使いかけのしょうがをラップで包んで野菜室に入れたのに、カピカピで使えない~! なんてことありませんか? じつはしょうがは冷蔵庫が苦手。野菜室などに入れるとどんどん傷むんです。そこで、おいしさが長持ちする正しい保存法や新鮮なしょうがの選び方を、山梨県南アルプス市のしょうが生産者、手塚美砂子さんに教わりました。
【画像を見る】しょうがは冷蔵庫に入れちゃダメ!正しい保存法と選び方とは…しょうがの保存は常温で!手塚さんの畑のしょうが。イキイキと育っています。「しょうがは温かい地域の食べ物なので冷蔵は禁物です」と手塚さん。では、どのように保存すればよいのでしょうか。
「しょうが保存の適温は15℃前後。よく洗って水気を拭いたら新聞紙に包み、風通しのよいところで常温保存してください」(手塚さん)
新しょうがも根しょうがも、どちらも新聞紙で包んで保存。新聞紙に包むのは、乾燥を防ぐためです。
「しょうがが大量にあるときや暑い季節は冷凍がおすすめ。すりおろしたものを小分けにしてラップで包み、冷凍するとすぐ使えて便利ですよ」(手塚さん)
新しょうがは茎をチェック保存方法が正しくても、手にしたしょうががそもそも新鮮でなければ意味がありません。では、新鮮なしょうがは、どう見分けたらいいのでしょうか。
収穫したての新しょうが。根元がきれいなピンク色です!「収穫してすぐに出荷される新しょうがと、収穫してから数か月寝かせて出荷される根しょうがでは、チェックポイントが少し異なります。新しょうがならチェックポイントは茎。葉つきで出回るものと葉をカットした状態で出回るものがありますが、どちらも茎がピンとしてハリがあり、ほんのりピンク色であれば新鮮です」(手塚さん)
茎にハリがなく、茶色っぽい色のものは鮮度が落ちている証拠だそうです。
根しょうがは皮のハリと切り口の色をチェック!根しょうがは「皮にハリがあり、切り口がみずみずしい黄色のものを選んで」と、手塚さん。
「形を気にする人もいますが、市販されている根しょうがは、収穫した大きなかたまりをカットしたもの。鮮度や味とは関係ありません」(手塚さん)
使うときに皮はむく?むかない?しょうがって形がゴツゴツしていて、皮がむきにくいもの。四苦八苦して皮をむいても、小さくなりすぎて、すりおろしにくい……なんてことも。
何かいい方法はないのでしょうか。
皮をむきすぎて小さくなっちゃった!なんてこともありますよね。「新鮮なしょうがなら、よく水洗いすれば皮ごと使えます。傷みや黒ずみがある場合は、そこだけ取り除けば大丈夫」と、手塚さん。
「皮の近くは香りがよく、健康にいい辛み成分やうまみ成分も多く含まれていますから、ぜひむかずに使ってくださいね!」(手塚さん)
新鮮なものを買い求め、正しく保存して、皮ごと調理する! これがしょうが活用の基本というわけですね♪
業務用のしょうがの保存も、乾燥対策が不可欠!しょうがを栽培している手塚さんですが、その目的はジンジャーシロップに加工して販売すること。シロップのために収穫した大量のしょうがを2か月ほど寝かせるそうですが、その方法がおもしろい!
「大きなコンテナにビニール袋を敷き、収穫したしょうがを入れます。隙間にはもみ殻を入れ、全体に水をかけて保存します」(手塚さん)
もみ殻と水!? その状態で腐ったりはしないのでしょうか?
「しょうがを新鮮な状態で保存するためには、適度な温度と湿度が必要です。水分が抜けると、味が落ちてしまうため、水分キープが欠かせないんです」(手塚さん)
手塚さんお手製「大人のためのジンジャーシロップ」について詳しく知りたい方は、
こちら。
手塚美砂子さん
美術大学を卒業後、デザイン関連の仕事に従事し、夫とともに東京でデザイン会社を立ち上げる。ふたりの子どもを育てながら、今後の生き方を模索していた2018年、実家が果樹園を営む山梨県南アルプス市へのUターンを決めて就農。自身はしょうが栽培とジンジャーシロップの販売事業、夫は東京でコンサルティング会社を経営し、2拠点生活を送っている。
ショウガシロップのサイト https://soil-drink.com/
手塚果樹園サイト http://tezuka-farm.com/