2024.10.01

食べる

生ビールの【生】って何なの!?実はジョッキに入ってるのも瓶も缶もぜ~んぶ「生」なんだと!どゆこと!?

「とりあえず生」という言葉が居酒屋での合言葉のように使われていますが、ジョッキの生ビールだけが生ビールだと思っていませんか?実は、瓶ビールにも缶ビールにも生ビールはあるんです!え、そうなの?って思いますよね。テレビ朝日の「スーパーJチャンネル」で「生ビールの“生”って何?」という特集がありましたので、さっそく生ビールとそうでないビールを飲み比べながら、詳しくレポートしましょう。

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「生ビールの“生”って何?」実際に飲み比べてみた!

暑い夏に限らず、一年中飲まれているビール。「やっぱり生はうまい!」と言いながら、ビアホールや居酒屋で飲み干すビールは確かにおいしいのですが、実は瓶ビールや缶ビールにも生はあるのです。「生」という言葉を見たり聞いたりするとなんとなく「できたて」とか「フレッシュ」という言葉に置き換えてしまいがちですが、サーバーから注がれるから生、瓶や缶だから生ではないということではなく「生」にはちゃんと定義があるのです。



どうせ飲み比べるなら好きなブランドの方が分かりやすいので、キリンラガービールとキリンクラシックラガーを並べてみました。向かって左がキリンラガービール、右がキリンクラシックラガーでどちらも500mlの瓶です。ビールは嗜好品ですので、もし飲み比べをしたいと思ったら自分の好きなブランドにするとよいです。

さて、正面からみても商品名の違いくらいしか分かりませんので、裏のラベルを見てみましょう。まずはキリンラガービールです。



細かい説明はさておき、注目すべきは一番上の表示です。大きい文字で目立つように「キリンラガー〈生〉非熱処理」とあります。ここがポイントです。

続いて、キリンクラシックラガーの裏のラベルも見てみましょう。



キリンラガービールにはあった、「〈生〉非熱処理」の文字がありません。もうお分かりですね。キリンラガービールは生ビールで、キリンクラシックラガーは生ビールではないのです。

ここで次の疑問にぶつかります。同じ瓶ビールなのに、生とそうではないビールがあるのはなぜでしょうか?「製造してから時間が経ってるのに生?」という疑問が湧いてくると思いますが、実は先ほど見たキリンラガービールの裏のラベルにその答えがあります。ラベルの一番上に書いてあった「非熱処理」、これが生か生でないかの違いなんです。

ここでちょっとビールの製法について、簡単に説明します。

ビールは、麦汁にビール酵母などを加えて作ります。ビール酵母は麦汁に含まれている栄養を自分の中に取り込んで炭酸ガスとアルコールに分解するのですが、同時に味や香りの成分も作り出します。この炭酸ガスがビールの泡になり、作り出された成分がビールの味を決めることになります。この働きをアルコール発酵と呼びますが、ビール酵母によって特性が違うため、各メーカーは世界中に数千種類もいるビール酵母の研究を進めているのです。

さて、酵母が重要であることは分かりましたが、酵母は微生物ですので人間の言うことなど聞きません。そのため、放っておくと糖分が無くなるまでアルコール発酵を続けてしまいます。そうなるとビールの味はどんどん変化してしまって、思うようなおいしいビールが作れません。そこで行ったのが、熱を加えて酵母の働きを止める「熱処理」という方法です。

当時は酵母を完全に濾過することができなかったために熱処理を行っていたのですが、その後技術の進歩によって満足のいく濾過が可能になりました。ここから日本のビールは熱処理を行わず濾過によって酵母を取り除く、つまり火を通していない生ビールの時代になるのです。日本酒でも熱処理前を「生酒」、熱処理後を「火入れ」と呼びますので、考え方は同じです。

キリンビールは熱処理ビールにこだわってきたメーカーでしたが、世の中の流行が生ビールになってきたためにそれまで熱処理だったキリンラガービールを熱処理しない生ビールに変更しました。ところが困ったことに、熱処理されたキリンラガービールファンが多かったためにキリンビールの売り上げは落ち込むことになるのです。そしてキリンクラシックラガーは、そんな根強いファンのために2001年に復刻された熱処理のビールなのです。

次ページ > さて、いよいよ飲み比べです

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