2021.11.28

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【コロナ禍で注目!農業ボランティア】土に触れ、汗かくって気持ちいい~っ!農業体験初めの一歩にもぜひ!

コロナ禍で、まだまだ続く自粛生活…多くの人が運動不足になったり、ストレスを抱えたりしているはず。そこで注目したいのが、東京都をはじめ、多くの自治体が取り組み、年々参加者が増えている「農業ボランティア」です。自然に囲まれ、農家と一緒に汗を流す農作業はリフレッシュ効果バツグン!実際に羽村市で農業ボランティアとして活動する人々に、その魅力を聞きました!

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誰でも参加できる!農業ボランティア

援農ボランティアとも呼ばれる農業ボランティアは、文字通り『農家で農作業を手伝うボランティア』のこと。地域のJAや自治体を通して募集され、受け入れ先農家で農作業を行います。

休日など空き時間に参加できるだけでなく、自然と触れ合い、軽い運動にもなるとコロナ禍で注目を集めています。



農作業の内容は受け入れ先によって変わり、その頻度も受け入れ条件によってさまざまですが、「少しでも農業に親しんでもらう」機会として、ボランティアとの交流を楽しみにしている農家も多いそう。

東京都はこの「農業ボランティア」を積極的に募集し、受け入れています。



今回訪れた羽村市でも、登録制の農業ボランティアを募集中。今回、実際に受け入れをしている農園を訪ね、ボランティアの活躍ぶりを聞きました。

週に1回、土曜日の午前中だけの参加もOK!



「中野農園」ではトマトやにんじん、ねぎ、白菜などの多種多品目を栽培しています。

「うちの農園では、約20年前からボランティアの受け入れをしています。現在は20代から80代までの男女5人が登録していて、繁忙期以外は毎週土曜日の午前中に来てもらっています」と話すのは、農園主の中野峰雄さん。


(左から)久保文子さん、庄司修身(しゅうしん)さん、農園主の中野峰雄さん、酒井正さん、大石輝(ひかる)さん

中野農園でのボランティア作業は苗植えや草取りなど、単純だけれど人手が必要な作業が多いそうです。

「軽い農作業は気分転換にぴったりなんですよ」と話すのは中野農園でボランティア2年目の酒井正さん。



「ずっとサラリーマンをしていましたが、退職して暇になって。たまたまボランティアの募集を見つけたので、よい機会だとさっそく応募しました。農作業で体を動かすってとても心地いいんです。基本は週に1回ですが、人手が足りないと連絡がきて、予定が空いていた場合は、参加するようにしています」と、始めたきっかけを話してくれました。



農業ボランティアは世代を超えた交流の場!



今年、84歳の庄司修身さんは、中野農園のボランティアの中でも最高齢。

「もう14年前になりますが、退職後にボランティアを始めました。農業の知識はなかったのですが、14年続けていると1年のサイクルがわかってきます。最近は家庭菜園も始めて、農業の魅力と大変さを、ますます感じていますね」(庄司さん)

そう話しながら庄司さんは、トマトの葉を剪定する作業を軽やかに進めていきます。その姿は84歳とは思えないほど!



「農家の作業はたくさんあるので手伝いが必要です。少しの作業しかお手伝いできませんが、それでも役に立っていると感じられてうれしいです」と庄司さん。

中野農園には、庄司さんの孫くらいの年代のボランティアもいます。



大石輝さんは、今年20歳になったばかりの専門学校生。来年からの就職先も決まり、このコロナ禍で何か新しいことを始めたいと、農業ボランティアを始めました。

「中学生のときに職業体験学習で中野農園を訪れて、5日間農業を体験しました。その後は農業に関わる機会はなかったけれど、体を動かしたい、何か新しいことをしたいと思って、農業ボランティアにいきつきました。職業体験以来ずっと中野農園の野菜を直売所で購入していたので、ボランティアをするなら中野さんのところがいいかなあって」(大石さん)



そんな大石さんは、年が離れたボランティアとの交流も癒しの時間だといいます。庄司さんも、「孫と一緒に農作業をしている感じで、元気をもらっています。週に1回会えるのが楽しみなんですよ」と微笑みます。

体を動かす農作業で健康的に!



この日の唯一の女性参加者、久保文子さん。5年前に初めてご夫婦で農業ボランティアをしたことがきっかけで中野農園に通っています。

「事務系の仕事をしていたので、とにかく体を動かしたくて。緑や土に触れていると気持ちがいいし、以前よりも元気になった気がします。作物の生長が見れるのがうれしいですし、畑に生える雑草がするっと抜けたときなんてとっても爽快!それだけで楽しいですね」(久保さん)



農業ボランティアの作業がすべて終わった後は全員揃ってひと休み。作業を手伝ってくれたお礼にと、中野さんからお茶とおやつ、そしてその日とれた野菜がお土産として毎回振る舞われます。



この日のおやつは、今年初の焼き芋!



農園主の中野さんは「ボランティアのみなさんの存在に救われることがたくさんあります。農作業ももちろん助かりますが、作業後のおしゃべりは気分転換になるとてもいい時間なんです」と話します。



「農作業の魅力だけでなく、中野さんの人柄に惹かれているから、純粋に手伝いたいと思う」と、ボランティアも声を揃えます。農業ボランティアと農家には、いつしか絆が生まれていました。



約30分ほどの休憩でも会話が途切れることなく談笑し、メンバーの仲のよさが伺えます。年齢や性別がバラバラでも、皆で力を合わせて農作業することがとても楽しそう!

農業ボランティアに興味のある方は、地域の募集情報をチェックしてくださいね。

東京都の募集の詳細はこちらから。
●公益財団法人 東京都農林水産振興財団「とうきょう援農ボランティア」
https://agrivolunteer-tokyo.jp/



中野農園

中野峰雄さん

東京都羽村市にある100aの畑で、トマトやにんじん、ネギなど多品目の野菜を栽培。最近、人気が高まっている高糖度野菜の栽培も積極的に行う。中野農園でとれた野菜は、羽村市の直売所のほか、パルシステムなどへ出荷。農業ボランティアの受け入れは、20年ほど前から始め、現在5名が所属している。

写真/松木雄一 取材協力/JAにしたま

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