2021.06.19

食べる

【農家直伝】おいしいトマトの見分け方 まずは、「ヘタ」と「色」に注目!

夏が近づき、これから旬を迎えるトマト。肝心なトマトの鮮度やおいしさってどこを見ればわかるの…? トマト農家においしい見分け方を聞きました。

 

教えてくれたのは、東京都練馬区の住宅街でトマトを栽培する「加藤トマトファーム」の加藤義貴さんです。

おいしいトマトの見分け方

1.新鮮トマトは「ヘタ」がピン!が目印
2.中玉トマトは「おしりの線」が甘みの印!
3.甘いトマトは「色」でわかる!

では、詳しく見ていきましょう!

新鮮トマトは「ヘタ」がピン!が目印 

トマト農家の加藤さんは「まずはヘタに注目してください」と言います。



ハウスの中を案内していただくと、なるほど、収穫前の状態のトマトはどれもヘタがピン!と立ってます。



こちらは収穫したてで、かごにどっさり詰まったミニトマト。どれもヘタがピン!これが新鮮な証拠なんですね。

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「トマトのヘタがピンとしているのは、収穫後1日ほど。2日目以降になると、ヘタの部分から水分が失われていき、しんなりしてきます」(加藤さん)

中玉トマトは、この線が甘みの印!

「これ、見て!」と、次に加藤さんが見せてくれたのは、中玉トマトのおしりに放射状に入った薄い「線」。





真上から見ると、薄い線が均等に入っているのがわかります。



「この薄い線は甘みのあるトマトの印。これは、“維管束(いかんそく)”という栄養分や水を運ぶための管です。果実部分にエネルギー源となる糖分を蓄えた甘いトマトは、この線が浮き上がっています」(加藤さん)

甘いトマトは「色」でわかる!

次にチェックすべきは、「真っ赤な色」。

「トマトはいちばん赤くなったときが完熟で、甘みとうまみ、酸味がほどよい食べごろになっています。お店で購入するときは、真っ赤な色のトマトを選べば、まず間違いがないですよ」(加藤さん)

 
ハウスには、真っ赤に熟したトマトが鈴なりになっています。

「トマトは、成長しながらゆっくり熟し、ゆっくり赤色になっていきます。枝の上で熟すことで、より甘みを蓄えることができるんですよ」(加藤さん)



びっしり実をつけるトマトを見ると、赤からオレンジ、黄色、緑と色がグラデーションになって変化しているのがわかります。

「トマトの花が咲いた順番に、ハウス内に放たれたクロマルハナバチが受粉するんです。今、真っ赤になっているのは2か月前ごろに花が咲いたトマトですよ」(加藤さん)。



受粉し、実がゆっくりふくらみ、その後、色づいていく。こうやってトマトは甘みを蓄えるのですね。

「ここまで真っ赤になり、肌つやがよい状態になれば収穫どき。完熟したトマトは、ほんとうにおいしいですよ」(加藤さん)。



近くの産地を選ぶのもコツ!

最後に加藤さんに教えてもらった、トマトを選ぶときのコツを紹介します。



「完熟トマトはやわらかいので、輸送の段階で傷みやすいのが難点。完熟した状態で収穫したトマトを食べたいときは、住む地域になるべく近い産地のものや、直売所などに並んでいるものを購入するといいですね」(加藤さん)

これから旬の時期を迎えるトマト。加藤さんに教えていただいた見分け方を参考に、ぜひおいしいトマトを選んでくださいね。


加藤トマトファーム

加藤義貴さん

東京都練馬区にある8.6アールのハウスで、ミニトマト、中玉トマト、大玉トマトを栽培。28歳のときに就農して今年で5年目。収穫したトマトは、11月から6月にハウス前で毎朝8時30分から販売(なくなり次第終了)。甘くてこくのあるトマトは、朝から行列ができるほどの人気。このトマトを材料に作ったドレッシングやトマトようかんも販売している。
ウェブサイトはhttps://kato-tomato-farm.jp/

写真/菊地菫 取材協力/JA東京あおば

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