2022.08.02

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夏の『隠れ脱水』に注意!熱中症にならないために見極めたい6つの症状と対処法【看護師が解説】

看護師のmocaです。6月末は猛暑日が続きましたね。総務省消防庁の報告によると6/27からの一週間の熱中症による救急搬送件数は1万4353人にも上ったそうです。日テレの情報番組では『隠れ脱水』について特集していました。隠れ脱水は自覚症状が乏しいですが、熱中症を助長する状態です。これから厳しい暑さが続いていきそうなので、今回は脱水予防のポイントを詳しく解説していきますね。

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熱中症の原因となる“隠れ脱水”とは

熱中症とは、高温多湿の環境のもとで、体内の水分・電解質バランスが崩れ、体温維持機能が正常に働かなくなり、体温の上昇・めまい・頭痛・意識障害などさまざまな健康障害を引き起こす状態をいいます。

体のなかの水分や電解質が失われた脱水状態は、熱中症を引き起こす要因となります。
脱水になる手前の“隠れ脱水”にはとくに注意が必要です。
隠れ脱水は自覚症状が乏しいため、気づかないうちに症状が進行していくからです。

出典:イラストAC

日本成人病予防協会の示す隠れ脱水の6つの症状は以下の通りです。
・皮膚がカサカサする
・喉が渇く
・集中力の低下
・頭がぼーっとする
・大量の汗をかく
・立ちくらみ

これらの症状は自分ではなかなか気づきにくい場合があります。

そこで、日テレの情報番組では隠れ脱水の4つのチェック方法を紹介していました。
①手のひらが冷たい
②舌が乾いて白っぽくなっている
③皮膚をつまんで放すと、3秒以上戻らない
④親指の爪を押して放したときに、すぐにピンク色に戻らない

上記のチェックポイントに当てはまれば、脱水のため血液の循環量が不足している状態と考えられます。


高齢者と乳幼児は特に注意

高齢者は喉の渇きや暑さを感じにくい、体内の水分量が50%と少ない(成人の体内水分量は60%)、腎機能が低下していて水分や電解質を失いやすいなどという特徴があります。

一方、子どもは体内水分量が70~80%と多いのですが、体内から出ていく水分量が多い、新陳代謝が盛んで体温が高い、不感蒸泄と言って汗以外に呼気や皮膚から奪われる水分も多いなどという特徴があります。

このような理由から、高齢者や子どもは脱水になりやすいので特に注意を払っていく必要があります。


脱水予防のためのポイント

1.こまめな水分補給
喉の渇きを感じる前に、意識的に水分を取っていくことが大切です。
寝ている間は長時間水分を摂れないことになるので、就寝前と起床時にはコップ1杯の水を飲みましょう。
運動前、入浴の前後、飲酒時にも水分補給するようにしましょう。


アルコールやコーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含む飲み物には利尿作用があり、体内の水分を奪ってしまうので脱水予防のための水分補給にはなりません。
麦茶、ルイボスティー、コーン茶などのお茶はカフェインを含まないのでOKですよ。

汗をかくと体内の電解質も失うことになるので、経口補水液やスポーツドリンクを飲んだり、水や麦茶と一緒に梅干しや塩分タブレットを摂ったりするのが望ましいです。

出典:イラストAC

2.食事を抜かない
成人の1日に必要な水分量は2.5Lで、その内訳として1.2Lは飲み物、0.3Lは体内で作られる水分、1Lは食事です。
食事から得られる水分量は意外と多いですよね。

とくに睡眠中には約500mlの水分が汗などで失われており、起床時の体は脱水傾向になっています。
朝食を抜いてしまう方は多いかもしれませんが、脱水及び熱中症対策のためには朝食は抜かずに栄養と水分をチャージして1日をスタートさせることが大切です。


3.室内でも十分な対策を
熱中症は屋外だけでなく室内でも多く発生しており、死者も出ています。
室内の熱中症死者のうちの大半はエアコンを使用していなかったということが分かっています。

室内でも脱水を起こしやすい環境をつくらないために、我慢せずにエアコンを使用し、室温を26℃~28℃にキープするようにしましょう。

大切なのはエアコンの設定温度ではなく、実際の室温が何℃を保てているかということです。
エアコンの温度設定は室温とは異なっている場合があるので、温度計を用いて室温を確認するのが望ましいです。

エアコンと合わせて扇風機やサーキュレーターを使い、空気を循環させることによって部屋全体を涼しくすることができるので、エアコンのみを使用して室温を下げようとした場合に比べ電気代の節約にもなります。

出典:イラストAC


いかがでしたか? 今回は脱水対策についてまとめていきました。
睡眠不足や栄養不足、運動不足は身体の予備力を低下させてしまいます。
今年は特に厳しい暑さに直面しているので、猛暑に負けない健康的な体づくりを心がけ、自身や周りの人の身を守るための熱中症対策を十分に行っていきましょう。

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