2021.11.05

住む

【サステな昭和暮らし】昭和初期のアイデア「丈夫な西洋紙で作る紙コップ」を再現してみた!使えるの?

突然ですが、当メディア「あたらしい日日」の背景には、月刊『家の光』という家庭雑誌の存在があります。その歴史は古く、大正14年の創刊。古い雑誌を眺めていると、面白い記事に出くわすことが多々あるんです。そこで、料理だったり家事だったり、古い記事のなかから興味深いものをピックアップ!そのアイデアを再現してみようと思います。当時の制作者の思いは違うはずですが、あらためて今見返すと“サステナブルな思想”に通じるものがたくさんありました…。

こちらが今回取り上げる記事です…



記事にはイラストがあったのですが、少しぼやけていたので、わたしが書き起こしてみました。



今回の記事は、「あたらしい日日」編集部からの“具体的な”依頼で制作しました。

大正時代から続く家庭雑誌、月刊『家の光』の古い記事のなかから選んだネタを再現するのがミッションです。何でも、当時話題になった「紙コップ」を作って欲しいとか。で、制作のガイドになる当時の記事が先ほどの画像です。どうやら昭和5~24年あたりの記事のようです。

なるほど、折り紙の要領でコップを作るわけですね。折り紙で水漏れしないんでしょうか。
「コップ」を「コツプ」と書いちゃう時代ですからねぇ。なかなか手強そうなネタです(笑)。

紙コップの歴史と西洋紙

そもそも紙コップとは…ググってみると、20世紀初めのアメリカで、病気の感染予防のために使われ始めたものだそうです。当時のアメリカでは列車内など公共の場で、水を飲むために金属製のコップを共用していたのですが、「結核菌まん延防止」のために衛生面を考慮され、使い切りの紙コップが作られました。
コロナ禍の真っただ中にいるわたしたちにとっても、他人事とは思えないエピソードですね。

一方、日本で初めて紙コップが作られたのは、アイスクリーム用だったらしいです。1930年のこと。飲み物用として使われるようになったのは1954年(昭和29年)頃。と、いうことは、この記事が出た頃はまだ紙コップは全然一般的ではなかったということになりますよね…。
つまりこの記事、当時としてはかなり画期的なことを書いているんですね。へぇ、すごい!

ところで、この記事にある「西洋紙」とは何のことなんでしょう。
単なる「紙」ではなく、「西洋紙」と書いているのはやはり「和紙」に対してでしょう。加えて、この時期にも一般的に手もとにあるような紙…。
当時の生活に思いを馳せようにも、昔過ぎて難しいです。
そこで、当時の西洋紙そのものを探すというより、今手に入りやすい紙を使う作戦で再現しようと思います!

いろんな紙で試してみた



家の中にある、ありとあらゆる紙を集めました。千代紙、チラシ、新聞紙、半紙、天ぷら敷紙、テーブルペーパー、コピー用紙、ノート、画用紙と9種類の紙が大集合です!
絶対違うだろうなっていうものも含まれてますが(笑)、せっかくの実験!たくさんの可能性を試してみます。

エントリーナンバー1・千代紙



まずは記事の折り方を解き明かす意味も込めて、千代紙(折り紙)を使って折ってみましょう。



ボタニカルな柄がいい感じ。これがコップになったら素敵ですね。



半分に折ります。



さらに半分に折って折り目を付けます。



これは折り紙の時によくやる折り方。



うつわ感は出てきている気がします。



ここからこれが正しいのか自信が無くなっていくのですが、イラストにイ・ロ・ハ・ニと角にふってあるので多分この折り方で正しいはず。





コップの形になってきました。



ツノの部分を折り込みます。
と、ここで問題発生!



折り込んだ先っぽが浮いちゃってコップとしては使いにくそう。



ちょいと荒い対応ですが、浮いちゃうならテープで止めちゃえばいいじゃない!
「手もとにあつた」マスキングテープで止めました。



完成!
多分これが「紙コツプ」!
千代紙のサイズも良かったのか、手のひらにフィットして持ちやすいです。
なかなか使いやすそう。

同じ要領で他の紙でも作ってみましょう!

次ページ > チラシ、新聞紙、半紙…と一気に6種類紹介していきます!

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