硬くてスジスジしていて、食べにくいアスパラガスの根元の部分。下処理で捨ててしまう人も多いのでは？ でも、「根元は甘みがあっておいしい部分。捨てるのはもったいない‼」と教えてくれたのは、東京都練馬区でアスパラを栽培する白石秀徳（ひでのり）さん。隣でうなずく奥さまの裕美さんが、アスパラの硬～い根元を“出汁”として、ムダなく利用するレシピを教えてくれました！
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アスパラの下処理法の一つに、根元の方をしならせて、ポキンと硬い部分を折る方法がありますよね。
でも、このやり方だと、けっこうな長さを捨てててしまうことにも…。
「じつは、根元の部分は穂先に比べるとエグミがないので、甘みを感じやすい部分。筋っぽいのは皮の部分だけなので、根元から5㎝ほどをピーラーで剥けば、今まで捨てていた部分も、おいしく食べられますよ」と、白石さん。
でも、ものによっては、どうしても硬い部分があることも…。
「その場合は、根元側から包丁で浅く切り込みを入れていき、スッと刃が入ったところで、切り落としてください。切り落とした部分は、茹でて出汁をとるのがオススメ。わが家では、その出汁でよく炊き込みご飯を作ります」（裕美さん）
白石家の定番メニュー、さっそく作ってみましょう。
根元で出汁をとる⁉初体験の味「アスパラ出汁の混ぜご飯」
材料（ごはん2合分）アスパラ…1束（100g）
米…2合
塩昆布…25g
作り方1．アスパラは、根元から5㎝ほどをピーラーで剥き、硬い部分のみを切り落とす。
2．鍋に水500mlと
1を入れ火にかけ、5～6分沸騰させる。
3．ザルで濾し、根元を除いて冷ませば、アスパラ出汁の出来上がり！
出汁は、ほんのり緑色に！
4．残りのアスパラは、沸騰した湯に塩を入れ、根元を先に数秒湯がいてから、全体を湯の中に入れ、30秒～1分ほど茹でる。
5．茹であがったらザルにあげて冷まし、
4を5㎜幅に切る。
太いアスパラを使う場合は、縦半分に切ってから5㎜幅に切ると、ご飯に混ぜやすくなりますよ！
6．米を洗い、炊飯釜に入れ、
3の出汁を2合の目盛りまで加え、普通炊きで炊飯する。
ここで入れるのは出汁だけ！ アスパラは後で投入します！
7．ご飯が炊けたら、
5のアスパラと塩昆布を入れて混ぜ合わせて、10分ほど蒸らしたら出来上がり。
ほのかな塩味に、アスパラがベストマッチ！ 出汁のほんのりした甘みも感じられ、やさしい味わい。
「塩昆布の代わりに、炒めたベーコンを入れてもおいしいですよ。出汁は、ご飯を炊く以外にも、スープなどにも使えます。根元の部分まで、ムダなく活用してくださいね」（裕美さん）
アスパラの茎がほうじ茶に！
収穫したアスパラ。店頭に並ぶ品より長さがあるのが分かりますか？
「この後、規格の長さに揃えるため、根元の部分をカットして出荷します。カットした茎は、通常は廃棄しますが、白石農園では、地元の事業者を通じて、ほうじ茶に生まれ変わっているんです」（白石さん）
これが、アスパラの茎を乾燥・焙煎させて作った「翠茎茶（すいけいちゃ）」。
「ノンカフェインで、コーンのような甘みのあるお茶です。茎は栄養価が高く、旨みも豊富。農園のホーム―ページから購入できるので、ぜひ試してみてくださいね」（白石さん）
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白石農園
白石秀徳（しらいし・ひでのり）さん
大学では農学を専攻、青果市場にて経験を積んだ後、約350年続く白石農園の後継者として就農。両親と家族が年間30～40品目を栽培する農園において、自身は3000株のアスパラガスの栽培に従事。農福連携、体験農園の実施など地域との連携を深めながら、都市農業を持続可能なものにすべく奮闘中。
●ホームページ
https://shiraishi-farm.com/
●Instagramアカウント ＠shiraishifarm
https://www.instagram.com/shiraishifarm/
