2022.11.07

食べる

【肉の選び方クイズ】うま味が濃ゆ~い美味しい“和牛の断面”は…「ピンク色」「紅色」「小豆色」のどれ?

管理栄養士のともゆみです。がっつりお肉が食べたいときは、やっぱりステーキですよね~。選ぶなら、躊躇することなくサシの入ったやわらか~いお肉。和牛のいいやつが希望です。と・こ・ろ・が。先日のテレビ番組『ポップUP!』では、ちょっとわたしの見立てとは違う話をしていたんです。おいしいお肉の選択肢が増える目ウロコな内容だったので、それを詳しく紹介しつつ、番組推奨の“お肉”を実際に食べてみました。

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さっそくですがクイズです。

お肉のうま味が濃い”和牛の断面”は「ピンク色」「紅色」「小豆色」のどれでしょうか?

焼肉用の牛肉を買うときは、ピンクがかったお肉の方がやわらかそうだし、おいしいと思って選んでいましたが…。

答は…





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「小豆色」
でした。

和牛は飼育する時間が長くなるほど、切った肉の色みは色素が沈着するんです。そして味が濃くなります。人間もそうですが、赤ん坊は色が白くてすべすべで、年をとるにつれて肌色が濃くなったりします。なので、肉の色みが濃く、小豆色まで黒みがかったものはうま味の強い、深い味わいがするんですね。噛み応えがあって噛むほどにうま味が出てくるような。その一方でサシが入っていて断面がピンク色の、つまり薄い色みのお肉はあっさりした味わいになりますが、肉はやわらかく脂自体のおいしさが楽しめます。どちらが良いということでなく、そのとき食べたい味の好みで選択するのがいいと、番組では解説していました。

「小豆色」をしたお肉は味が濃いということはわかりました。
でも「小豆色」のお肉のイメージが「固くてパサパサ、臭みもありそう」なんじゃないかとちょっと心配なんですけど…。
大丈夫なのでしょうか?

さっそくこちらを作ってみました!

「小豆色」をした和牛のステーキ

【材料】
小豆色の和牛…1枚
塩・こしょう…各適量


※今回用意したのは黒毛和牛のももの部位です。

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【作り方】
牛肉を30分ほど室温においておきます。
焼く直前に塩、こしょうを両面に振ります。

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フライパンに油(分量外)を少量入れます。
強火で牛肉を焼いていきます。

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ほどよく焼き色が付いたら、裏返します。
反対側も強火のまま焼き色が付くまで焼きます。

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アルミホイルに包んで5分ほどお肉を休ませます。

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お肉を切って盛り付けます。
横に添えてあるソースは、お肉を焼いたあとのフライパンに料理酒、しょうゆ各大さじ2、みりん大さじ1を入れてひと煮立ちさせたものです。

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食べてみます。

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あーうま味が濃いってわかりますね。
カルビ肉のようにやわらかくとろける食感とは異なり、弾力があります。噛めば噛むほどお肉のうま味が出てきて食べ応えがあります。でも噛みきれないなどということはなく、お肉のおいしさをしっかり堪能できました。焼き加減をミディアムレアにしましたが、臭みはありません。また、パサパサ感もなく、とてもしっとりしています。ステーキではありますが、脂肪分が少ない分、あっさり食べられました。お肉のうま味を存分に楽しみたいときには、「小豆色」のお肉をおすすめします。

※食中毒菌は、主に牛肉の表面に付着しているので、牛肉の表面・側面をしっかり焼けば、牛ステーキをレアで食べても基本的には問題ありません。ただし、食中毒菌は時間とともに牛肉の表面から内部に浸透するので、子どもや高齢者など食中毒に対する抵抗力の弱い方は、中までしっかり焼いて食べましょう。


牛肉の栄養素

肉類は部位によって栄養素が大きく異なります。
今回使った「もも」と普段わたしが焼肉用として買う「カルビ」で比較してみます。

和牛もも…エネルギー235kcal、たんぱく質19.2g、脂質18.7g
和牛カルビ…エネルギー472kcal、たんぱく質11.0g、脂質50.0g

ももの方がカロリーと脂質が少なく、たんぱく質が多いです。ももは赤身肉と呼ばれる部分で、健康を気遣う人やスポーツをする人に人気があります。

牛肉の主成分はたんぱく質と脂質、ビタミンB群・鉄などのミネラル類です。たんぱく質の多い赤身の肉は脂肪も少なく、スタミナを増強し、ビタミンCやカルシウムと一緒に摂れば抗ストレス対策に役立ちます。

脂肪が多い部位を食べるときは、食物繊維の入った野菜をたっぷり摂ってコレステロール対策をしましょう。

ビタミンやミネラル類は赤身肉や内臓に多く含まれます。ミネラルの中でも鉄が豊富で、しかも吸収のいいヘム鉄です。ビタミンCを多く含む緑黄色野菜を摂ってさらに吸収率をアップしましょう。

いつもサシの入ったピンク色のお肉ばかりを買っていましたが、それはそれでおいしいんですけど、「小豆色」のお肉もまた別のおいしさがあり、おうちで作っても十分おいしく食べられることを知りました。ぜひ「小豆色」の和牛、お試しください。

<参考文献>
東京都福祉保健局「生の牛肉を食べてはいけないと聞きましたが、牛ステーキをレアで食べても大丈夫ですか?【食品安全FAQ】」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/anzen/food_faq/chudoku/chudoku08.html
おいしくてクスリになる食べもの栄養事典 監修 池上保子 日本文芸社
文部科学省 日本食品標準成分表 2020年度版(八訂)

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