2021.11.05

食べる

牛乳を選ぶときにチェックしたい3つのポイント!【酪農家に教わる】牛乳の基礎知識

牛乳を買いに行くと、たくさんの商品がずらりと並んでいます。おいしいのは、どれ? 違いは、なに? 牛乳を買うときにチェックしたい3つのポイントを酪農家に教わりました。



教えてくれたのは、オリジナル牛乳「みるくの黄金律」を製造販売する東京都八王子市の牧場「磯沼ミルクファーム」代表・磯沼正徳さんです。

ポイント1:種類別名称をチェック!


「みるくの黄金律」のタグには「種類別名称/牛乳」と記載されています

「まず知ってほしいのが、パッケージに“牛乳”と表示できるのは、原材料が牛から搾ったばかりの生乳100%で、乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上のもの。“成分無調整”と表示されていることもあります」(磯沼さん)


牛乳を買うときは、パッケージの側面や裏にある成分表をチェック

「“特選”と表示された牛乳もあります。これは、生乳の品質が一定基準をクリアし、乳脂肪分3.5%以上、無脂乳固形分8.5%以上のもの。無脂乳固形分は、牛乳の乳脂肪分と水分以外のたんぱく質やミネラル、ビタミンなどの成分をいいますから、甘味が濃く栄養価も高い牛乳です」(磯沼さん)


原材料に、牛乳以外のものを加えて調整した商品も

「“調整牛乳”というのは、たとえば生乳から乳脂肪分をたくさん抜き0.5~1.5%に調整した“低脂肪乳”、クリームなど生乳以外の原材料を加えた“加工乳”“乳飲料”などが該当します」(磯沼さん)

ポイント2:乳脂肪分の割合をチェック!


磯沼ミルクファームで販売している「みるくの黄金律」(900ml・税込972円)

「牛乳の味は、乳脂肪分が高くなるほど甘みとコクが強くなります。当牧場の“みるくの黄金律”は乳脂肪分が3.6%以上あり、まろやかでクリーミーな味わいです」(磯沼さん)

ポイント3:殺菌温度をチェック!



「じつは殺菌温度によっても微妙に味わいが違うんです。市販の牛乳は、130℃で2秒程度の高温殺菌がほとんどですが、“みるくの黄金律”は65℃で30分の低温殺菌。低温殺菌だと、搾りたてのフレッシュ感が残ります」(磯沼さん)


低温殺菌の「みるくの黄金律」は、ホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスなど希少な品種の生乳をブレンド

「牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする人、牛乳が苦手な人の中には、低温殺菌牛乳ならだいじょうぶという人も多いんですよ。殺菌温度をチェックして、もし低温殺菌牛乳を見つけたら、ぜひ試してみてください」(磯沼さん)

牛乳の味は飼育環境や気候によっても変わる



「ここからは豆知識ですが牛乳の味は、エサや飼育環境、気候によっても変わります。夏は牛の食欲が落ちるため乳の脂肪分も少なくなり、冬に比べるとあっさりした味になるんです」(磯沼さん)



「牛のエサは牧草がメインですが、当牧場では近隣の食品加工会社から、フルーツや野菜の使い残りを買い取って、エサにしています。栄養満点で牛たちも大喜び、お乳も栄養豊富です」(磯沼さん)



「牛の種類でも味は変わります。ホルスタインはあっさり味、ジャージーは脂肪分が多くて、濃厚な味わいです。ぜひ、いろいろな牛乳を飲んで、味の違いを楽しんでみてくださいね」(磯沼さん)

磯沼ミルクファーム

磯沼正徳さん

東京都八王子市で約90頭の乳牛を飼育、搾った生乳を出荷するほか、牛乳、ヨーグルトなどオリジナル乳製品の製造販売も手がける。飼育する牛は、おなじみのホルスタインをはじめ、ジャージー、ブラウンスイス、エアーシャー、ガンジー、ミルキングショートホーンの6種類。都市の中のオープンファームとして、珍しい牛との触れ合い、乳搾りやエサやりなどの体験プログラムも実施し、人気を集めている。ウェブサイトはhttps://www.isonuma-milk.com/

写真/津田雅人 取材協力/JA八王子

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