2024.05.02

食べる

もち米を灰汁に漬ける!?鹿児島の郷土菓子「あくまき」をアレンジしつつ食べてみた!独特風味がクセになる~♡

かれこれ鹿児島に住み続けて45年ほど経ちますが、毎年5月の端午の節句が近づくと「あくまき」が食卓に上がります。灰汁で炊いたもち米を使った郷土菓子で、鹿児島県民ならだれもが知っている由緒ある食べ物ですが、県外の方からはあまり知られていません。なので今回は、ぜひ知っていただきたい「あくまき」の魅力を、アレンジレシピを楽しみながらたっぷりと語っちゃいますよ~!

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「あくまき」とは

「あくまき」の起源は諸説ありますが、安土桃山時代の慶長5年、関ヶ原の戦いの際に薩摩藩の島津義弘公が日持ちのする兵糧として、持参したのが始まりだといわれています。
保存性が高く腹持ちも良いため、西南戦争時に西郷隆盛が戦陣食として食べていたんだとか。
あくまきは「ちまき」とも呼ばれ、子ども達の健やかな成長を祈る思いを込めて、鹿児島県では祝い餅として端午の節句に食べる風習があります。

まずは、「あくまき」の作り方をご紹介します。



【材料】
灰…2kg
もち米…3升
竹の皮…40枚

作り方
1.2~3日前から竹の皮を浸して綺麗に洗い準備する。
2.灰で灰汁を作る。
3.前日に餅米を洗って水を切り、灰汁に浸す。
4.3の餅米を灰汁から上げ水切りする。
5.竹の皮を広げその中に、餅米を入れ袋状に包んで竹の皮のひもで3か所くくる。
6.鍋に水を入れ、あくまきを煮ていく。
7.約1時間半したらあくまきの上下を入れ替える。
8.約3時間位煮て、ざるに上げる。

※参考にしたサイト:鹿児島「あくまき」JAさつま日置女性部会
https://life.ja-group.jp/recipe/detail?id=5065

灰の選び方、取り方は熟練の技!
煮る時間は、柔らかめが好きな方は長めに。固めが好きな方は短めにします。



鹿児島県のスーパーや直売所では時期が近づくと、竹の皮や灰、灰汁など、あくまき作りに必要なものが売り出されます。
作り方は、灰汁に浸したもち米を竹の皮で包み、鍋で煮るというシンプルな工程ではありますが、おいしく作るには技術や勘が必要です。

わたしも、初めてあくまき作りにチャレンジしたときは、長年作り続けているベテランの先輩方に教わりながら作りました。竹の皮でもち米を包む作業も簡単なようで難しかったり、竹の皮やもち米を灰汁に浸す時間や煮る時間が長くかかったりと、作るのは大変で手間がかかりました。

でも、食べるのは簡単です(笑)。



竹の皮を開き、包丁などでカットしてサッと食べることができます。



包丁が無い場合は、竹の皮の端を手で割き…



あくまきをぐるっと巻いて、ギュッと絞るようにひもを引っ張ると、簡単に切ることができます。
この方法は、祖母に教わった昔ながらの切り方ですが、道具を使うことなくあるものを使うという先人の知恵ですね。 



肝心なお味はというと、プルンとしたわらび餅のような食感ではありますが、灰汁の独特なクセがあります。この独特なクセには好き嫌いが分かれると思いますが…わたしも子どもの頃は苦手でした。ですが、不思議と30歳を過ぎた頃から、このクセのあるあくまきの味がたまらなく恋しくなりまして(笑)。あくまき自体は味付けをしていないため、さまざまなアレンジをして楽しむことができます。

次ページ > お食事、おつまみ、デザートにもなりますよ♪

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