話を伺っている間、終始、笑顔を絶やさなかった貫井さん。貫井さんが育てたぶどうには、この笑顔の源であろうパワーや愛情がたっぷり込められているのだと思うと――まさしく貫井さんがやりたかった「自分が思いを込めて造ったものを、直接お客様の手に届けられる仕事」を実現されているのだなぁと感じました!

奥の深い、ぶどう栽培そしてワイン造りの世界…。貫井さんの夢は、まだまだとどまることはなさそうです。

貫井園

貫井香織さん

埼玉県生まれ。大学卒業後、コンサルティング会社、PR会社を経て、2008年に父親が経営する「お茶としいたけ 貫井園」に就農。原木しいたけ栽培において農林水産大臣賞を5度受賞の同園で働きながら、ワインに魅せられ、2016年に醸造用ぶどうの栽培を開始。2022年から、自家製ぶどうによる醸造ワインの販売を手掛ける。
2015年第10回さいたま輝き荻野吟子賞、2017年農業女子アワード「農業女子の知恵・夢部門」、2018年6次産業化アワード奨励賞を受賞。農業女子プロジェクトメンバー。

●貫井園ホームページ
http://www.nukuien.com/

●インスタグラム @nukuien
https://www.instagram.com/nukuien/


写真提供/貫井園 取材協力/JAいるま野

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