2021.11.30

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【自粛疲れを癒すのは農作業!?】東京都府中市の「貸し農園」で「畑はマイルーム!」と熱~く語る会社員と出会った!

ストレスが減って幸福度もアップ! そんな研究結果も公表されている農作業。興味はあるけど「うちはマンション暮らしだし…」などと諦めている人も多いのでは? そこでおすすめなのが貸し農園。水道や農機具も完備する「貸し農園」なら、程よいスペースの畑で気軽に野菜を栽培できます。東京都府中市にある貸し農園「ふれあいファーム」を訪ね、利用者の生の声を聞きました。


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貸し農園「ふれあいファーム」があるのは東京のベッドタウン、府中市。住宅地の中に広がる畑ではたくさんの農作物が栽培されています。

JAマインズが運営するふれあいファームでは、1世帯1区画まで、月額2600円から約15㎡の畑を借りることができます。



「農地を一定期間貸し出す貸し農園では、借りた農地は利用者が管理します。どんな農産物をどう育てるか、すべては利用者次第です。新顔野菜を育てている方や、時期によって作物を作り分けている方など、利用者ごとに利用内容は全く異なります」と話すのは担当職員の竹内さん。

聞けば、コロナ禍をきっかけに貸し農園の利用希望者が殺到しているそう!

「長距離の移動が自粛される中で、外に出て体を動かす農作業に注目が集まっていることは知っていましたが、こんなにたくさんの応募があるなんて、というくらい人気です。農地の空きを待っている方も多いんですよ」(竹内さん)

自由だから楽しい!貸し農園の魅力



さっそく、利用者の声を聞いてみましょう。ふれあいファーム利用者の一人、会社員の加藤宣広さんです。



「わが家の“ふれあいファーム歴”は約半年。10畳ほどの畑は手作業で管理するにはちょうどいい広さで気に入っています。休日はもっぱら農作業を楽しんでいます!」と笑顔の加藤さん。


ふれあいファームでは利用者のみなさんそれぞれが15㎡の広さを上手に活用していました!

加藤さんはふれあいファームの近くに住んでいます。

「誰かの畑かな~と思っていたら、貸し農園だと分かって。利用者ごとに個性豊かで、いろいろなものを育てているんですよ。犬の散歩ついでに眺めていたんですけど、いいなあ~楽しそうだなあ~と思って。これまでプランター菜園すら未経験でしたが、やってみよう! と思ったんです」(加藤さん)


取材に訪れた日は、なすとピーマンを収穫。「今夜のおかずはチンジャオロースと麻婆なすかな」と加藤さん。

「借りた畑は自分で管理するのが基本ですが、好きな作物を植えていいし、どう育てたっていい。例えるなら…畑は自分の部屋みたいな感覚です(笑)」(加藤さん)


加藤さんの畑。季節ごとに6種類ほどの野菜を育てています。

野菜の作り方は家庭菜園の本やユーチューブなどを参考にしているそう。

「栽培については完全に自己流。本やネットを駆使して試行錯誤しながら育てています。通勤時間に野菜の育て方のユーチューブ動画を見る時間すら楽しくて。初めてで何も分からない、だからこそ全部が新しくてワクワクするんです」(加藤さん)


友人から「高級スーパーで売っているのと同じくらい立派で美しい!すごくおいしい」とほめられた加藤さんのゴーヤ

収穫した野菜は初めてとは思えないほどの出来栄えでした。

「夏はゴーヤがたくさん収穫できたんですが、妻はゴーヤを調理したことがなかったので、友人にレシピを聞いたり、ネットで調べたりして。子どもたちも初めてのゴーヤ料理に大騒ぎ。いつのまにかゴーヤ料理がわが家の定番おかずになりました。それまでは肉派だったわたしも、すっかり野菜好きになりましたね」(加藤さん)

以前は仕事人間だったという加藤さん。週末はつきあいのゴルフに行くくらいでしたが、畑を借りたことで、家で過ごす時間が大きく変わり、家族で話す機会も増えたそうです。


ふれあいファームは、水道がひかれていて、支柱やスコップ、クワやじょうろなども自由に使えます。

加藤さんの話を聞き、「まさに理想的な農園ライフですね」とJAマインズの竹内さんも感心しています。

「僕が驚いたのは利用者のみなさんの育て方。野菜作りに欠かせない支柱も、ただ立てるだけでなく交差して安定させていたり、野菜のつるが伸び過ぎないようにちゃんと剪定していたり。どの利用者も、とても丁寧に育てているんです。僕らもみなさんの野菜愛に負けないように、防草シートを敷いて区画外のところをできるだけきれいに保ち、より利用しやすい農園を目指しています」(竹内さん)



コロナ禍以前は月に一度、プロの農家による栽培講習会も行われていたふれあいファーム。

利用者の畑は利用者が管理しますが、全体の設備などは竹内さんなど専門スタッフが管理するので安心です。


利用者が農地を守る!?貸し農園の意外なメリットとは…



利用者がいきいきと自分の畑を手入れしている貸し農園ですが、実は地域の農地保全にも一役買っています。

「僕らが管理している貸し農園は、土地の所有者が高齢などの理由で管理できず、その農地を活用できる人がいない土地。つまり、貸し農園は耕し手のいない農地を利用者が引き継ぎ、有効活用していることになるんです」(竹内さん)



それに、と竹内さんは続けます。

「農作物を育てることはやりがいがあるけれど、とても大変なことでもあります。貸し農園で一から農作物を育てることで利用者は自然とのふれあいや癒しはもちろん、農家の想いやその苦労を感じ取ってくれると思うんです。さらに、近隣の人も畑の風景で癒される。貸し農園はいいことづくしなんですよ」(竹内さん)



15㎡からはじまる自然とふれあう豊かな暮らし。気軽に試してみたくなりますよね。

貸し農園は地域のJAや自治体などが管理しているので、興味のある方はぜひ近くの貸し農園を探してくださいね。

JAマインズが運営する貸し農園について、もっと知りたい方はこちらもチェック。

参考サイト:「体験型農園でストレス軽減 初の科学的実証-全中と順天堂大」https://www.jacom.or.jp/noukyo/news/2020/07/200715-45361.php

JAマインズ

貸出農園ふれあいファーム

東京都府中市でJAマインズが管理する貸し農園のひとつ。「農作業を通じて土に親しみ、生産の喜びをあじわうことにより、健康的でゆとりある生活を送ることができるよう支援するとともに、良好な都市環境の形成と農地保全を図ること」を目的に、JAマインズではこのほかにも8つのエリアで貸し農園を維持・管理している。1区画の面積は15~18㎡。JAの事業を利用していれば誰でも申し込むことができる。

詳しい内容・利用方法についてはこちらをチェック。

写真/冨田了平 取材協力/JAマインズ

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