新型コロナウイルスの影響による収入減少や働き方の変化で、副業やアルバイトとして農業に興味を持つ人が増えています。でも実際に働こうとすると、農作業ってどんなことするの？休憩はあるの？など次々と疑問が…。そこで副業として農業を始めて１年のパート従業員に、農作業にまつわるあれこれを聞いてみました！
教えてくれたのは、群馬県前橋市にある「石井農園」でパート従業員として働く小林ミチルさんです。
農業を始めたきっかけは？
「コロナの影響で、働いていたホテルの仕事が激減したことがきっかけです。ほとんど出勤しない月もあり、収入が６割も減ってしまったので、生活のためになんとかしなくちゃ、と仕事を探し農園のパート従業員の募集を見つけました。今はホテルを辞めて、新たに中古車販売店の事務として平日の午後2時～７時まで働くなか、週5日、朝の７時〜12時まで農作業をしています」（小林さん）
農作業ってどんなことをするの？
「働く農家によって、やることはさまざまだと思います。私が勤めている石井農園では、トマトや青ナス、レタス、ブロッコリーなどの野菜栽培が中心で、苗植えや収穫、出荷作業などが主な仕事です。農園主がパート従業員一人ひとりの向き不向を考えてくれて、その人にあった仕事を任せてくれます」（小林さん）
取材したこの日は、旬の青ナスの収穫中。
「だいたい250g以上の青ナスを目視で確認し、見つけたらハサミでツルを切って収穫します。そのあと、ヘタを１㎝以内になるようにきれいにカットして、台車に載せたカゴに入れていく、その連続です」（小林さん）
収穫された青ナスがこちら農業ってやっぱり大変？
「私も初めはつらそうだなと思って、自分にできるのかなと不安もありました。作業も重労働が多いので、体が壊れてしまわないかなって。でも、わからないことや不安なことはパート従業員の先輩がしっかり教えてくれるので安心ですよ」（小林さん）
女性でも重労働に耐えられる？
「前かがみの作業だったり、重いものを持ったりすることもありますが、体が慣れてくると逆に元気になります。農作業をする以前と比べると足腰が強くなって、脚のむくみがなくなったし、疲れにくい体になりました。いい汗をかけるのでフィットネス感覚で仕事ができるのでおすすめです！」（小林さん）
休憩ってどうしてる？
「収穫の時期は、朝の時間が勝負なので続けて作業してしまうことが多いですが、水分補給などは随時とるようにしていますね。作業場には休憩所を用意してくれているので、そこで休んだりトイレに行ったりもします」（小林さん）
農業を副業にするメリットは？
「自分の都合に合わせて好きな時間だけ働けること。農業は一年中作業があるので、繁忙期だけ数時間とか、土日だけとかでもOKなので時間を有効に使えます」（小林さん）
実際に、小林さんのように午前中だけ働く人や、朝の収穫作業が終わってから農園に来る子育て中のママ、サラリーマンをリタイアした男性など、働き方はさまざま。
農業パート“あるある”は？
「野菜愛が芽生えてくること。まるで子育てをしているような気持ちで毎日が楽しいです！ 今まで消費者でしかなかった自分が、野菜を大事にしようって生産者の目線でも考えるようになりました」（小林さん）
そう笑いながら、収穫したトマトをきれいに拭き、選別する小林さん。
「こうやってずっといろんなトマトを見ていると、だんだんかわいく思えてきて。これはきっとおいしい！と、自分好みの形や色が分かってくるんです」（小林さん）
ちなみに小林さんが好きなトマトは、おしりの部分に十字の模様が入っているものだそう。
最後に就農したい、農業に興味のある女性に一言！
「農業パートは、時間に縛られずに働け、繊細な作業も多いので、忙しい女性にぴったりの仕事だと思います。とくに都会の女性は、自分が食べているものに気を使っている人が多いと思うので、野菜がどう作られているか知ることができるのも農業パートのいいところ。お金をもらいながらフィットネスにもなるし。気になったら一度、自分に合っているか体験だけでもしてみて！」（小林さん）
いきいきと農業をする小林さんの話はいかがでしたか？ ぜひこれからの働き方の参考にしてみてくださいね。
石井農園 パート従業員
小林ミチルさん
新型コロナウイルスの影響で、勤めていたホテルの宿泊客が激減。収入が６割も減ってしまったことをきっかけにホテルの仕事を辞め、中古車販売店でパート従業員として働きながら、2020年6月から副業として「石井農園」でもパートを始める。主に任されているのはトマトや青ナスの苗つけや収穫、出荷準備など。中でも好きな作業はトマトの選別。石井農園の公式LINEアカウントはこちら。
