看護師のmocaです。先日、NHKの番組『あさイチ』で子どもの間でうつし合うアタマジラミの特集をしていました。家に持ち帰って家族に広がる恐れもあるとか。SNSでも「子どもが保育園でシラミをもらった」「フケだと思ったらシラミだった」などと話題になっています。今回はアタマジラミの特徴や罹ってしまったときの駆除方法について詳しくまとめていきます。
【画像を見る】子どもが保育園でシラミをもらってきたら…アタマジラミの特徴は?
アタマジラミの成虫は2~4㎜で灰色か黒色をしており、成虫と幼虫は吸血して頭皮の痒みや湿疹を引き起こします。
卵は1㎜程で白色をしており、1週間から10日でふ化します。
『あさイチ』ではアタマジラミに感染した5人家族の視聴者のまつぼっくりさんが取材に応じていました。
保育園~小学校の3人の娘さんからアタマジラミが見つかったそうで、体験談を次のようにコメントしています。
「フケはフ~っと吹くと飛んでいったり、払えたりするけどアタマジラミの卵はこびりついているので爪でギーっと引っ張ってこすり取らないと取れないんです」
出典:イラストAC卵は頭頂部や、耳周辺~襟足にかけて多く、フケやヘアーキャスト(毛根の皮膚がリング状に抜けたもの)は払うと簡単に取れますが、アタマジラミの卵はセメント状の物質でしっかりと髪に固着しているので、手でつまんでも簡単には取れないことが特徴です。
出典:東京都保健福祉局HPちなみにシラミ駆除のために白い粉を頭から撒いている昔の写真を、教科書などで見たことがありますよね。
そちらは「コロモジラミ」と言ってアタマジラミとは別物です。
コロモジラミは衣服に寄生し、発疹チフスなどの病気を媒介します。衛生状態の悪い環境で流行ったもので、最近の日本ではほとんどみられず、入浴し衣服を洗濯するといった普通の生活をしていれば予防できます。
一方、アタマジラミは衛生状態とは関係なく、どんなに清潔にしていても寄生することがあります。
アタマジラミは頭皮にのみ寄生し、主に子ども同士でうつし合いますが、大人にもうつります。
番組に出演していた兵庫医科大学・皮膚学科の夏秋優教授は「人と接する機会が増えると相談件数が増える。これから感染が広がっていく懸念がある」と言います。
アタマジラミの感染経路は?
頭をくっつけて遊ぶ子ども達の間でうつし合うので、保育園や幼稚園、小学校低学年などで集団発生しやすいです。
出典:東京都保健福祉局HP布団や枕、帽子、ヘアブラシ、脱衣かごの共有、タオルの使い回しでもうつるので、感染したお子さんからその家族へも広がります。
アタマジラミは頭から離れると1~3日しか生きられないので、上記のような行動をとらないようにすることが予防につながります。
駆除方法は?アタマジラミを退治するための3か条
1.衣類や寝具、タオルなど洗えるものは毎日洗濯する。2.毎日髪を洗い、専用のシャンプーを使う。子どもが自身で洗髪すると不十分な場合があるので、大人がしっかり洗ってあげましょう。
いつものシャンプーに加え、薬局やドラッグストア、インターネットで販売されているシラミ駆除専用のシャンプーを使います。
専用シャンプーは流す前に5分放置する必要があり、3日に1度の間隔で4回繰り返し使用すると駆除できると言います。
ですが、専用シャンプーには落とし穴が…
まつぼっくりさんは3回目のシャンプーを終えた翌日に娘の頭に成虫を発見し、ショックを受けたそうです。
実は、専用シャンプーは成虫と幼虫にしか効かず、卵には効果がないといいます。なので、シャンプーをした後に卵から幼虫がふ化する可能性があるんです。
そこでまつぼっくりさんは次の方法を合わせて行いました。
3.専用のくしで卵を除去する。専用の目の細かいクシを使うと、卵を物理的に除去することができます。
出典:Amazon.co.jpくしの表面に凹凸があるので、卵が絡みやすくなっています。
専用のくしはインターネットで購入できますよ。
下の画像はシラミ駆除シャンプーとくしがセットになっている商品です。
出典:ダンヘルスケア株式会社HP
シラミ駆除シャンプーのほかにも、パウダーやローションも販売されています。
ちなみにSNSではアタマジラミに感染した男の子の頭を丸坊主にしている家庭もみられました。
まつぼっくりさんは専用シャンプーと毎日のブラッシングの合わせ技で、駆除を始めて16日目にようやくアタマジラミとの闘いを終えたそうです。
まとめ感染経路を徹底的にシャットアウトすることが大切です。
保育園や学校に行っても良いのかという点ですが、アタマジラミは学校保健法では出席停止の処置は必要ない伝染病とされています。
上記の対策をとっていれば、登園や登校、プールへの参加も可能ですが、感染拡大を防ぐために頭同士の接触を避けることやタオルの共有を避けるようにしましょう。
最後に重要なポイントとして、夏秋教授は「アタマジラミは不衛生さとは関係なく、病気を媒介することもないので、正しい知識をもって対応してください。」と述べています。
もしもアタマジラミが身近に発生したら、慌てず対処し、きちんとした認識をもって誤解や偏見を生まないようにしていきましょう。
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