2022.12.17

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【乾物イタリアン】巨匠・日高シェフ考案の“とろろ昆布”で「チキンピカタ」作ってみた!うま味が倍増してる!

日本のイタリア料理界を牽引してきた巨匠・日高良実シェフ。本場イタリアの味を家庭でも再現できるようにと、テレビや雑誌などで簡単レシピを紹介していることから、筆者もよく参考にしています。9月7日のNHK朝の番組『あさイチ』では日高シェフがとろろ昆布を使った「チキンピカタ」を作っていました。イタリア料理にとろろ昆布?斬新ですが、とってもおいしそう!鶏むね肉なのでお安く作れるのもうれしいです♪

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「ピカタ」は薄い肉を使ったイタリア料理


「ピカタ」はイタリア料理のひとつ。やり(フォーク)でひと突きしてひっくり返せるような薄い肉を使うことから、槍の一突きという意味のpiccata(ピッカータ)と名付けられたそうです。

イタリアでは小麦粉だけを衣に使いますが、日本では卵液で食材を包み込んで焼きます。これは1927年に開業した横浜ホテルニューグランドの初代総料理長、サリー・ワイルさんが衣に卵を使って作ったことから、日本では卵液の衣をまとった「ピカタ」が広まったと言われているそうですよ。

「ピカタ」に詳しくなれたところで、さっそく作ってみましょう。

日高シェフの「とろろ昆布チキンピカタ」を作ってみた!

『あさイチ』で紹介されたレシピではイタリアンパセリを使っていますが、入手できなかったのでパセリを使って作ってみます。



【材料】(2人分)
鶏むね肉…250g
とろろ昆布…12g
卵…2個
粉チーズ…大さじ2
小麦粉…適量
塩・こしょう…各適量
オリーブオイル…大さじ1と1/2

(トマトソース)
トマトの水煮(缶詰)…200g
ミニトマト…100g 
にんにく…1かけ
イタリアンパセリ…小さじ1~2 ※パセリで代用
オリーブオイル…大さじ2
塩…ひとつまみ 

1.  鶏肉は6枚にそぎ切りにし、麺棒などで叩いて薄く伸ばし、片面に塩とこしょうを少々振ります。



鶏皮は剥がして6枚に切り分けました。麺棒で鶏肉を思いっきり叩きましたが、一部厚みがあるものも。薄くならないのでそのまま使います。片面にだけ軽く塩とこしょうを振りました。

2.  鶏肉にとろろ昆布を薄く巻きます。



とろろ昆布を薄く広げてその上に鶏肉を乗せて、そっと包みました。手が濡れていると、とろろ昆布がくっつくので、乾いた手で包んでくださいね。

3.  鶏肉に小麦粉をまぶし、粉チーズを混ぜた卵液を絡めます。



とろろ昆布がはがれやすいので上から茶こしで小麦粉を振りかけ、裏返して反対側も同じように粉がけしました。



粉チーズを混ぜた卵液にしっかりとくぐらせました。とろろ昆布が水分を吸ってヌルッとするので、卵液を付ける前にフライパンを温め、すぐにフライパンで焼けるようにしておくのがおすすめです!

4.  フライパンにオリーブオイルを熱し、弱火で鶏肉の片面を約2分ずつ焼きます。



弱火で焼くので鶏肉の中まで火が通るか不安です。肉をたたいて薄くするのは、火の通りをよくするためなのですね。



弱火で片面2分焼いてひっくり返しました。衣はうすくきつね色が付いてきれいに焼けています♪



反対側も焼いてひっくり返しました。衣はきれいに焼けていますが、思った通り、鶏肉にしっかりと火が通っていないようです。



ふたをして、とろ火で片面3分ずつ加熱しました。



とろ火の追加加熱のおかげで、表面は焦げずに鶏肉の中までしっかりと火が通りました。

5.  別のフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて強めの中火で熱し、香りが出たらトマトの水煮とミニトマトを入れて1~2分煮ます。イタリアンパセリと塩を加えて、2分ほど煮ます。



トマトの水煮を使うことで短時間でソース状になりました。にんにくの香りが広がっています♪

6.  皿にトマトソースを敷き、焼いた鶏肉を盛り付けます。



ソースを先に敷くと本格イタリアンのようですね♪ 普段はこのような盛り付けをしないので、特別感があります!

鶏肉がしっとり、やわらか~♡ とろろ昆布がとろっと感を出しています♡



完成しました♪「ピカタ」の淡い黄色とトマトソースの力強い赤、追いパセリ(分量外)の緑のコントラストがいいですね!直径約25cmの大皿を使ったので、ボリューム感のあるひと皿になりました。



「ピカタ」1つを小皿に取り分けても、ボリューム感がありますよ♪ 見た目はオムレツっぽいですが、中は鶏肉なので食べ応えがあるはずです。



切ってみると鶏肉にしっかりと火が通っています。衣と鶏肉の間に薄い茶色っぽい層が見えますね。とろろ昆布は衣に溶け込まず、しっかりと残っています。

食べてみると、鶏肉が驚くほどやわらかくてしっとり!鶏のむね肉はパサつきやすいですが、パサつき感ゼロです!弱火で火を通したのが功を奏したのでしょうね。

とろろ昆布の味は、チーズ入りの卵の衣とトマトソースのにんにくの味で、正直わかりませんでした。でもとろっとした食感があったので、とろろ昆布の存在は感じられました。



イタリアンに和の食材であるとろろ昆布を使うのはユニークですが、昆布にもトマトにもうま味成分のグルタミン酸が含まれているので、日高シェフはこの2つでおいしさの相乗効果を狙ったのでしょうね。

「とろろ昆布のチキンピカタ」は、お手頃価格の鶏むね肉1枚でボリュームたっぷりのおいしいイタリアンが作れますよ。ぜひお試しくださいね。

<参考文献>
WEB
「いちまる厨房世界の地方レシピ 〜ポークピカタ【日本国】〜」
https://www.bras-de-chef.com/recipes/ポークピカタ【日本】

「Wine Bistro晴の雑談(公式ブログ) 〜ピカタって?〜」
https://bistrohare.jp/2021/03/15/ピカタって?/

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